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今回は、内閣府月例経済報告(8月28日公表)と金融庁の金融行政方針(29日公表)を簡単に紹介します。 *********** 月例経済報告は判断維持 *********** 月例経済報告の景気基調判断は、現状・先行きともに維持されました。ただし、先行きのリスクとして中国経済の先行き懸念が指摘されたことが変化点です。需要項目では輸出の持ち直しが指摘されました。 (現状) ・基調:景気は、緩やかに回復している ・個人消費:持ち直している ・設備投資:持ち直している ・住宅建設:おおむね横ばいとなっている ・公共投資:堅調に推移している ・輸出:このところ持ち直しの動きがみられる (先行き)…
[ 2023/09/04 06:30 ] コメント(0)
既にSaltさんが解説してくれましたが、何人かから、中国不動産会社デフォルトに関して「なるほど」と思う話を聞きました。その横流しになってしまいますが、簡単に紹介します。 まず、日本の1990年代やリーマン破綻後のような金融危機の心配は無いという話です。日本の場合、銀行が不動産会社に貸し込み、不動産価格下落に伴いそれが不良債権化し、金融システムが崩壊しました。また、リーマンの場合、サブプライムローンを裏付けとした証券化商品価格の下落が、世界中の金融機関の健全性と流動性を奪いました。いずれも、資産価格と銀行を中心とした金融システムが強く結び付いていたため、危機が生じた訳です。 中国の場合、マン…
[ 2023/08/28 06:30 ] コメント(0)
台風の被害に遭われたり、日程が狂ってしまった方も多いと思います。そうした中、15日に4~6月期GDPが公表されました。「前期比年率換算+6%成長」に驚き、しかし内容的には「輸入減少に支えられた伸び。個人消費は減少」など、化けの皮が剥がれた感じです。Saltさんも素早くツイートされました。 なので書くのを止めようと思いましたが、一回飛ばしてしまうと次回以降の振り返りが面倒になるので、あえて書きました。 *********** GDP3期連続プラス成長 *********** ・前期比+1.5%、年率+6.0%。昨年10月~12月期以降、3期連続のプラス成長。寄与度で内需-0.3%、外需+1…
[ 2023/08/18 06:30 ] コメント(1)
台風が続き、気象の異常さを実感します。今回は、6月26日に執筆した「月例経済報告と骨太」に対し、読者の方から寄せられたご質問に回答します。 私が「財政の制約が無ければ多くの政策に同時並行的に取り組むことが出来るかもしれないが、そうした状況ではない」との趣旨を書いたことに対し、「これは私自身の見解か、財政の制約は制度的なものか、それとも国債発行の持続可能性という意味での経済的実務的な意味での制約か」との質問を頂きました。 私の見解で、経済的な意味を意識したというのが回答ですが、少し敷衍します。 ・まず、財政の問題に関する識者の意見は大きく割れています。前財務事務次官の矢野さんのような筋金入…
[ 2023/08/14 06:30 ] コメント(0)
今回は、1週間遅れで申し訳ありませんが、IMF世界経済見通し(7月25日公表)と内閣府月例経済報告(26日公表)を紹介します。 *********** 改善したが冴えない世界経済 *********** 今回の世界経済見通し(World Economic Outlook)の表題は「Near-Term Resilience, Persistent Challenges」、日本語訳は「短期的な強靭性 続く課題」です。簡単に言えば、前回4月時点では直前にシリコンバレー銀行やクレディスイスが破綻したこともあり、見通しには暗い雰囲気が漂っていました。今回は金融システム懸念がかなり後退し、2023年の…
[ 2023/08/07 06:30 ] コメント(0)
FED、ECBと続いた中央銀行週間を締め括った日銀。27・28日に開催された金融政策決定会合で、政策の修正が行われました。今回はその紹介です。なお、IMF世界経済見通し(25日)、内閣府月例経済報告(26日)は来週に回します。 *********** 難解で繊細な政策修正 *********** 今回のキーワードは「柔軟化」。ポイントは以下の通りです。 ・イールドカーブコントロールの枠組みは維持(不変)。 ・短期金利マイナス0.1%、長期金利(10年物国債金利)ゼロ%、長期金利変動幅±0.5%も不変。 ・従って本格的な政策変更ではない。粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴…
[ 2023/07/31 06:30 ] コメント(0)
27・28日に開催される日銀金融政策決定会合で政策が修正されるとの見方が強まり始めています。 (なぜ?) 理由は2つです。ひとつは、以前「日銀の政策変更は、米国利上げ打ち止めが明確になった後、利下げが行われるまでの間に行われるだろう」との趣旨の記事を書きましたが、まさに米国利上げの最終局面が見え始めたこと。もうひとつは、日本の物価の上がり方。4月以降も値上げが続き、「本当に2%の物価安定目標を達成するのではないか」との雰囲気が出始めています。 (どのように?) 日銀は政策の多角的レビューの最中。これが終わるまで抜本的な政策変更が行われるとは考えづらく、イールドカーブコントロールの枠内での何…
[ 2023/07/17 06:30 ] コメント(3)
今回も手短かに。3日に公表された日銀短観を紹介します。久方ぶりの製造業の業況判断改善が話題になりました。 *********** 製造業大企業7期振り改善 *********** 業況判断は数字が大きいほど良く、「良い」「悪い」の回答が拮抗するとゼロ、マイナス幅の拡大は業況悪化を表します。以下の仕入価格・販売価格等も同じですが、理論的には-100(全社「悪い」と回答)から100(全社「良い」と回答)の間で数字が動き、0が拮抗点です。 最も注目される製造業大企業は、前回1 今回5 先行き見通し9とかなり改善しました。とくに自動車は前回-9 今回5 先行き9と大きな改善です。製造業大企業の…
[ 2023/07/10 06:30 ] コメント(0)
今回は22日に公表された内閣府月例経済報告を簡単に紹介し、その後に1週間遅れですが、16日に閣議決定された骨太方針(正式には経済財政運営と改革の基本方針)2023に触れます。 *********** 景気判断維持 *********** 月例経済報告の景気判断は、先月二段飛びで上方修正された後、現状・先行きともに一言の修正も無く維持されました。二段飛びの後は変えづらいですよね(笑)。 (現状) ・基調:景気は、緩やかに回復している ・個人消費:持ち直している ・設備投資:持ち直している ・住宅建設:底堅い動きとなっている ・公共投資:底堅く推移している ・輸出:底堅い動きとなっている …
[ 2023/06/26 06:30 ] コメント(1)
今回も簡単に。15・16日に開催された日銀金融政策決定会合を紹介します。政策変更は無く、無風でした。 *********** 景気判断は維持 *********** 今回のように展望レポートがない月(3月、6月、9月、12月)とある月(1月、4月、7月、10月)とではスタイルが異なり比較が難しい面もありますが、景気判断は現状・先行きとも維持されました。 (現状) ・基調:既往の資源高の影響などを受けつつも、持ち直している ・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、緩やかに増加している ・設備投資:緩やかに増加している ・住宅投資:弱めの動きとなっている ・公共投資:緩やかに増加している ・…
[ 2023/06/19 06:30 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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