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体調不良のため、とても手短に、17日に公表された1月〜3月期GDPと、最近の株価についてコメントします。 *********** GDPプラス成長 *********** ・前期比+ 0.4%、年率+1.6%と、昨年4月〜6月期以来のプラス成長。寄与度で内需+0.7%、外需-0.3%と内需主導。とくに民間最終消費支出が前期比+0.6%、民間企業設備が前期比+0.9%とまずまずの伸び。輸出は前期比-4.2%と振るわなかった。 ・ただ、輸出を財貨とサービスに分けると、財貨は前期比-6.5%、サービスは前期比+5.6%。GDP統計の不思議のひとつは、インバウンド消費が個人消費でなく、主にサービス…
[ 2023/05/22 06:30 ] コメント(0)
連休も終わり寂しい気分です。今回は以前約束した「金融政策と財政」について書こうと思います。 *********** 金融政策と財政規律 *********** 黒田前総裁の超緩和的金融政策により財政規律が緩んだとの話をよく聞きます。私はこの議論を余り好きではありません。検証不能だからです。 例えば、「金利が1%高かったら、コロナ禍以降の財政出動規模は小さかったか?」との問いに答えることは不可能です。歴史を遡り、金利を1%上昇させ、その際の安倍政権や菅政権の政策を確かめる実験ができないからです。金利が高くても財政出動規模は変わらなかった気がしますし、昨年12月の日銀ミニ政策修正により長期金…
[ 2023/05/08 06:30 ] コメント(0)
植田総裁初の日銀金融政策決定会合が4月27、28日に開催されました。政策変更無しは大方の予想通りでしたが、「1年から1年半程度の時間をかけた多角的レビュー」は想定外でした。ハト派的な決定を受け、為替相場は円安方向に振れました。今回はこの決定会合の解説を行った後、25日に公表された内閣府月例経済報告にも簡単に触れます。 *********** 政策変更無し、多角的レビュー *********** まず、黒田前総裁下の長短金利操作(イールドカーブコントロール)付き量的・質的金融緩和政策は維持されました。2月10日に人事案が明らかになった当初は、4月の決定会合での政策変更を予想する向きもありまし…
[ 2023/05/01 06:30 ] コメント(0)
今回は21日に公表された日銀金融システムレポートを紹介します。毎年4月と10月に公表され、日銀によるわが国金融システムの安定性の評価を示します。このコーナー開始以来、公表の都度紹介してきました。今回はシリコンバレー銀行やクレディスイス破綻の直後、そして植田新体制発足直後の公表となり、いつもより注目を集めました。 *********** 問題意識と総括評価 *********** ふたつの問題意識が示されます。 ・世界的な金融引き締まり、すなわち利上げの影響。これが、保有する有価証券の評価損拡大、融資先の信用リスク増加をもたらします。さらに、上記の米欧金融部門を巡る不確実性の影響も気になり…
[ 2023/04/24 06:30 ] コメント(0)
今回は4月11日に公表されたIMF世界経済見通し(World Economic Outlook: WEO)を紹介します。毎年4月と10月に重厚なものが、1月と7月に簡略なものが公表されます。 *********** A Rocky Recovery *********** 今回のWEOの表題は「A Rocky Recovery」、日本語訳は「不安定な回復」です。ベースラインの経済見通しは前回1月と余り変わりませんが、下方リスクが強調されたレポートになりました。1月は、中国のゼロコロナ政策終了を受けIMFは強気化しました。今回は、インフレが思ったほど収まっていないことに加え、3月の金融危機を…
[ 2023/04/17 06:30 ] コメント(0)
黒田さんが退任し、植田さんが総裁に就任した日銀。今回は3日に公表された短観を簡単に紹介します。製造業の業況判断悪化が目立ちました。 *********** 製造業業況判断悪化 *********** 業況判断は数字が大きいほど良く、「良い」「悪い」の回答が拮抗するとゼロ、マイナス幅の拡大は業況悪化を表します。以下の仕入価格・販売価格等も同じですが、理論的には-100(全社「悪い」と回答)から100(全社「良い」と回答)の間で数字が動き、0が拮抗点です。 最も注目される製造業大企業は、前回7 今回1 先行き見通し3とかなり悪化しました。製造業全体では前回2 今回-4 先行き-3です。 非…
[ 2023/04/10 06:30 ] コメント(0)
新年度に入りました。先々週SVB・CS、先週日銀財務健全性を書くうち、また内閣府月例経済報告を失念しました(恥)。今回はそのキャッチアップとして、簡単に3月22日に公表された内閣府月例経済報告を紹介します。 *********** 景気現状判断維持 *********** 景気の現状については、「このところ」という言葉が削除されましたが、実質的には先月の判断が維持されました。個別需要項目も同様です。細かく言えば、「このところ」との表現は「最近こうだが、そのうち元に戻るかも」という気持ちが込められています。「このところ」を削除したことは、その傾向が一時的でないと認めたことを意味します。基調判…
[ 2023/04/03 06:30 ] コメント(0)
日銀が黒田総裁の超緩和的な金融政策から転換し金利が上昇する場合、日銀の財務が毀損し、通貨の信認が損なわれるのではないか?こうした議論が良く聞かれます。今回はこの議論の真偽を探ります。 *********** 日銀の財務 *********** 議論の前提は、日銀も銀行なのでバランスシートを持ち、損益が発生する点です。日銀ホームページに掲載されている最新のバランスシートは3月20日時点のものですが、資産737兆円、最大の資産項目である国債581兆円、負債と純資産(資本勘定)の合計737兆円、このうち当座預金534兆円、銀行券122兆円、引当金8兆円、資本金・準備金3兆円などです。また、202…
[ 2023/03/27 06:30 ] コメント(1)
日銀の話を書こうと思っていましたが、Silicon Valley Bank(SVB)とCredit Suisse(CS)の話に切り換えます。報道以上のことは分からず、憶測を交えた書き物になってしまう点ご容赦ください。 *********** どうして追い込まれたのか *********** SVBはベンチャー企業からの大口預金がここ数年急激に増加。その運用を国債等の長期債券中心に行いました。FRBの利上げにより保有債券の価格が下落し、それを不安視した預金者が引出しに走りました。まさに取付け(bank run)です。債券売却も追い付かず、売却すると損失が実現してしまう状況に陥ったSVBの経営…
[ 2023/03/20 06:30 ] コメント(0)
今回は、9・10日に開催された日銀金融政策決定会合の紹介です。2期10年にわたり総裁を務めた黒田さん最後の決定会合でした。事前には政策変更も囁かれましたが、実際は無風でした。 *********** 景気基調判断維持 *********** 今回のように展望レポートがない月(3月、6月、9月、12月)とある月(1月、4月、7月、10月)とではスタイルが異なり比較が難しい面はありますが、景気の基調判断は現状・先行きとも維持されました。需要項目別では、輸出が下方修正です。また、個人消費は判断不変ですが、物価上昇の影響を認めた形となりました。 (現状) ・基調:資源高の影響などを受けつつも、新…
[ 2023/03/13 06:30 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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