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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2024/03/18 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.226: 小噺・日銀金融政策決定会合予想


個人的な事情で2週間お休みしました。今回は簡単に今日・明日開催の注目の日銀金融政策決定会合を「予想」します。論点は様々ありますが、4つに絞ります。

(3月か4月か)

・政策変更は間違いなく行われるとして、3月(18・19日)か4月(25・26日)か?少し前までは4月説が多数で、私もそう考えていました。しかし、既に3月説で外堀が埋められた感じです。

・4月と考えていたのは、短観・支店長会議・展望レポートが揃う4月が自然と思ったからです。また、昨年4月に「多角的レビューを1年から1年半程度の時間をかけて行う」と公表していたので、1年後の4月は自然です。さらに、FRBが利下げを始めてしまうとまずいので、焦って3月にする可能性もありましたが、米国利下げも遠のきました。

・ただ、春闘がかなり強いので、あえて待つ必要は無くなったかもしれません。

(マイナス金利政策解除)

・短期金利に関するマイナス金利政策は解除されます。その仕方について諸説ありますが、金融機関はじめプロの市場参加者以外の人たちにとっては細かいことと思います。むしろ大事なのは、今後も利上げが続くか、利上げは一度限りかです。

・仕方の論点は、「ターゲットを今の通り日銀当座預金金利とするか、白川総裁時代のように無担保コールレート(オーバーナイト物)にするか」、「日銀当座預金付利の構造を今の3層(-0.1%、0%、+0.1%)からどう変えるか」です。

・前者は、ターゲットを現在の日銀当座預金金利-0.1%から無担保コールレート(オーバーナイト物)0%~0.1%に変更すると予想します。-0.1%からみれば0.1%は0.2%の利上げでしょうか。金利形成を市場に委ねる観点から、この方が自然だからです。

・後者は、0%と0.1%の2層を予想します。

(長期金利操作も実質停止)

・10年物国債金利の操作を目指す現在の政策はやめると思います。そうしたとしても、長期金利が跳ね上がっていく雰囲気は市場にはありません。

・ただ、何らかのセーフガードが無いと、日銀も不安かもしれません。「長期金利の急激な変動時には大量の国債購入を行う用意がある」などとするのでしょうか。

(ETF買入れ停止)

・株価が史上最高値を更新する中、ETF買入れは日銀にとって最早不要な政策と思います。実際、最近の買入れ額はゼロないし少額です。

・買入れを停止すると思います。ただ、買入れ制度廃止でなく凍結でしょうか。

ETF買入れへの注目度合いは、株価が最高値を更新する中で落ちていると思います。だからこそ止めることが自然ですが、政治の注目は、止める・止めないではなく、既に購入し含み益が30兆円以上と言われる日銀保有ETFの今後の行方と思います。売るのか、政治的な枠組みに組み込まれていくのか?

本日はこの辺で。

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