2024/03/21 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.227: 日銀金融政策決定会合結果
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金融政策の枠組み見直し
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18日の予想記事であげた4つの論点について、以下の結論になりました。
・3月か4月か・・・3月でした。春闘が予想以上に強かったことが決め手になったようです。
・マイナス金利解除・・・予想通り解除され、無担保コールレート(オーバーナイト物)を0~0.1%程度とすることとされました。
・長期金利操作・・・これも基本的になくなりました。予想通り「長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に、買入れ額の増額等で対応する」とされました。一方、「これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続する」ことも強調されました。ここは予想記事で書き洩らしました。
・ETFとREIT買入れ・・・「終了」となりました。「廃止でなく凍結」と予想したので、半分正解でしょうか。
今回は各種メディアで事前に取り上げられ、予想もしやすかったので、「ほぼ当たり」となりました。事前報道に関しては様々な見方があるでしょうが、本当に久し振りの本格的な政策変更なのでメディアも頑張り、日銀側も地均しのためブラックアウト直前まで取材に応じていたと推察します。
そのうえでむしろ大事なのは今後です。今回「当面、緩和的な金融環境が継続する」とされました。総裁記者会見でもこの点を巡りやり取りがあったようですが、市場は「利上げは0.25%まで、精々1回」と予想しており、実際、円ドル相場は円安に動きました。欧米が年後半には利下げに動くので、結果的にこの市場の見方が当たる公算は大きいと思います。ただ、所謂「中立金利」の議論との関連で金利が低過ぎる面があることは忘れない方が良いと思います。
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景気判断は概ね不変
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今回は展望レポートがない月(3月、6月、9月、12月)でしたが、ある月(1月、4月、7月、10月)と近い感じでやや詳し目の景気判断が示されました。個人消費の判断が下方修正されたほかは、概ねこれまでと不変と思います。
(現状)
・基調:一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している
・個人消費:物価上昇の影響に加え、一部メーカーの出荷停止による自動車販売の減少などがみられるものの、底堅く推移している
・設備投資:緩やかな増加傾向にある
・住宅投資:弱めの動きとなっている
・公共投資:横ばい圏内の動きとなっている
・輸出:横ばい圏内の動きとなっている
(先行き)
・当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる
(リスク要因)
・海外の経済・物価動向
・資源価格の動向
・企業の賃金・価格設定動向
・金融・為替相市場の動向やそのわが国経済・物価への影響
今回はこの辺で。
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