2024/02/26 06:30 | by Konan | コメント(1)
Vol.225: 月例経済報告と株価
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現状判断下方修正
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前回紹介した昨年10~12月期GDPマイナス成長を受け、現状判断が下方修正されました。具体的には先月までの基調判断の「一部に足踏みもみられる」から「一部に」が消え、個人消費も「持ち直している」から「持ち直しに足踏みがみられる」とされました。
(現状)
・基調:景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している
・個人消費:持ち直しに足踏みがみられる
・設備投資:持ち直しに足踏みがみられる
・住宅建設:弱含んでいる
・公共投資:底堅く推移している
・輸出:このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる
(先行き)
・基調:雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある
・個人消費:雇用・所得環境が改善する下で、持ち直しに向かうことが期待される
・設備投資:堅調な企業収益等を背景に、持ち直しに向かうことが期待される
・住宅建設:当面、弱含みで推移していくと見込まれる
・公共投資:補正予算の効果もあって、底堅く推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済の持ち直しが続く中で、持ち直していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある
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株価最高値更新
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改めて書くまでもありませんが、22日の日経平均株価が史上最高値を更新しました。一旦最高値を更新しないと気が済まない相場展開と思っていたので、違和感はありません。また、背景としてよく指摘される「好調な企業収益」「円安」「超緩和的な金融政策」「中国からのリバランス」「米国株価高の波及」「PBR1倍割れ対策など企業のガバナンス改革への期待」「新NISA」「半導体関連主導」などもその通りと思います。
他方、1989年のような熱狂感が無いことも事実と思います。当時、今振り返ればバブル経済が最高潮に達し、日本全体が活気と自信に満ち溢れていました。今、そうした雰囲気を感じることは殆どありません。
今回の月例経済報告下方修正の背景は個人消費の足踏みですが、その背景は実質賃金マイナス。物価上昇に賃金が追い付かない一方、大企業の収益は順風満帆。収益が労働分配に向かうより、配当や内部留保に向かっていると考えざるを得ません。
せめて、今回の最高値がバブルでなく、更にどんどん上昇しないまでも堅調に推移していくことを祈るばかりです。
今回はこの辺で。なお、今回ホームページ掲載のブログは225号になりました。旧ひとり言は225号で終えたので、追い付いたことになります。そろそろ引退でしょうか・・・?
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One comment on “Vol.225: 月例経済報告と株価”
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いつも楽しみに拝読しています。コンパクトに要点を伝えていただき、とても為になります。引退などとおっしゃらず、是非続けて下さい。