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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2024/04/08 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.229: 日銀短観


今回は1日に公表された日銀短観を紹介します。製造業の業況判断悪化が話題になりました。

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製造業、非製造業で明暗
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業況判断は数字が大きいほど良く、「良い」「悪い」の回答が拮抗するとゼロ、マイナス幅の拡大は業況悪化を表します。以下の仕入価格・販売価格等も同じですが、理論的には-100(全社「悪い」と回答)から100(全社「良い」と回答)の間で数字が動き、0が拮抗点です。

最も注目される製造業大企業は、前回13 今回11 先行き見通し10と悪化しました。とくに自動車は前回28 今回13 先行き8と大幅悪化です。一部メーカーの出荷停止の影響と思われます(どの企業が調査対象か非公表なので、例えばダイハツ自身がどう回答したか・していないか知る由もありませんが、本件が理由であることは明らかです)。製造業全体では前回5 今回4 先行き4です。

非製造業大企業は、前回32 今回34 先行き27と改善で、バブル期以降では最高水準です(先行き悪化予想は一種の癖のようなものです)。コロナ禍の影響を最も受けていた宿泊・飲食サービスは前回52 今回52 先行き42と引続き絶好調。半数以上の先が「良い」と回答した格好です。非製造業全体は前回18 今回18 先行き13です。

全ての企業の業況判断は、前回13 今回12 先行き9で、達観すれば「横這い」という感じでしょうか。

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仕入価格は引続き上昇超
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仕入価格・販売価格とも「上昇」の回答が「下落」の回答を上回る構図に変化はなく、判断の数字自体もほぼ横這いです。

大企業で説明すると、製造業の仕入価格は前回41 今回42 先行き41。販売価格は前回27 今回25 先行き24。非製造業は仕入価格で前回40 今回43 先行き42、販売価格で前回25 今回27 先行き28です。

注意が必要なのは、引続き「上昇」の回答が「下落」の回答をかなり上回り、かつ、仕入価格判断の数字が販売価格判断の数字を超える(=仕入価格上昇に直面した企業の全てが販売価格を引き上げられた訳ではない)傾向が長く続いていること。

また、中小企業では、傾向は大企業と同じですが、仕入価格判断は製造業56、非製造業53と50を上回り、半数以上の企業が引続き上昇に苦しんでいます。ただ、販売価格は製造業で今回26 先行き33、非製造業で今回26 先行き32。今回の春闘での賃上げの影響もあってか、先行き販売価格を引き上げる覚悟が垣間見える印象も受けます。

経常利益は全体で2023年度+6.9%の増益見込み後、24年度は-3.0%の減益予想です。設備投資は、ソフトウェア・研究開発を含み土地投資を除くベースで全体で2023年度+10.2%増加見込み後、24年度も+4.5%の増加が計画されています。

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目立つ人手不足
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雇用人員判断(マイナスが大きいほど不足)は全体で前回-35 今回-36 先行き-39と不足感がさらに強まっています。非製造業中小企業に限ると前回-47 今回-47 先行き-50と不足感が際立ちます。

なお、金融面では「資金繰り判断」「金融機関の貸出態度判断」に変調は見られず、全体で前者は前回11 今回11、後者は前回15 今回15です。ただ、日銀の政策変更を受け、「借入金利水準判断」は全体で今回17 先行き31となっています。

今回はこの辺で。

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