2023/10/30 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.212: 小噺・日銀金融政策決定会合を控えて
今日・明日、日銀金融政策決定会合が開催されます。今回は展望レポートが出されるので、物価見通しが上方修正されるか否かに注目が集まるほか、上限金利1%の引き上げ・更なる柔軟化の可能性も一部マスコミで取り沙汰されています。
7月の政策修正後、「難解で繊細」と書きました。とても上手く精密に作られた枠組みなので、逆に壊れやすいと感じたからです。少し長くなりますが、具体的には「植田・氷見野・内田という新体制らしい、学者風の理屈付けにも思えます。また、0.75%でなく1.0%まで上限を上げたので、日銀には暫く猶予が出来ました。多角的レビューを鋭意進め、本格的な政策変更のあり方を模索していくことになります。その意味では上手い政策修正でした。ただし、予想より早く長期金利が1%に近づくケースでは、再び市場との戦いが始まります。その意味で、今後の物価動向が重要です」と指摘していました。
現実に、長期金利は上昇し、1%に近づいてきました。背景は日本の物価見通しというより米国長期金利上昇の影響なので、この点は見立て違いでしたが、日本の物価についても、来年の春闘で本年並みの賃上げが実現する可能性が現実味を帯びてきています。
他方で政策の多角的レビューを進めており、その完了前の本格的政策変更も避けたいはずです。このため、今回は政策修正無しが私の予想です。ただ、植田・氷見野・内田体制の真価が問われる時期が迫ってきたと感じています。
明日を楽しみにしましょう。
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