2023/12/11 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.216: 小噺・COP28
他方で、今回会合の最大のテーマは「グローバル・ストックテイク」(GST: global stock take)。パリ協定に基づき、各国は温室効果ガス削減目標を定めています。日本の場合2030年までに46%削減です。この各国の目標の進捗状況を5年ごとに評価し、進捗が捗々しくなければ尻を叩くとともに、現在の目標の5年先=2035年までの新たな国ごとの削減目標を定めていく仕組みがGSTです。新たな2035年目標は2025年までに定めれば良いのですが、今回のCOPで大枠が決まるはずです。
しかし、この議論がどうなっているか、殆ど情報が洩れてきません。海外のメディア等では合意失敗見通しも流れています。ロシアによるウクライナ侵攻以降、例えば脱石炭火力の取り組みは遅れ気味です。先進国と新興国・途上国の意見対立も解消されませんし、コロナ禍以降、各国の財政状況は悪化しています。1.5度目標の達成は不可能視されるのが現実です。
COPは予定通り終わらないことが恒例で、12日を過ぎても暫く議論が続くでしょう。元々、気候変動問題には醒めた見方も少なくなく(科学的根拠が脆弱、どうせ中国やインドは努力しないだろうから日本が真面目に取り組むのは損など)、そうした方々から見れば「してやったり」の展開です。また、太陽光パネルやEVの電池のように、取り組みが中国を利する可能性も気にされています。
ただ、今夏のことを思い出すと、たとえ科学的根拠が弱くても、努力は必要と思えてきます。また、GXと言われるように、地球温暖化対策にはビジネスチャンスも伴います。
ここ数日の展開に注目したいと思います。今回はこの辺で。
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