2023/09/25 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.208: 日銀政策変更無し
昨日はぐっちーの命日。早くも4年経ちました。改めてご冥福をお祈りします。
今回は21・22日に開催された、日銀金融政策決定会合の紹介です。一部に政策修正観測もありましたが、変更無しでした。
***********
景気判断維持
***********
今回のように展望レポートがない月(3月、6月、9月、12月)とある月(1月、4月、7月、10月)とではスタイルが異なり比較が難しい面はありますが、景気基調判断は現状・先行きとも維持されました。
(現状)
・基調:緩やかに回復している
・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、緩やかなペースで着実に増加している
・設備投資:緩やかに増加している
・住宅投資:弱めの動きとなっている
・公共投資:緩やかに増加している
・輸出:海外経済回復ペース鈍化の影響を受けつつも、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっている
(先行き)
・当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる
(リスク要因)
・海外の経済・物価動向
・資源価格の動向
・企業の賃金・価格設定行動
・金融・為替相場の動向やそのわが国経済・物価への影響
***********
政策維持と質問への回答
***********
イールドカーブコントロールを軸にする金融政策運営は維持されました。短期金利-0.1%、10年物国債金利ゼロ%、その変動幅目処±0.5%、上限+1.0%です。
さて、前回の記事に質問を頂きました。簡単に順序を変えて回答します。
・「シンプルな1層に戻す」…この場合、ゼロ%1層でなく、例えば+0.1%1層を想定していました。短期金利0.2%ポイントの利上げです。
・「格好悪い」…理屈でなく「美学」です。各国中央銀行は何故か0.25%刻み(a quarter %)を好みます。FRBもECBもそうですし、日銀の±0.5%、上限1.0%もそうです。1.1%はその面で居心地悪く感じられる気がします。繰り返しですが、これは論理的な議論でなく、感覚論です。
・「イールドカーブコントロールをやめたい衝動」…イールドカーブコントロールは、放っておくと長期金利がA%になってしまいそうだが、これをB%以下に抑えたいときに必要な政策です(逆に、放っておくとC%になってしまいそうだが、B%以上に維持したいときにも用いることができます。導入当初はそうでした)。B%が切り上がっていきA%に近付くと、必要なくなります。こういう趣旨でしたが、議論が飛んでいました。むしろ大事なのは、「日銀がA%を何%と考えているか」ということかもしれません。長く市場機能が失われてきた結果、日銀自身もA%が何%なのか、見定められていないのかもしれません。
今回はこの辺で。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。