2025/03/24 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.270: 内閣府リスク警戒モード
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現状判断維持、先行き警戒
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(現状)
・基調:景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している
・個人消費:一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる
・設備投資:持ち直しの動きがみられる
・住宅建設:おおむね横ばいとなっている
・公共投資:底堅く推移している
・輸出:このところ持ち直しの動きがみられる
(先行き)
・基調:雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などが、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある
・個人消費:雇用・所得環境が改善する下で、持ち直していくことが期待される。ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある
・設備投資:堅調な企業収益等を背景に、持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:当面、横ばいで推移していくと見込まれる
・公共投資:補正予算の効果もあって、底堅く推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済の持ち直しが続く中で、持ち直していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある
先行きの基調判断のうち、「物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などが」が今回変更された表現です。先月までの「欧米における高い金利水準」「中国における不動産市場の停滞」「中東地域をめぐる情勢」が落とされた一方、物価上昇とアメリカの政策動向が「十分注意する必要がある」対象から「景気を下押しするリスク」に格上げされました。かなりの様変わりです。米(コメ)と米(アメリカ)ということでしょうか。
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世界景気は下振れ方向?
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先般公表されたOECDの世界経済見通しが下方修正され、Saltさんが解説してくれると思いますが、FOMCの経済予測でも米国の2025年GDPが下方に、失業率と物価上昇率が上方に修正されました。先般、ある金融関係者からも「不確実性が余りに高まったため、M&A案件が止まってしまった」との話を聞きました。
4月2日には米国関税政策の全貌が明らかになり、不確実性はある程度低減するはずです。ただ、関税引き上げが世界経済にマイナス方向に働く可能性は大きいですし、相手国の対応や為替相場の動き如何で影響が変わってくるため、不確実性は解消されません。コロナ禍1年前の2019年も、当時の米中対立による不確実性の高まりから世界的に投資が手控えられ、景気が減速しました。まさにそのパスに入りつつあります。
なお、先日ある番組でベッセント財務長官のインタビューを聞きました。「対中関税引き上げで米国インフレが悪化するのでは?」との質問に、「中国が値下げするかもしれないし、人民元が安くなるかもしれないので、そうなるか分からない」と答えていました。この答えは論理的には正しいのですが、そうだとすると中国の対米輸出は減らず、トランプ政権の政策目的は達せられないことになります。こんな答えで大統領に睨まれないのかと思ったりしました。
今回はこの辺で。来週は(恐らく)休載します。
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