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今日から新年度。エイプリルフールでもありますが、一応真面目に書こうと思います。六重苦シリーズを続けていますが、不人気でもあり一休みすることとして、今回と次回は最近の出来事を取り上げようと思います。 今回は、ぐっちーもブログやメルマガで取り上げたキプロス問題について簡単に。預金カットと言えば、このコーナーを書き始めた頃、預金保険について取り上げたことがあり、懐かしく思い出します(2009年11月、Vol.8でした)。キプロス問題を簡単におさらいすると、かつてのアイスランドのように国力対比過大な金融システムを抱えているキプロスの経済が立ち行かなくなり、ユーロ圏で支援を行う必要が生じました。支援側…
[ 2013/04/01 00:00 ] コメント(2)
前回に続き六重苦について。2回目の今回は、電力、環境対応に関し感想を記そうと思います。前回の円高に比べとても複雑なテーマと感じます。 産業界の主張自体はとてもシンプルです。まず、原発の稼働が大飯を除き停止するような状況では、いつ電力不足、最悪の場合ブラックアウトが生じるか不安である。そんな中で国内に産業を維持することは難しい。また、原発廃止の方向になると、火力発電に頼らざるを得ないが、電力料金引上げという直接の負担に止まらず、原発依存度引上げにより何とか対応しようとしていた温室効果ガス削減負担が、重く産業界にのしかかってくる。とても耐えきれない。何とかして欲しい、という感じと思います。振り返…
[ 2013/03/25 00:00 ] コメント(0)
世間では、春分の日からスタートする日銀新体制関連の話題で持ち切りですが、私は先月にかけて日銀特集も済ませたので、暫く別の話題を取り上げようと思います。 選挙の頃よく財界から「六重苦」という言葉が聞かれ、マスコミでもしばしば報道されました。その正確な定義は経団連のホームページでも見れば見つかるのでしょうが、私の記憶では、 (1)円高 (2)電力制約 (3)環境対応 (4)雇用規制 (5)TPP (6)法人税 の6つに関し、いかに日本の産業界が苦しい立場にあるか、政府・日銀に何を取り組んで欲しいか、訴えるためのスローガンだったと思います。円高など既に解決された点、電力のように明らかに新旧政権のス…
[ 2013/03/18 00:00 ] コメント(0)
少し古くなりますが、昨年12月、日銀の調査統計局の加藤さんや国際局の榎本さんらの連名で「高度成長期から安定成長期へ:日本の経験と中国経済への含意」という調査論文が出されました。中国に興味がある読者も多いと思うので、いつか取り上げてみようと思っていました。念のためURLも下記に掲げます。 この論文の発想は、1970年代前半に高度成長期から安定成長期に移行した日本の経験を整理・分析したうえで、中国経済が現在の高度成長から安定成長に円滑に移行していくための課題を考察するというアプローチです。無論、国が違えば現実も異なるので、このアプローチに限界があることは明らかですが、それでもとても興味深い発想と…
[ 2013/03/11 00:00 ] コメント(0)
東京オリンピックの公式な誘致活動が始まりました。昨年のロンドン五輪の際も書きましたが、私の世代は、東京五輪の記憶は微かとは言え、メキシコ、ミュンヘン、札幌の3つのオリンピックにのめり込み、体操やバレーボールでの日本の活躍に興奮した経験を持つ世代です。現実にはイスタンブールとの競争が厳しく、また体罰問題やレスリングが五輪種目から外れるかもしれないといった逆風もありますが、今回の誘致に気持ち的は賛成のスタンスです。…
[ 2013/03/04 00:00 ] コメント(1)
総理の訪米も終わり、今週最大の話題は日銀総裁人事ですが、今回はそうしたトピックから離れ、日銀特集を書いている間に気になった3つの話しを簡単に書こうと思います。 (1)菅さんと枝野さん 内閣の要でありスポークスマンでもある菅官房長官の姿は、日々テレビで目にすることが出来ます。聞きかじりですが、東北ご出身で、神奈川県の有力政治家の秘書から叩き上げた苦労人で、芯が強くぶれない安定感が持ち味の、自民党の影の実力者のひとりと思います。官房長官としての受け応えも、華はありませんがきっちりされている印象です。 菅内閣の官房長官だった枝野さん。東日本大震災、そして福島第一原発事故対応で日に何度も会見が開か…
[ 2013/02/25 00:00 ] コメント(5)
ヴァレンタインの夜はぐっちーと2人でデートでした(笑)。彼は相変わらず白川総裁擁護派で、日銀の政策が理解されないことは、ちゃんと報道する力がないマスコミの責任としていました。その日銀シリーズ最終回。今回はアベノミクスについて。アベノミクスは金融、財政、成長を三本柱としており、最近はむしろ財政に関し、単なる古い自民党への回帰か否かが着目されますが、今回は日銀との関係で金融に焦点を当てたいと思います。 アベノミクス金融の骨格は「物価が上がれば景気が良くなる」との主張です。正直言えば、はじめの頃この主張に強い違和感を持ちました。景気が良くなれば物価が上がるという因果関係論に慣れ親しんだ者にとり、主…
[ 2013/02/18 00:00 ] コメント(2)
白川総裁の早期退任など話題に事欠かない日銀について続けます。今回は、日銀に対する相反する2つの批判についての感想です。ひとつは「日銀の政策は不十分である」「分かりにくい」という根っこからの日銀批判。もうひとつは、元々の日銀シンパからの「安倍さんに屈したことは情けない」との批判について。 日銀のデフレ対応は不十分、too little too late(小さ過ぎるし遅過ぎる)、サプライズ効果が無いなどの批判は、マスコミ、政治家、市場関係者、実業界を問わずよく聞かれます。前回の最後に書いた麻生大臣の言葉も、「日銀はバブル経済崩壊後20年にわたりデフレ克服に失敗し続けている」との根源的批判と受け止…
[ 2013/02/11 00:00 ] コメント(1)
中央銀行、そして日銀に関する記述の続きです。前回はわが国における中央銀行への独立性付与の経緯、その後日銀の独立性に対する認知度は上昇してきたこと、しかしその政策への評価はさほど高くないこと、などを書いて記事を終えました。今回は少し概念的に、独立性について考えてみたいと思います。 前回も書いたように、中央銀行の独立性は先進国の常識であり、人類の歴史に基づく知恵とも言われます。その際意識されるのは、以下のようなストーリーと思います。民主主義の下、どの国でも政府は選挙に直面します。選挙に勝つため、景気を良くして国民の人気を得たいとのプレッシャー、バイアスを持つ傾向があります。そうすると、税率引…
[ 2013/02/04 00:00 ] コメント(1)
近年で最も注目された日銀の金融政策決定会合が終わりました(念のため公表資料のURLを下記に掲げました)。昨年4月、このコーナーで「中央銀行は打ち出の小づちか」との題名で何度か書いたことがありました。その際は日銀よりもFRBやECBのような欧米の中央銀行に焦点を当てながら、一般的な記述に努めました。日銀には知人も少なくなく書きづらい気持ちもありますが、ここまで注目されるとさすがに避けることが出来ないテーマと思いました。この再論では、何回かにわたり、日銀に主に焦点を当てて書いてみようと思います。まだ頭が十分整理できていませんが、なぜ日銀は独立したのか、アベノミクスと白川理論のどちらが正しいのか、日…
[ 2013/01/28 00:00 ] コメント(2)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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