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2012年も終わろうとしています。今年は、東日本大震災があった昨年に比べれば変動の度合いは小さかったかもしれません。世界で最も注目される米国大統領選挙もオバマ再選で終わりました。中国やロシアの政権交代も予想通りでした。ロンドン五輪のように、世界の平和や調和、あるいは日本選手団の団結の強さを感じる行事もありました。 他方、わが国では政権が交代しました(仏など現職大統領が敗れる選挙もありました)。日本ととくに中国との関係は大きく軋みました。世界経済も、欧州の崩壊が深刻に心配され、新興市場国経済の好調さにも変調がみられるなど、不安定な動きを続けました。…
[ 2012/12/31 00:00 ] コメント(2)
今回は、場つなぎとして、少し古くなりましたが、8月末に日銀から公表された、少子高齢化の急激な進展とこれが中長期的にみた日本経済の成長力に及ぼす影響について、事実整理と分析を行った論文を紹介します。URLも下記に掲げましたので、興味のある方は本文にアクセスしてみて下さい。なお、日銀は最近このテーマでもうひとつ論文を出していて、最近話題の渦中にある日銀が、本件に深い関心を持っていることを窺い知ることができます。 この論文では、基本的な事実認識として「少子高齢化が、予測を上回り続けるかたちで急激に進展した」と指摘します。そして、「バブル崩壊や不良債権問題に直面する中で、少子高齢化の進展に対する…
[ 2012/12/24 00:00 ] コメント(1)
現在16日の夜。各局の選挙速報を見ながら書いています。各局の予測にはまだ開きがありますが、自公で320議席に迫る、あるいは越えそうなこと、民主党が惨敗したことは確かなようです。まだ、投票率や各党ごとの得票率については、報道を見ていません。 以上の結果は予想された通りでした。郵政解散で小泉自民が圧勝した前々回選挙の再来です。その際は維新の会のようなライバルがいなかったため、民主党はまだ再生に向けた余力を残しましたが(そして現にその次の総選挙で政権を奪取しましたが)、今回の民主党の負け方は極めて深刻に見えます。また、この3回の議席の大きなスイングをみると、改めて小選挙区制の怖さを実感します。…
[ 2012/12/17 00:00 ] コメント(0)
次の日曜日に選挙が迫ってきました。シリーズの最終回は経済政策の領域を取り上げます。日銀を巡る問題とTPPがクローズアップされ、いつの間にか最も「有名な」論点になってしまった気もします。個人的には日銀の緩和政策もTPPも必要と考えていますが、今回はその詳細に立ち入ることは避け、この論点で意見が分かれる背景について、極力大括りに考えてみたいと思います。 10月のIMF・世銀総会後、NHKの番組にIMFのラガルド専務理事(IMFを率いるフランス人で元シンクロ選手の魅力ある女性です)が出演し、「女性が日本を救う」とのIMFスタッフペーパーを紹介しつつ、日本経済再生のうえで女性の労働参加、とくにM…
[ 2012/12/10 00:00 ] コメント(2)
今回は原発と外交を取り上げます。1回で2つ収まる小さなテーマではありませんが、それぞれ過去にこのコーナーで取り上げたこともあるので、簡潔さを心がけます。 原発については、一時「2030年代の原発依存度0%、15%、25%」の選択肢を巡り政府内で議論が行われ、0%に近い結論になりかけましたが、結局正式な方針とはならず現在に至っています。世論調査では多くの人が0%を望んでいます。経済界は強く25%を望んでいます。この問題では、自民党とその他で大きな立場の違いがあります。自民は経済界に近く、その他の多くの政党は世論に近い構図です。そして嘉田新党立ち上げにより、本件が報道上の最大の論点になりつつ…
[ 2012/12/03 00:00 ] コメント(2)
今回は消費税問題を取り上げます。小沢さんの新党立ち上げの契機となったこの問題。各党の主張は概ね以下のように別れると思います。 (1)民主、自民、公明:すでに決定された消費税率引上げの実施を(経済情勢を見極めながら)確実にはかっていく。 (2)維新の会:消費税を国税ではなく地方税として用いていく。 (3)小沢さんの政党など:消費税引上げ阻止。 消費税問題に関し感じるのは、最早この点が重要な争点とは思われていないということです。すでに国会を通ってしまった法律を覆すことは難しいとの諦めがあるのかもしれません。あるいは、法律の枠組みを大前提に、景気情勢との関係で「引上げを予定通…
[ 2012/11/26 00:00 ] コメント(2)
ついに衆議院が解散されました。賭けに出た野田総理の命運がどうなるか、第三極がどの程度躍進するか、そして最終的にどのような合従連衡が行われ政権が構成されるか、興味は尽きないところですが、今回から総選挙の争点について感想を記そうと思います。順番は悩みましたが、(1)統治機構、(2)消費税、(3)原発、(4)外交、(5)成長戦略の5つの話題を、4回(選挙までの月曜日の数です)にわたり取り上げていきます。この順番は、「原発も消費税も大した問題ではない。霞が関に支配された日本の統治機構をどう壊すかが最大の問題」との石原さんの発言に触発されたものです。彼の発言は、維新の会やみんなの党などのいわゆる第三極の…
[ 2012/11/19 00:00 ] コメント(8)
至る所で書き尽くされた感はありますが、米国大統領選挙の感想を書こうと思います。 昨年の秋、まだ共和党の大統領候補も決まっていなかった頃、また、米国経済に関し何ら良い兆しが見えなかった頃、偶々米国で留学時代の友人に会う機会がありました。彼は米軍の対イラク戦争にも参加した、現在軍事関係のシンクタンクに勤める人物です。そのシンクタンクは民主党系なので明らかにバイアスがかかっていますが、その時彼は、「共和党の候補は間違いなくロムニーになり、オバマと争う。最後はオバマが勝つ。なぜならロムニーのようなタイプは米国人に好かれないから。米国の選挙は好かれるか好かれないかで決まるもの」と話していました。そ…
[ 2012/11/12 00:00 ] コメント(1)
今回は、先日公表された日銀展望レポートの紹介です。このコーナーで展望レポートを採り上げるのは、もう7回目でしょうか。展望レポートは、半年に一度公表される日銀の最も重要なレポートで、先々2年程の景気や物価の見通しが、具体的な数字で示されるほか、日銀の金融政策運営の基本的考え方も明示されます。今回は、このレポート公表とともに更なる金融緩和政策が打ち出されるとの報道が早くから流れ、それを受け円相場が円安に振れたこともあり、とくにその内容に注目が集まっていました。 結果は皆さんご存知の通りです(今回は重要な公表物が3つもあるので、それぞれのURLを掲げることはしません。興味がある方は、日銀のHP…
[ 2012/11/05 00:00 ] コメント(1)
世間は石原慎太郎都知事の辞職・国政進出の話題で盛り上がりましたが、今回はその話題は無視して、久し振りに金融政策ネタを書いてみようと思います。金融政策の世界ではよく「ゼロ金利制約」という言葉が用いられます。例えば、インフレに直面すれば、金利を無限大に引き上げることが出来るので(この表現、数学的に不正確かもしれませんが、感覚的には理解頂けると思います)、その対応は比較的容易だが、デフレの場合、金利はゼロまでしか引き下げることが出来ないので、対応に限界が生じてしまう(従ってデフレに陥らないことが大事)、といった文脈です。 ところが、実際の市場では、欧州危機の中で信用力の高い商品(例えばドイツ国…
[ 2012/10/29 00:00 ] コメント(2)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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