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少し古くなりますが、昨年12月、日銀の調査統計局の加藤さんや国際局の榎本さんらの連名で「高度成長期から安定成長期へ:日本の経験と中国経済への含意」という調査論文が出されました。中国に興味がある読者も多いと思うので、いつか取り上げてみようと思っていました。念のためURLも下記に掲げます。 この論文の発想は、1970年代前半に高度成長期から安定成長期に移行した日本の経験を整理・分析したうえで、中国経済が現在の高度成長から安定成長に円滑に移行していくための課題を考察するというアプローチです。無論、国が違えば現実も異なるので、このアプローチに限界があることは明らかですが、それでもとても興味深い発想と…
[ 2013/03/11 00:00 ] コメント(0)
東京オリンピックの公式な誘致活動が始まりました。昨年のロンドン五輪の際も書きましたが、私の世代は、東京五輪の記憶は微かとは言え、メキシコ、ミュンヘン、札幌の3つのオリンピックにのめり込み、体操やバレーボールでの日本の活躍に興奮した経験を持つ世代です。現実にはイスタンブールとの競争が厳しく、また体罰問題やレスリングが五輪種目から外れるかもしれないといった逆風もありますが、今回の誘致に気持ち的は賛成のスタンスです。…
[ 2013/03/04 00:00 ] コメント(1)
総理の訪米も終わり、今週最大の話題は日銀総裁人事ですが、今回はそうしたトピックから離れ、日銀特集を書いている間に気になった3つの話しを簡単に書こうと思います。 (1)菅さんと枝野さん 内閣の要でありスポークスマンでもある菅官房長官の姿は、日々テレビで目にすることが出来ます。聞きかじりですが、東北ご出身で、神奈川県の有力政治家の秘書から叩き上げた苦労人で、芯が強くぶれない安定感が持ち味の、自民党の影の実力者のひとりと思います。官房長官としての受け応えも、華はありませんがきっちりされている印象です。 菅内閣の官房長官だった枝野さん。東日本大震災、そして福島第一原発事故対応で日に何度も会見が開か…
[ 2013/02/25 00:00 ] コメント(5)
ヴァレンタインの夜はぐっちーと2人でデートでした(笑)。彼は相変わらず白川総裁擁護派で、日銀の政策が理解されないことは、ちゃんと報道する力がないマスコミの責任としていました。その日銀シリーズ最終回。今回はアベノミクスについて。アベノミクスは金融、財政、成長を三本柱としており、最近はむしろ財政に関し、単なる古い自民党への回帰か否かが着目されますが、今回は日銀との関係で金融に焦点を当てたいと思います。 アベノミクス金融の骨格は「物価が上がれば景気が良くなる」との主張です。正直言えば、はじめの頃この主張に強い違和感を持ちました。景気が良くなれば物価が上がるという因果関係論に慣れ親しんだ者にとり、主…
[ 2013/02/18 00:00 ] コメント(2)
白川総裁の早期退任など話題に事欠かない日銀について続けます。今回は、日銀に対する相反する2つの批判についての感想です。ひとつは「日銀の政策は不十分である」「分かりにくい」という根っこからの日銀批判。もうひとつは、元々の日銀シンパからの「安倍さんに屈したことは情けない」との批判について。 日銀のデフレ対応は不十分、too little too late(小さ過ぎるし遅過ぎる)、サプライズ効果が無いなどの批判は、マスコミ、政治家、市場関係者、実業界を問わずよく聞かれます。前回の最後に書いた麻生大臣の言葉も、「日銀はバブル経済崩壊後20年にわたりデフレ克服に失敗し続けている」との根源的批判と受け止…
[ 2013/02/11 00:00 ] コメント(1)
中央銀行、そして日銀に関する記述の続きです。前回はわが国における中央銀行への独立性付与の経緯、その後日銀の独立性に対する認知度は上昇してきたこと、しかしその政策への評価はさほど高くないこと、などを書いて記事を終えました。今回は少し概念的に、独立性について考えてみたいと思います。 前回も書いたように、中央銀行の独立性は先進国の常識であり、人類の歴史に基づく知恵とも言われます。その際意識されるのは、以下のようなストーリーと思います。民主主義の下、どの国でも政府は選挙に直面します。選挙に勝つため、景気を良くして国民の人気を得たいとのプレッシャー、バイアスを持つ傾向があります。そうすると、税率引…
[ 2013/02/04 00:00 ] コメント(1)
近年で最も注目された日銀の金融政策決定会合が終わりました(念のため公表資料のURLを下記に掲げました)。昨年4月、このコーナーで「中央銀行は打ち出の小づちか」との題名で何度か書いたことがありました。その際は日銀よりもFRBやECBのような欧米の中央銀行に焦点を当てながら、一般的な記述に努めました。日銀には知人も少なくなく書きづらい気持ちもありますが、ここまで注目されるとさすがに避けることが出来ないテーマと思いました。この再論では、何回かにわたり、日銀に主に焦点を当てて書いてみようと思います。まだ頭が十分整理できていませんが、なぜ日銀は独立したのか、アベノミクスと白川理論のどちらが正しいのか、日…
[ 2013/01/28 00:00 ] コメント(2)
新年特集の3回目。国際関係を取り上げます。日本の外交と世界情勢の双方を考えてみたいと思います。その前に今般のアルジェリアの件はまだ情報が錯綜していますが、より多くの方のご無事を心よりお祈りします。 日本の外交の課題は、日米関係の再構築と日中関係の改善です。安倍政権は最初の訪問先として米国を選び(ただし実際には、全くの根回し不足だったことが露呈し、訪問先はアジア3か国に切り替わりましたが)、「民主党政権下で弱体化した日米関係を再構築する」と息巻いています。私はこのコーナーで何度か外交について取り上げたことがあり、その際、沖縄の方に申し訳ないと思いつつも、米軍の存在が日本の安全のうえで不可欠…
[ 2013/01/21 00:00 ] コメント(2)
新年特集の2回目では、政治を取り上げます。衆議院で2/3を超える多数を獲得した自公政権が本格稼働しています。予算面では、大型の補正予算、25年度本予算成立までをつなぐ暫定予算、そして本予算の3本が編成されますが、元々衆議院優先なので問題なく可決成立します。むしろ当面の国会では、この多数をもってしても参議院での議決を覆すことが出来ない日銀総裁人事が最大のイベントになります。その後、参議院選挙、来年度からの消費税率引上げの判断と大きなイベントが続きます。またTPP参加も大きなテーマです。その意味で今年も政治から目を離せない1年になりそうです。 さて、12月16日にこのブログで選挙について記し…
[ 2013/01/14 00:00 ] コメント(2)
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。例年、1月は新年特集として、その年の注目点を記してきました。今年もそれを踏襲し、経済、政治、国際の3つのテーマを取り上げようと思います。 経済については、リーマン危機があった2008年以降、不安定な状況が続いています。IMFの世界経済見通しをみると、2013年は実質経済成長率で+3%台半ばと、好調時の5%台に比べかなり低い予想に止まっています。世界経済の大きな流れを振り返ると、2000年代初のITバブル崩壊後の経済の落ち込み、そこからの回復を目指した世界規模の金融緩和と中国経済の躍進を背景とした経済回復、そしてバブル経済…
[ 2013/01/07 00:00 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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