2013/07/15 09:00 | by Konan | コメント(0)
Vol.201: 選挙まで1週間
参議院選挙まであと1週間を切りました。各種報道で自公有利の予測が報じられ、選挙の相場観は固まってきたように思います。また今回解禁されたネット選挙も話題になっています。他方、若者の投票率引き上げを狙ったネット選挙解禁にもかかわらず、投票率はかなり低いのではとの観測も流れます。民主党は、東京や愛知などで候補者を1名に絞り込み、必死の生き残りを図っています。しかし、自公人気に加え、みんなの党、維新の会、共産党との戦いは厳しく、これまで2期、3期務めてきた議員がどこまで残れるか、とくに注目してみています。
昨年の総選挙の際は「選挙の争点」ということで、何度かにわたり事前にこのコーナーで私見を書きました。今回それほど気合いが入らないのは、ほぼ結果が見えているように思えるからですが、そのうえで「自公はなぜ連立を組むのだろうか」という点についてのみ、初歩的な感想を書こうと思いました。各種報道では選挙の争点として、アベノミクス、消費税引上げ、原発、憲法の4つが取り上げられます。そして、周知の通り、自公は原発と憲法の2つの論点で大きく立場を異にします。自民と概ね意見が合うのは維新とみんなの2党です。幼稚な感想を言えば、「自公が分かれ、自・維・みで連立を組んで選挙を戦う方がすっきりする」ということになり、私の周囲でもそうした感想を述べる人が少なくありません。また、そうした感想の背後には、創価学会という宗教団体をバックにした政党が政権の中核に座ることに対し、もともと違和感を覚えていたということもあるのかもしれません。
他方、こうした問いが幼稚であることも事実です。政治は権力闘争であり、一度政権に入り閣僚ポストを味わうと、原理原則や主義主張を越え政権に入っていたいと思うことは、仕方のない現実です。誰が何を言っても自公は連立を組み続けると考えることが自然です。逆に政権に入ってもらったうえで、原発や憲法のような論点に関し自民にブレーキをかけてもらう方が、国民のため良いことなのかもしれません。
とりとめのない話しになってしましましたが、自公が連立を組み続けていられるもうひとつの理由は、結局のところ、原発はもはや争点でなく、憲法はまだ真剣な論点でないから、ということかもしれないと思います。原発については、私は以前から「ゼロと自信をもって主張できない」との立場なので、もはや争点でないことに強い違和感はありません。しかし、福島に住まれている方を含め、多くの方が原発の非争点化に憤りや不満を感じておられると思います。あのような悲惨な事故を経たうえでも、わずか2年ほどのうちに選挙の主要争点でなくなってしまうこと自体には、どこか怖いものも感じます。しかしそれが現実です。
憲法については、維新の会が失速してしまったことで、恐らく自維みという改憲派3党だけで2/3を確保することはないだろう、従って96条改正を含め近々憲法が改正されることはないだろう、との雰囲気と推測します(思い起こすと、新年特集を書いた際、維新の会の失速を予想していました。大当たりでしたが、橋下発言まではさすがに予想できませんでした)。また、憲法について何がしかの改正や加憲(例えば環境権の明文化など)を希望していても、そのために一旦96条を改正して改正のバーを下げてしまうと、自分の希望しない部分での改正の可能性が広がることになり、そうであれば今のままの憲法で良いと思ってしまう方も多いということ、従って世論調査でも96条改正論が盛り上がらないことも、実態と思います。
そうしたうえで、誰に、どの政党に投票するか、投票日まで考えていこうと思います。
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