2025/07/23 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.283: 小噺・選挙後のこと(続)
前回は新たな総理について書きました。今回は別の視点で選挙後のことを書きます。
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投票率上昇は良いことか?
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今回の選挙では投票率が上昇し、SNSの影響が指摘されます。一部の識者はSNSの負の面を憂慮し、投票率上昇を手放しで喜べないと発言します。私はこの意見には賛成できません。
奥山さんが指摘されるように、海外からの日本の分断を狙った発信を抑止する方策は必要と思います。また、ある党首のフェイク動画が悪意の第三者に作成されるようなケースでは、削除すべきです。
しかし、リアルな党首の発信が事実誤認を含む場合などは、他の党首が堂々と別の発信をしていくことが健全と思います。そうした盛り上がりを通じて投票率が更に上がるとすれば、望ましいのではないでしょうか。
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消費税率引き下げ論争の行方
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今回の選挙の勝敗を分けたのは、今困っている人たちを今すぐ助けることに対する政策の違いです。端的には、消費税率引き下げは今助けるための手段です。消費税率引き下げへの反対は、長い目でみて社会保障制度の安定を図り、将来世代に負担を残さないとの考えが背景にあります。
振り返ると、安倍政権では消費税率が2度引き上げられました。後者の考えは右か左かとは違うレベルの考えであることが分かります。また、安倍総理は選挙常勝でした。当時は後者の考えが国民に支持されていたと言えます。
その潮目を変えたのはインフレです。今後も物価上昇が続くか、前者の考えにより長期金利が今以上に上昇していかないかなど、「経済」を巡る論点が「政治」を左右・規定する状況が、一段と強まる気がします。
今回はこの辺で。
なお、月内には日銀金融政策決定会合、内閣府月例経済報告、IMF世界経済見通しと定例物が続きます。ただ、諸般の事情により今週末は執筆の時間を取れません。当面、7月28日は休載、8月4日は日銀と内閣府、11日はIMFの紹介を予定します。トランプ関税や政局については、可能な範囲で織り込みます。
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