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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2025/10/18 08:00  | by Konan |  コメント(0)

Vol.294: IMF世界経済見通し


今回は14日に公表されたIMF世界経済見通しを手短かに紹介します。

タイトルは「変動期の世界経済、見通し依然暗く」(Global Economy in Flux, Prospects Remain Dim)。見通しは前回7月対比上方修正されたものの、タイトル通り暗いトーンです。

いくつか経済成長率の数字を紹介すると、以下の通りです。

・世界全体:2024年+3.3% 2025年+3.2%(前回比+0.2%) 2026年+3.1%(前回比0.0%)
・先進国:2024年+1.8% 2025年+1.6%(前回比+0.1%) 2026年+1.6%(前回比0.0%)
・米国:2024年+2.8% 2025年+2.0%(前回比+0.1%) 2026年+2.1%(前回比+0.1%)
・ユーロ圏:2024年+0.9% 2025年+1.2%(前回比+0.2%) 2026年+1.1%(前回比-0.1%)
・日本:2024年+0.1% 2025年+1.1%(前回比+0.4%) 2026年+0.6%(前回比+0.1%)
・新興・途上国:2024年+4.3% 2025年+4.2%(前回比+0.1%) 2026年+4.0%(前回比0.0%)
・中国:2024年+5.0% 2025年+4.8%(前回比0.0%) 2026年+4.2%(前回比0.0%)

全体的に、前回対比上方修正の一方、成長率が2024、2025、2026年と低下していく傾向にあり、とくに中国で顕著です。トランプ関税発動前の1月見通しに比べると、成長見通しは低くとどまっています。さらに、今年前半は関税引き上げ前の駆け込み輸出により、成長率がかさ上げされた面があります。その効果が無くなり、トランプ関税の負の効果が顕在化してくる今年末・来年初あたりの成長率はとくに低くなり、今年末時点の成長率は+2.6%にとどまるとの記述もあります。

リスクは下方に傾いており、リスク要因として、長引く不確実性、更なる保護主義政策の可能性、労働供給面の混乱、金融面の不安定性、中央銀行の信認低下などが指摘されます。

今回とくに目を引いたのは、AIにけん引される株式市場に関し、ITバブル崩壊時と対比させるような記述が盛り込まれたこと。当局者は概してオオカミ少年になりがちですが、それでもこの点に言及されたことに注目しています。

とても短く、申し訳ありません。

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