2013/11/18 09:00 | by Konan | コメント(2)
Vol.219: 最後の三題話し
三題話しというタイトルでこれまでも何度か書きましたが、今回はその最後。3つの話しについて簡単に。
最初は18歳問題。報道を読んでも正確な事情はよく分かりませんが、国民投票法を巡り、自民党の中で「18歳まで投票年齢を引き下げることは怪しからん」との意見が強まり、同じ与党の公明党との間ですら揉めているようです。報道によれば、「18歳怪しからん」派は党内でも保守派の人たちで、非嫡出子違憲判決を踏まえた民法改正に反対した(このため、戸籍法改正は見送られた)人たちと重なるようです。
個人的には、非嫡出子問題と18歳問題はかなり違うように思えますが、同じ人たちが双方に反対したことには理由があるはずで、これも報道によると、「これまでの日本の社会秩序を壊すことにつながる」ことを懸念されているようです。非嫡出子は家族が大事という価値観を、18歳はお年寄りが大事という価値観を、それぞれ壊すという訳です。これから日本を背負っていく、数少なく希少価値がある人たちの意見を軽視する考え方には、さすがに驚いたというのが正直な感想です。
さて、フィリピンの台風による惨劇には本当に驚きました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、行方不明者の多くが無事であること、また、生存者の生活が少しでも早く平常に戻ることを心より願います。
この件については、日本でも増えているゲリラ豪雨や竜巻と重ね合わせ、異常気象を恐れる方も多くおられると思いますし、また、3.11と重ね合わせ、復興や今後の災害対策面で役に立ちたいと思われる方も多くおられると思います。そのうえで、ぐっちーがブログでも書いたように、アジア戦略の文脈で本件をひとつの梃子にしたいとの思いを持つ方もおられると思います。フィリピンは予てより、日本同様領土・領海問題で中国と対立しており、バナナの輸入制限までされています。自分がフィリピンの政府関係者であれば、中国に対し「援助はいらないが、バナナを買ってくれ」と言いたくなったかもしれません。人道が最優先であることは当然として、そうしたフィリピンを全面的に支援することは、日本の戦略上も極めて重要な意味を持つと思います。
最後はイラン情勢。あのイランと米国が急速な雪解けモードにあります。こうした話しはすぐに事情が変わるので軽々な判断は禁物ですし、実際にフランスの反対もあり、欧米諸国とイランの合意は前途多難です。ただ、あのイランですら、経済制裁の影響で国民の不満がたまり、それが選挙での穏健派大統領誕生につながり、そして、和平プロセス入りのモメンタムが生じてきたことに驚いたのが正直な感想です。同時にそうしたプロセスが全く起きない北朝鮮の「凄さ」を改めて感じもしました。
米国も、シリア問題での妥協に引き続いての柔和路線です。シリアでは、化学兵器の問題を除き米国の国益上さほどの重要さを持たなかったことと異なり、イランは中東和平のうえでも、対テロ対策の上でも米国にとって一段の深刻さを持つはずで、それこそ対イラクのような進攻すらあり得ると感じていただけに、こちらも驚きです。この辺の解説は米国通のぐっちーにお願いしたいところですが、米国民がイラク戦争のような負担を最早望まず、穏便に済ませることは済ませたいとの、昔のモンロー主義、孤立主義(isolationism)に戻りつつあるということでしょうか。そうであるとすれば、日本にとって他人事ではありません。
また取りとめもない三題話しになってしまいました。
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2 comments on “Vol.219: 最後の三題話し”
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一
政治家・・生命線・・選挙・・
十八歳以上選挙権・・十八+十九=二百四十五万・・
予断出来ない・・
二十二歳まで+六百十四万七千人・・
増々・・予断できない・・
取り込む自信ない・・自負もない・・
反対するか・・
二
モンローには戻れない・・グローバル経済・・許さない・・
とて・・
長年の戦争・・疲弊しつつある・・
長い耳・・伸びすぎた・・
トップシークレット資格者・・八十五万四千人・・
スーノウデン資格者・・多数・・
かつて・・
フリードリッヒ大王・・軍隊・・国庫を背負っている・・米国も近づいてきた・・
オバマ・・ロボット兵戦争選択・・・
「18歳まで投票年齢を引き下げることは怪しからん」という意見が自民党の一部にあったという現実には、私も「???」でした。 世界では、18歳を成人と定めている国が大多数で、日本のように20歳が成人という国は少数派ですよね。 しかもその日本でも、江戸時代は元服が15歳だったわけですし。。。 「常識は時代によって変化する」ことを、あらためて実感しました。