2013/12/16 09:00 | by Konan | コメント(3)
Vol.223: Fin-2
あと3回となりました。今回は引退の理由を書こうと思います。残り2回は、これまでを振り返り、このコーナーで何を伝えようとしたのか、整理してみたいと思います。
引退の理由は3つあります。最初の2つが底流にあり、そこに第3の理由が加わった感じです。
第1は、ぐっちーが「凄く」なり過ぎた(笑)ことです。思い起こすと、ぐっちーにGucci Post構想の説明を受けたのは、Gucci Postが始まった2009年9月の数か月前のことでした。あるワインバーで会い(ただ、当時ぐっちーは禁酒中だったので、彼はノンアルコールビールを何本も飲んでいました)、企画書を渡され、「特別寄稿というコーナーを設けるので、2、3週間に1度でよいから書いてもらえないか」と頼まれました。その時点では、私のほかにも何人か考えていたようで、そのコーナーは週により違う人が執筆するイメージだったと思います。その際、「枯れ木も山の賑い」ではないですが、たとえ駄文でも友人の助けになればと思い、引き受けることにしました。そして、真面目に毎週寄稿し続けたのですが、結果的に特別寄稿は私だけとなり、いつの間にか「Cruのひとり言」というコーナー名までもらい、今まで続けてきた経緯です。ただ、もともとぐっちーを助けることが執筆の目的でしたが、この間、ぐっちーは各種TVや雑誌や講演会でひっぱりだことなり、本を(知る限りでも)3冊執筆し、岩手でも大活躍するなど、超有名人になりました。もう私の助けは不要だろうと思うようになったことが、引退のきっかけでした。
第2は、自分の不勉強さです。個人的な事情で、ここ3年以上の間、読書を殆どすることが出来ず、情報収集は仕事上のネットワークと日米欧の報道にほぼ限られてきました。初めの頃は同じテーマの繰り返しを避けるよう努めましたが、次第に同じテーマが繰り返されるようになり(この点は、ぐっちーも彼自身の記事に関し「よく壊れた蓄音機と馬鹿にされる」と話していましたが(笑))、書く内容もマンネリ化してきたように思います。最近久し振りに本を買い(買った3冊の本は、哲学、物理学、歴史の入門書でした)、読み始めたりもしていますが、少し充電が必要と思うようになったことが、引退の第2の理由です。
ただ、この2つだけであれば、ぐっちーに引き止めれれば執筆を続けたと思います。それに加わったのが、世間を騒がせた復興庁職員のtwitterに代表される、「不適切な言動」事件です。その後も、言論活動が禁じられた訳ではありませんし、そうした事件の前からこのコーナーを書く際は、国家公務員法上の守秘義務に反しないこと、自分の組織や同僚の名誉や信用を傷付けないようにすることには、気を配ってきました。従って、内容がもともとつまらないものになりがちだった訳ですが、一連の事件以降、こうした点に一段と配慮する必要に迫られたことは否定できません。そこまで気を使い始めると、テーマ選定も難しくなりますし、書いていてもどかしさも感じるようになります。
最後の点は、自分の弱さを曝け出すようで恥かしさを感じますが、最初の2つの理由もあったので、「この辺でしばらく大人しくしておこうか」と思ったというのが、このタイミングでの引退の直接の理由でした。この点を察してくれたぐっちーからは、「年末までは続けてほしい」と言われましたが、それ以上の無理な引き止めはありませんでした。
以上です。私的な内容になり、申し訳ありませんでした。あと2回続けます。
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3 comments on “Vol.223: Fin-2”
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まだ・・
野心・・あるな・(笑)
死なない事は・・良い事・・
であると同時に・・
友人・・観ていると・・
そんな事・・歯牙にも・・かけなかった・・
一方・・
良い本あるぞ・・
声かけたら・・
止めてくれくれ・・毎日・・役所で・・死ぬ程・・読まされている・・
弱音吐いた・・・(笑)
書きたいことも、気をつけて矯めねばならない状況は、フラストレーションも溜まる一方で、精神的に良くないですよね。
退職や転職でもされたら、是非、カムバックをお願いします。特定秘密保護法に掛からない範囲で(笑)
『The Gucci Post』にコラムを書かかれるようになった「いきさつ」を初めて知りました。 「友情出演」だったんですね。 いつも、難しい話題をわかりやすく解説してくださるので、毎回とても勉強になっていますが、確かに、konanさんの立場でコラムを書き続けるのは、いろいろな配慮も必要なので、大変ですよね。
これまでずっと書いてくださって、どうもありがとうございます。 いよいよカウントダウンですね。