ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/03/04 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(3/3~9)

もう3月ですね。時間の流れが速い・・花粉症が気になる季節になってきました。寒暖差が激しいので、体調には気をつけましょう。

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先週の動き
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2/23(土)
・サウジがリーマ・ビント・バンダル王女を駐米大使に任命したと国営メディアが発表

2/24(日)
・トランプ大統領が3月1日に予定していた米中通商協議の延長を表明
・英国のメイ首相BREXIT協定案の採決を3月12日までに行う(2月27日予定の採決は先送り)と表明
・EU・アラブ連盟首脳会議(エジプト、〜25日)
・キューバの憲法改正に関する国民投票(大統領職・首相職の創設、私有財産制の導入、外資重視の内容で承認)
・モルドバ総選挙(野党社民党が1位、与党民主党が2位)
・セネガル大統領選挙(現職のサル大統領が再選)
・米軍普天間基地の辺野古移設に関する沖縄県民投票(移設反対が7割超)
・第91回アカデミー賞授賞式(作品賞は『グリーンブック』)

2/25(月)
・トランプ大統領が「原油価格は高すぎる」「OPECは落ち着け」として原油価格の低下を求めるツイート
・米財務省がベネズエラのマドゥロ政権による支援物資の国内搬入阻止に関与した州知事4人を制裁対象に追加
・ペンス副大統領がベネズエラのグアイド国会議長と会談(コロンビア・ボゴタ)
・ベネズエラの民主化を求める米州諸国の「リマ・グループ」の緊急首脳会合(ペンス副大統領とコロンビアのグアイド国会議長も参加)(同)
・英労働党のコービン党首が労働党は自らが提出するBREXIT協定案が否決されれば2度目の国民投票の実施を支持するとの声明を発表
・シリアのアサド大統領がイランのハメネイ最高指導者、ロウハニ大統領らと会談(テヘラン)
・イランのザリーフ外相がインスタグラム上で辞意を表明

2/26(火)
・米下院がトランプ大統領の国家非常事態宣言を無効にする決議案を可決
・トランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエンが上院情報委員会で非公開の証言
・クシュナー大統領上級顧問がサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談(サウジ)
・英国のメイ首相がBREXITに関する方針((1)3月12日に協定案を採決、(2)協定案が否決された場合13日に合意なき離脱の是非を問う採決、(3)合意なき離脱が否決された場合14日に離脱延期を問う採決)を議会で表明
・インド空軍機がカシミール地方の実効支配線を超えてパキスタン北東部を空爆
・タリバンと米国の和平協議(ドーハ、~28日)
・ナイジェリアの選挙管理委員会が2月23日の大統領選挙でのブハリ大統領の再選を発表

2/27(水)
・米朝首脳会談(ハノイ、~28日)
・トランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエンが下院監視・政府改革委員会で公開の証言
・ライトハイザーUSTR代表が下院歳入委員会で米中通商協議について証言
・パウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で証言
・英下院がメイ首相のBREXITに関する方針と同じ内容の議員の提案を可決
・パキスタン空軍機が停戦ラインを越境してインドを空爆し(パキスタン外務省の発表)、カシミール地方のパキスタン領空でインド空軍機2機を撃墜しパイロットを拘束(パキスタン軍の発表)、パキスタンのカーン首相はインド側に対話を呼びかけ
・中国・インド・ロシア外相会談(浙江省烏鎮)
・イランのロウハニ大統領、革命防衛隊コッズ・フォースのソレイマニ司令官、多数の国会議員がザリーフ外相に留任を呼びかけ、同外相はインスタグラム上で辞意を撤回

2/28(木)
・トランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエンが下院情報特別委員会で非公開の証言
・USTRが3月2日に予定していた2000億ドル分の中国製品に対する追加関税の税率の引き上げを延期すると発表
・ポンペオ国務長官がフィリピンを訪問(~3/1)
・米上院が次期環境保護局(EPA)長官に指名されたアンドリュー・ウィーラー長官代行を承認
・パキスタンのカーン首相が捕虜になったインド空軍機のパイロットを3月1日に解放すると発表
・ベネズエラのグアイド国会議長がブラジルのボルソナロ大統領と会談(ブラジリア)
・イスラエルの司法長官がネタニヤフ首相を収賄等の容疑で起訴することを決定したと発表

3/1(金)
・米中通商交渉の期限が延期
・トランプ大統領が中国に対しすべての農産品の関税の即時撤廃を求めているとツイート
・ポンペオ国務長官が南シナ海で攻撃があれば米国はフィリピンを防衛すると表明(マニラ)
・USTRが通商政策に関する年次報告書を議会に提出
・米共和党・民主党の超党派の議員がトランプ大統領の国家非常事態宣言を無効にする決議案を上院に提出
・米民主党のジェイ・インズリー・ワシントン州知事が20年大統領選への出馬を表明
・米国防総省が「宇宙軍」の創設のための法案を議会に提出したと発表
・米財務省がベネズエラのマドゥロ政権の軍高官ら6人を経済制裁の対象に追加すると発表
・ベネズエラのグアイド国会議長がパラグアイのベニテス大統領と会談(パラグアイ)
・パキスタンが捕虜になったインド空軍機のパイロットを解放
・サウジ内務省がオサマ・ビン・ラディンの息子で、イスラム過激派の指導者として頭角を現しつつあるハムザ・ビン・ラディン(2月28日に米国がその情報提供に100万ドルの懸賞金をかけていた)の市民権を剥奪したと発表
・韓国の文在寅大統領が日本統治下の抗日独立運動「三・一運動」の100年記念式典で演説

3/2(土)
・トランプ大統領が「強すぎるドルは求めていない」と述べFRBの金融引き締め策を批判
・債務上限の凍結が終了
・米国防総省が毎年春に実施する大規模な米韓合同軍事演習(野外機動訓練「フォール・イーグル」と指揮所演習「キー・リゾルブ」)を中止すると発表
・フランス各地でマクロン政権に対する大規模な抗議デモ(16週末連続)
・RCEP閣僚会合(カンボジア、〜3日)

先週は嵐のような一週間でした。特に2月28日には、米朝首脳会談とマイケル・コーエンの議会証言が重なり、さらにライトハイザーUSTR代表とパウエルFRB議長の議会証言がありました。アジアではインドとパキスタンの軍事衝突があり、欧州ではBREXITの議会採決。その前後には、イランのザリーフ外相の辞任をめぐる騒動とイスラエルのネタニヤフ首相の起訴についての発表もありました。週初めにトランプ大統領が米中通商協議の期限延期を発表しましたが、それがはるか昔の話に感じられるほど(笑)重要イベントが相次ぎました。

●第2回米朝首脳会談

第2回目の米朝首脳会談は、まさかの「合意なし」に終わりました。今回の会談では、おそらく進展は得られない、つまり米国の制裁解除も北朝鮮の譲歩もなく、特筆すべき内容の合意が結ばれることはない・・ということは、先週、以下の記事で予想していました。

「米朝首脳会談」(2/25)

それでも、お互いのメンツを考えて、何らかの成果を演出することが予想されていました。それが、まったく何の合意もなく、しかも予定を早く切り上げて昼食会や共同記者会見までキャンセルというのは驚きでした。これもこれでドラマ的・・さすがトランプ劇場です(苦笑)。なぜこんな結果になったのか。トランプ大統領と金正恩は何を考えていたのか。結局、今回の会談はどう評価すべきか。今後どうなるのか。これらの点について今週、私なりの見方をお伝えします。

●トランプの元個人弁護士マイケル・コーエンの議会証言

ハノイで米朝首脳会談が行わるタイミングで、ワシントンDCではトランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエンの議会証言がありました。公開の証言であり、TV中継の視聴率は極めて高く、米国中が釘付けになったようです。メディアの報道もコーエン一色になり、米朝首脳会談はもとより、同日に開催されたライトハイザーUSTR代表とパウエルFRB議長の議会証言もかすむほどでした。

コーエンは、長年にわたりトランプが抱える問題を解決する「フィクサー」の役割を担ってきた、文字通りトランプの「腹心」です。以下の記事で述べたとおり、昨年12月に有罪判決を受け、今年5月から服役する予定ですが、その発言はトランプの違法行為を追求する上で重大な意味をもつと考えられ、民主党としては、服役前に是が非でも議会証言を実現させたいと考えていました。公聴会はもともと2月7日に開かれる予定でしたが、不利な証言をされるのを恐れるトランプがコーエンの家族に対する脅迫を続けたことを理由に延期されていました。

「ポール・マナフォートの有罪評決とマイケル・コーエンの有罪自認」(18/8/27)
「トランプの元個人弁護士の有罪判決」(18/12/17)
「政府閉鎖の長期化と国家非常事態宣言の可能性」(1/14)
「トランプの元個人弁護士に対する偽証指示疑惑」(1/21)

その内容は大変なインパクトがありました。冒頭、コーエンは、自分がしてきたことをいかに悔やんでいるか述べた後、「I am ashamed because I know what Mr. Trump is. He is a racist. He is a conman. He is a cheat.」として、トランプを「人種差別主義者」「詐欺師」「ペテン師」と断言。その後、トランプの違法行為から行状に至るまで、様々な事実と見方を赤裸々に語りました。民主党の狙いは的中したといえます。詳しくは今週、追って解説します。

●米中通商協議

3月1日に予定していた米中通商協議の延長が決まり、2日に予定されていた2000億ドル分の中国製品に対する追加関税の税率の10%から25%への引上げは回避されました。以下の記事で述べた見通しのとおりです。

「米中閣僚級通商協議」(2/18)

今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●ライトハイザーUSTR代表の議会証言

ライトハイザーUSTR代表が議会公聴会で証言し、日本との通商協議について3月にも日本を訪れて初会合を開きたい意向を表明しました。

米中通商協議の見通しが見えてきて、ようやくEUと日本との通商協議に取り掛かることができる、という状況とみられます。特に日本との関係では5月にトランプの公式訪日が控えているので、それまでにある程度の形をつけたいはずです(時間はほとんどありませんが・・)。

この関連で、先週、以下の記事で自動車関税の調査報告書について解説しましたが、説明を補足します(※メルマガに限定)。

「自動車関税報告書の提出」(2/25)

●債務上限の復活

米国の「債務上限(debt ceiling)」(国債の発行額の上限)は、18年2月に成立した予算関連法によって凍結されていましたが、3月1日に期限が到来し、2日から復活しました。その意義と今後の展望については以下の記事をご覧ください。

「政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)」(1/22)
「トランプの国家非常事態宣言」(2/20)

なお、債務上限を含む財政問題や先に述べたトランプをめぐるスキャンダルは、政権発足以来ずっと続いている問題なので、今まで何が起こっていて、今はどのような状況にあるのか、把握が難しいと思います。これまでの流れをまとめて確認するには総集編が便利なので、ご関心ある方はご参照下さい(宣伝みたいで恐縮です・・笑)。

「総集編第1号:トランプ政権の1年」(18/1/31)
「総集編第4号:トランプの時代と中間選挙の審判」(2/14)

●BREXITの議会採決

メイ首相が、BREXITについて、(1)3月12日に協定案を採決、(2)協定案が否決された場合13日に合意なき離脱の是非を問う採決、(3)合意なき離脱が否決された場合14日に離脱延期を問う採決を行うとする新たな方針を議会で表明しました。ついにメイ首相が離脱延期の可能性を認めたことになります。

2月27日の議会採決では、労働党のイヴェット・クーパー議員と保守党のオリヴァー・レトウィン議員の共同提出による離脱延期を求める修正案の行方が注目されていましたが、この案は結果的にメイ首相の新方針と同じ内容になりました。このクーパー・レトウィン案が採決にかけられ、賛成502、反対20の圧倒的多数で可決。保守強硬派は約80人いるといわれますが、そのうちの20人だけが反対に回ったことになります。やや意外な形ではありましたが、結果的に離脱延期への道が開かれたという意味で、先週の記事で予想したとおりの展開でした。

「BREXITの議会採決」(2/25)

仮に3月14日に離脱延期が可決されれば、21日~22日にEU首脳会議が予定されているので、そこで離脱延期を申請し、EUが承諾するという流れになります。離脱実施予定日は3月29日ですから、まさにギリギリの決着です。

EU側は、マクロン大統領が離脱延長の目的が明確に分からない限り受け入れられないと述べています。また、メイ首相は、延長は「6月末まで」「一回限り」と述べています。5月に欧州議会選挙が行われ、7月から欧州の新議会が始まることを念頭に置いたものですが、これに対しては、EU側は、3か月で足りるのか?という(もっともな)疑問を呈しています。したがって3月に相当もめることが予想され、時間もタイトな中で綱渡りになりますが、それでもおそらく最終的にEUは受け入れると予想されます。

また、労働党のコービン党首が、労働党が提出するBREXIT協定案が否決されれば、労働党は2度目の国民投票の実施を支持するとの声明を発表しました。コービンはEU嫌いなので、労働党はEU残留派が多数であるにもかかわらず、EU残留について今まで立場を明らかにしていなかったのですが、ついに舵を切ったことになります。27日の議会採決では、労働党提出の修正案が否決されたので、2度目の国民投票の実施を目指すことが労働党の方針になりました。

ということで、離脱延期が視野に入り、EU残留派も(独立グループを含めて)まとまりつつあり、ある程度状況に進展がみられます。ただ、それでもせいぜい問題の先送りであって、見通しが明るくなった、とまでは決していえません。

●インドとパキスタンの空爆と戦闘

2月26日、インド空軍機が、カシミールの停戦ラインを越えて、パキスタン北東部カイバル・パフトゥンハー州のバラコットにあるイスラム過激派組織「ジェイシモハメド」の拠点を空爆しました。停戦ラインを越えるのは1971年の第3次印パ戦争以来です。インド外務省は空爆により多数のテロリストが死亡したと発表。インドメディアは300~400人のテロリストが死亡したと報じました。

先週、インドの治安部隊は、ジャンムー・カシミール州プルワマで自爆テロの攻撃を受け約40人が死亡していました(プルワマ事件)。カシミールでの治安部隊への攻撃の中では過去20年間で最悪の犠牲者数です。ジェイシモハメドが犯行声明を出しており、インドの攻撃はその報復になります。

「今週の動き(2/18~24)」(2/18)

一方、パキスタン政府は、空爆を受けたことは認めたものの、過激派拠点への攻撃や被害が生じたというインドの主張を否定しました。そして、27日、パキスタン外務省は、パキスタン空軍機が停戦ラインを越境してインドを空爆したと発表。さらにパキスタン軍は、カシミール地方のパキスタン領空でインド空軍機2機を撃墜し、パイロットを拘束したと発表しました。

そしてパキスタンのイムラン・カーン首相は、インドに対話を呼び掛け、3月1日、捕虜のパイロットを解放しました。二つの核保有国の軍事衝突は世界を震撼させました。その背景と意義、今後の展望について解説します(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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3/3(日)
・中国人民政治協商会議(政協)の第13期全国委員会第2回会議開幕(北京、~13日)
・エストニア総選挙

3/4(月)
・IAEA理事会(ウィーン、〜8日)

3/5(火)
・第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議開幕(北京、~15日)

3/6(水)
・トランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエンが下院情報特別委員会で非公開の証言
・カナダの裁判所がファーウェイの孟晩舟副会長の米国への身柄引渡しに関する審理(バンクーバー)

3/7(木)
・バージニア州連邦地裁がポール・マナフォート元トランプ選対本部長に量刑審問
・ECB理事会(フランクフルト)

●全人代

全人代は3月5日に開幕し、15日に終わる予定です。トランプ・習近平の首脳会談はその後のタイミングで調整されているのでしょう。

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あとがき
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故ブッシュ元大統領の介助犬、海軍病院で新任務 「衛生兵」に(2月28日付CNN

素敵な話ですね。故ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の心温まるエピソードは「2019年の展望(1)」(1/4)のあとがきでも紹介しましたが、まだまだ尽きないようです。ご人徳のなせる業でしょうか。

そういえば、「2018年の展望」(18/1/5)のあとがきでは、トランプ大統領が犬を飼わない、これは歴代大統領の中では珍しい・・という話をしていました。なぜか2つの「展望」の記事が1年かけてつながりました(笑)。

もちろん、動物が好きではないからといって、その人の人格がどうこう言うことはできませんが、トランプについては、マイケル・コーエンの証言もあり、まあ、やはりそうなのか・・と思ってしまいますね。

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One comment on “今週の動き(3/3~9)
  1. KB より:
    印パ

    目から鱗でした。核保有国同士、 一触即発のマズイ状況と思っていましたので・・。両国のトップの発言を丁寧に読み解くと、全然違う結論が導き出されていて、とても興味深かったです。トレーラー、カッコよくて驚きましたが、これはボリウッドのなせる業でしょうか。

    また、米中通商交渉のところで述べられている「思想の違い」について、一昨年はそれなりにJDさんのロジックを理解していたつもりでしたが、時々の事象に当てはめて読み解いていくと、「そういうことか!」と落とし込まれていく感じがします。私の3周遅れくらいの感度の鈍さに嫌気がさしますが・・・(苦笑)それは置いておいて、今の状況を楽しんで理解していこうと思います!

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