2019/01/22 06:24 | 米国 | コメント(5)
政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)
■ トランプ氏が「取引」提案、壁建設と引き換えに不法移民を保護(1月20日付CNN)
■ 政府閉鎖解除の妥協案、ドリーマー恩赦につながらず=トランプ氏(1月21日付ロイター)
昨年12月21日に政府機関の一部閉鎖が始まってから1か月が経ちました。
先週末、トランプ大統領は「南部国境の人道危機と政府閉鎖」と題する演説を行いました。あらかじめ「重大な発表」を行うと宣言したので、いよいよ国家非常事態宣言に踏み切るのか・・という観測もありましたが、前回の国民演説と同様、こういう大げさなアピールをするときほど肩透かしの結果に終わるもの。予想どおり、新味のない「新提案」の発表に終わりました。
トランプの提案は、「DACA(若年層の不法移民(ドリーマーズ)の居住を認める制度)」の3年間延長と「TPS(アフリカや中東の特定国出身者の一時滞在を認める制度)」の延長を認めるが、引き続き57億ドルの「壁」建設費を求めるものでした。ペローシ下院議長は、トランプの提案の内容を見越して、演説前(!)に「前に拒絶した提案の寄せ集め」に過ぎないとして、拒絶する声明を出しました。
一方、ギャラップの世論調査によればトランプ大統領の支持率は37%まで低下。全体的に支持率が高めに出る(まれに50%を超える)ラスムッセンすら44%まで下がっています。
しかし、共和党内での支持率は9割近くに上り、相変わらず安定しています。また、「壁」建設に対する一般の支持率は、ワシントン・ポストとABCの世論調査によれば、支持するとの回答が昨年1月から8ポイント増え、42%に達しました。
さらに、ホンジュラスから、1000人規模に上る新たな移民集団が米国を目指して北上を始めました。すでにメキシコ国境に到達したようです。
これら最新の動きが意味するものについて解説します。また、読者の方から「つなぎ予算」と政府閉鎖とはそもそも何なのかという質問があったので、米国の予算制度のポイントについても説明します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
***********
政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)
***********
●政府閉鎖とトランプ・民主党
●通商交渉への影響
●米国の予算制度
●債務上限と歳出上限
***********
あとがき
***********
■ 梅原猛さん死去=哲学者、独自の「日本学」-93歳(1月14日付時事通信)
梅原猛氏の著書は、『隠された十字架 法隆寺論』と『水底の歌 柿本人麿論』が印象に残っています。学生の頃に読んで、日本の古代史もこんなに面白く解釈できるのかと感心しました。
実証的には色々ツッコミがあるようですが、これだけ昔の作品が今なお読み継がれるのは、やはり読み物としての面白さでしょうね。私自身は、専門家・研究者のはしくれとして、何よりも正確性と中立性に重きを置いていますが、それはまあ当然のこと。その上で、ゆくゆくは、後々になっても読まれるような面白い仕事を手がけてみたいものだ、と思います。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
5 comments on “政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
「米国の予算制度」「債務上限と歳出上限」の授業、今日はなかなかハードでした(苦笑)
最初、「トランプシャットダウンの全容」や「通商交渉への影響」など”気楽”に読んでいて、そのまま「予算制度」に突入・・・、イヤイヤいかん、とメモを取りながら再読しました(笑)
JDさんの、タイトルの付け方や話の進め方にも工夫が凝らされていて、かつ、ここまで実際に起きた事例などを抑えながら学べてとても有意義でした。
法律や法案の制定の背景など、すっ飛ばしていることが多いので(私だけ?)そんな”背景”も理解できる貴重な場でした。
こんな内容を、こんな価格で(!)提供されているなんて、やっぱり安すぎますよね・・・感謝です。
きょうの記事は
知りたいことがすべて書かれている・・・
本当にありがとうございます
しかし読み進めているうちに
100以上の疑問が出てきて
やはり自分で勉強するほか
ないか。。。
と思う次第です
1970年代に債務上限が決まっていると
思いますが
その辺を丁寧に解説してある
本などありますでしょうか
現代のものを含めると・・・
英語しかないですよね
がんばって読むほかないでしょうね
たぶん
私の推測が正しければ
ガバメントシャットダウンは
ドル安のpeakのときに
解除される、と思っています
すいません
推論からのトンデモ説で(笑)
去年起こったことから
政策を推測するのが
今は妥当だと思います
2月のドル安ピークに
北朝鮮と
そういうことをやれば
またひどいことになるのは
歴史は証明しているのですがね
安倍さんも同じこと
やっていますね
日本は4月の統一地方選挙の
意味不明な株価上昇が
またくるのでしょうね(笑)
その前に暴落する可能性のほうが
高いかもね?
そのように言っていただけると私もうれしいです。
債務上限は、記事にも書きましたが、1917年に第一次大戦中に制定した「Second Liberty Bond Act」によって導入されました。それまでは国債を発行するたびに立法が必要だったのですが(憲法上、議会だけに国債発行の権限が認められていた)、戦争なのでそんなヒマがない、ということで連邦政府に一定の裁量を与える、というのが趣旨です。完全に任せても良かったのでしょうが、議会にしてみれば連邦政府にすべての権限を奪われるのが嫌だったのでしょう。
この時期には、戦時体制もあり、連邦政府の権限を拡大する立法が相次ぎ、現代に至る強大な行政国家の基礎ができました。これ以前は、政府の役割は極めて限られていました。Second Liberty Bond Actも、こうした国家の変革期の産物であり、その中で議会と政府の権限のバランスをとった措置と言えると思います。
参考文献については、英語ですが、以下のペーパーに詳しく書かれています。
https://fas.org/sgp/crs/misc/RL31967.pdf
ちなみに債務上限を定めている国は米国ぐらいかと思ったら、ポーランドなどいくつかの国でもあるようですね。
原発のリスクを言うなら、中共へのリスクも考えたとき、両者を同じれべるで、議論する基盤は我々にあるだろうか?
以前アメリカの税収は前年度をもとにしているとあったが、これは本当でしょうか。
その昔、福田内閣の時大幅な税収不足が起きて、確か15か月予算を組んだことがあった。これは今もしているだろうか。もししているならすでに三か月分食っていることになり、四月から四月ではなく。七月から七月を四月から四月としていることになるが、国債が軽く発行できるようになったから、戻しただろうか?
北とアメリカと、会談怪談、階段登ってドウナルド?
両者密かに2人で世界をあっと言わそうぜ!って以心伝心かと思うと…。
勿論、騙そうぜ、なんでしょう…。
その時、韓国どーするんだ、泣き付く先はもう無いぜ、モーゼ。
メルマガで詳しい読みをよろしくお願いします。