2025/07/21 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(7/20~26)米国の対中技術規制の転換?、トランプのロシア政策の転換?、エプスタイン陰謀論の逆襲
本稿執筆時点では参院選の結果は確認できていないのですが、永田町ディープスロートさんやKonanさんがおっしゃっていたように、おそらく与党は過半数を割ることになるのでしょうね。石破政権はどうなるのか。政局については、ぜひプロ中のプロである永田町さんの解説をご覧下さい。
さて今週もトランプ政権です。対中技術規制、ロシア・ウクライナ戦争、エプスタイン事件について、トランプ大統領がこれまでの方針を覆すかのような意外な動きを見せました。その真意を読み解きます。
【目次】
1.先週の動き
(1)米国の対中技術規制の転換?
(2)トランプのロシア政策の転換?
(3)エプスタイン陰謀論の逆襲
2.今週の動き
3.今週のドラマ
4.近況報告
5.あとがき
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先週の動き
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7/13(日)
・米豪合同軍事演習「タリスマン・セーバー」(豪州、~8/4)
・シリアのスワイダ県でイスラム教ドルーズ派とスンニ派のベドウィンの武装勢力が衝突
7/14(月)
・トランプ大統領とNATOのルッテ事務総長が会談(トランプ大統領はウクライナへの兵器供与とロシアが50日以内にウクライナとの停戦交渉で合意しなければ100%の「2次関税」を課すと表明)(ワシントンDC)
・米・ウクライナ首脳電話会談
・ケロッグ・ウクライナ・ロシア担当特使とウクライナのゼレンスキー大統領が会談(キーウ)
・エヌビディアが中国向けに設計されたAI半導体「H20」の中国への輸出再開を発表
・上海協力機構(SCO)外相会議 (天津、~15日)
・中印外相会談(北京)
・イスラエルの超正統派の政党「統一トーラー・ユダヤ連合」が連立離脱
7/15(火)
・トランプ大統領が「ペンシルベニア・エネルギー・イノベーション・サミット」で演説(ピッツバーグ)
・トランプ大統領が医薬品関税の導入は7月末になるだろうと発言
・トランプ大統領がインドネシアと貿易交渉で合意したと表明
・中豪首脳会談(北京)
・中国商務省と科学技術省がEVに使われるリチウムイオン電池の製造に関する技術の輸出規制を発表
・中国の25年4-6月期の実質GDP成長率の発表(前年同期比+5.2%)
・EU外相理事会(ブリュッセル)
7/16(水)
・トランプ大統領とバーレーンのサルマン皇太子が会談(ワシントンDC)
・トランプ大統領がエプスタインに関する陰謀論を唱えるMAGA支持層を批判
・中・イラン外相会談(天津)
・中国北京市の第2中級人民法院が23年3月に拘束されたアステラス製薬の日本人男性社員に反スパイ法違反で懲役3年6月の実刑判決
・イスラエル軍がシリアの暫定政府の国防省や大統領府近くの軍事施設を攻撃
7/17(木)
・トランプ大統領がボンディ司法長官にエプスタイン事件の大陪審の起訴資料の公開を連邦地裁に請求するよう指示(司法省は連邦地裁に請求)
・G20財務相・中銀総裁会議(南アフリカ・クワズールー・ナタール州、~18日)
・ウクライナのスヴィリデンコ第1副首相兼経済相が首相に就任
・英独首脳会談(ロンドン)
7/18(金)
・トランプ大統領がダウ・ジョーンズ、ニューズ・コープ、 ルパート・マードック、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者2人によるエプスタイン事件の報道は名誉毀損にあたるとして損害賠償請求の訴えをマイアミ連邦地裁に提起
・米国でGENIUS法が成立
・ベネズエラが拘束していた米国人10人を解放(米国がエルサルバドルに追放したベネズエラ出身の不法移民250人がベネズエラに送還)
・ベッセント財務長官と石破首相が会談(東京)
・EU加盟国がロシア制裁第18弾(ロシア産原油の価格上限を引き下げ)で合意
7/19(土)
・韓国の特別検察官が尹錫悦前大統領を職権濫用、特殊公務執行妨害等の容疑で逮捕
・イスラエルとシリア暫定政府が停戦で合意
・コンゴ民主共和国と反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」が停戦で合意
●米国の対中技術規制の転換?
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、中国向けに設計されたAI半導体「H20」の中国への輸出の承認を米商務省から得たと発表しました。
またAMDも、中国向けに設計されたAI半導体「MI308」の中国向け輸出の承認を得たと発表しています。
これに先立ち、7月3日には、半導体設計ソフトウェア(EDA)の大手であるシーメンスとシノプシスが、自社製のEDAの中国輸出の承認を米商務省から得たことも発表されました。
これらのAI半導体と半導体設計ソフトウェアは、4月から5月にかけて、トランプ政権が中国向けの輸出には事前許可を必要とし、厳格な輸出管理の下に置いていたものです。今回の輸出承認は、トランプ政権が進めてきたこれまでの技術規制強化の方針を転換したかのように見えます。
一方、中国は、電気自動車(EV)に使われるリチウムイオン電池の製造に関する技術の輸出規制を発表しました。レアアース輸出規制を彷彿させる措置であり、米国をはじめとする輸入国にとっては懸念すべき動きです。
以下の記事などで述べてきたとおり、米中はロンドン合意とジュネーブ合意を経て取引モードに移行していますが、今回のこれらの措置は今後に向けて大きな示唆に富む動きといえます。その意味と今後の米中関係の展望について解説します(※メルマガで解説)。
・「米中外相会談」(7/14)
●トランプのロシア政策の転換?
トランプ大統領は、NATOのルッテ事務総長との会談において、ウクライナに対し、NATO加盟国を通じて「最高級の兵器」を送ると表明しました。また、50日以内に戦争終結の合意が成立しなければロシアに100%の「二次関税」を課すと述べました。
これまでウクライナ兵器支援に消極的で、どちらかといえばプーチン大統領に好意的な発言が多かったトランプですが、ここに来て急に立場を変えたように見えます。これはトランプの政策の転換を意味するのか。今後の展望を含めて解説します(※メルマガで解説)。
●エプスタイン陰謀論の逆襲
7月7日、米司法省とFBIは、少女の人身取引罪などで起訴されたジェフリー・エプスタイン(19年に拘留施設で死亡、司法省は自殺と認定)の捜査資料について、「顧客リスト」は存在しないと発表しました。
これに対し、MAGA支持者は、顧客リストには民主党の政治家やエリートが含まれていたはずで、司法省の発表はそれを隠すためのものだと激しく非難しました。ボンディ司法長官、ボンジーノ副長官、パテルFBI長官らが批判の対象となりました。
事態の混乱を受け、トランプ大統領はその対応に追われました。ボンディらを擁護し、エプスタイン事件をめぐる陰謀論は民主党による捏造だと一蹴。「私の過去の支持者はこんなデタラメを信じてきた」「民主党の罠にはまった愚かな人々だ」「彼らの支持はもう必要ない」とし、MAGA支持者を真っ向から切り捨てる発言に及びました。
しかし騒動は収まりません。民主党の下院議員は、エプスタイン文書の全面公開を求める決議案を提出し、共和党議員の反対で否決されましたが、ジョンソン下院議長ら共和党議員からも、政権の情報公開は不十分であり、何らかの対応が必要だとの指摘が相次ぎました。
こうした中で、トランプはついに方針を転換。司法省に対し、エプスタイン事件の大陪審起訴資料の公開を連邦地裁に請求するよう指示しました。
エプスタイン事件の情報公開がトランプとMAGA支持層にとって非常に重要な意味を持つことは、以下の記事でお伝えしていました。今回の騒動も、トランプ政権の今後に広く大きな影響を及ぼしていく可能性があります。その意味を解説します(※メルマガで解説)。
・「トランプとマスクの決裂」(6/9)
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今週の動き
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近況報告
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最近の仕事やプライベートについて、徒然なるままに書きます。
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あとがき
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■ Grokアプリに美少女アバターと会話できるコンパニオンモードが登場、親愛度を上げることで反応も変化(7月15日付Gigazine)
AIコンパニオン、AIエージェントの一種とのことですが、ビジュアルやエモーショナルな言動が加わることで、さらに親密感(?)が増したように感じられますね。
それにしてもこの女性のキャラクターのビジュアル、物議を醸すことは容易に予想されたように思いますが・・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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