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2020/01/06 00:50  | 今週の動き |  コメント(8)

今週の動き(1/5~11)


今年初めての「今週の動き」です。世界情勢に休みなし・・ということは年末年始にも言えますが(特にイスラム圏では年越しにあたらないので通常運転)、それでも欧米は休暇シーズンということで動きが鈍るものです。

ところが昨年の大晦日には、トランプによる「第1段階の通商合意」署名宣言、イラクでの米国大使館の襲撃、ゴーンの国外脱出、台湾の反浸透法成立、チョ・グク起訴・・と驚きのニュースが相次ぎました(フジモン・ユッキーナ離婚もありました)。

そして年明けにはこれらを吹き飛ばすほどの衝撃的な事態が発生しました。イランの「顔」ともいえる「英雄」的軍人の殺害です。最大のニュースはやはり中東でした。

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先週の動き
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(2019年)
12/21(土)
・キューバのマヌエル・マレロ観光相が首相に就任

12/22(日)
・北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が党の中央軍事委員会拡大会議を開催したと国営朝鮮中央通信が報道
・アフガニスタン大統領選挙の暫定結果の発表(1位ガニ大統領、2位アブドッラー行政長官)
・ウズベキスタン下院選挙(政権支持政党が全議席獲得)
・クロアチア大統領選挙(1位グラバルキタロビッチ大統領、2位ミラノビッチ元首相、1月5日に決選投票)

12/23(月)
・ボルトン前大統領補佐官がトランプ政権の北朝鮮政策は「失敗」とツイート
・米国の福音派の雑誌「クリスチャニティー・トゥデイ」が12月19日に続きトランプ大統領を批判する論評を掲載
・ボーイングのデニス・ミューレンバーグCEOが退任
・サウジの裁判所がカショギ記者殺害事件の容疑者5人に死刑判決を言い渡したと検察が発表(ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の側近は無罪)
・中韓首脳会談(習近平国家主席)(北京)
・日中首脳会談(同)(同)

12/24(火)
・香港で政府に対する抗議デモ
・日中韓サミット(李克強首相)(成都)
・日韓首脳会談(同)

12/25(水)
・クリスマス
・日中首脳会談(李克強首相)(成都)

12/26(木)
・トルコのエルドアン大統領がリビアのシラージュ暫定政権側を支援するため派兵する方針を発表
・イスラエルの与党リクードの党首選(ネタニヤフ党首(首相)が勝利)
・イラクのサレハ大統領が辞任する意向を表明

12/27(金)
・イラクのキルクークの軍事基地がロケット弾の攻撃を受け、イラク軍と米軍兵士が負傷、米国籍の民間人1人が死亡
・中国、ロシア、イランの海軍がオマーン湾で合同軍事演習(~30日)
・韓国の憲法裁判所が15年12月の慰安婦問題に関する日韓合意は政治的な合意にすぎず法的拘束力はないので裁判の対象にはならないとして合意の違憲を主張する訴えを却下
・日本政府が中東地域で日本に関係する船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化するため海上自衛隊の現地派遣を決定

12/28(土)
・北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会総会(平壌、~31日)

12/29(日)
・米ロ首脳電話会談
・米国防総省が親イランのシーア派武装勢力「カタイブ・ヒズボラ」のイラクとシリアの拠点を空爆したと発表
・ウクライナと同国東部を支配する親ロシア派武装勢力が大規模な捕虜交換

12/30(月)
・イランの革命防衛隊がホルムズ海峡近くのペルシャ湾で燃料密輸の疑いで船舶1隻を拿捕(マレーシア国籍の乗組員を拘束)
・ロシアとウクライナの国営ガス会社がロシアの天然ガスをウクライナ経由で欧州諸国に供給する輸送契約に署名したと発表
・韓国国会が検察改革関連法案を可決

12/31(火)
・トランプ大統領が1月15日に米中の「第1段階の通商合意」の署名式をホワイトハウスで開き、その後に北京を訪れて「第2段階」の協議を始めるとツイート
・イラクの群衆数百人が米軍によるカタイブ・ヒズボラ空爆を非難して米大使館を襲撃(バグダッド)(トランプ大統領はイランが関与したとして報復を示唆するツイート、エスパー国防長官は中東地域への米兵750人の増派を発表)
・習近平国家主席が国民向けに新年の挨拶(北京)
・台湾で中国による選挙介入や内政干渉を防ぐための「反浸透法」が成立
・韓国のソウル中央地検が曽国前法相を収賄罪等で在宅起訴
・ロシアのプーチン大統領が国民向けのテレビ演説
・日産のカルロス・ゴーン元会長が保釈条件に反して日本を出国、レバノンに入国

(2020年)
1/1(水)
・香港で政府に対する抗議デモ
・イスラエルのネタニヤフ首相が検察の起訴決定について議会に免責決議を求めると発表
・オーストリアの国民党と緑の党が連立政権の樹立で合意
・日米貿易協定が発効

1/2(木)
・米国防総省がイランの革命防衛隊の特殊部隊「コッズ・フォース」のソレイマニ司令官とシーア派武装勢力の連合体「人民動員隊(PMF)」のアル・ムハンディス副司令官をバグダッドで殺害したと発表
・米民主党のフリアン・カストロ下院議員が大統領選挙から撤退
・トルコの国会がリビアのシラージュ暫定政権側を支援するため派兵する権限をエルドアン大統領に与える法案を可決

1/3(金)
・米国防総省が中東地域への米兵約3000人の増派を発表
・ポンペオ国務長官がウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタン、キプロスを訪問(~7日)(ウクライナ訪問は中止)
・スペインの選挙管理委員会がカタルーニャ自治州のキム・トラ(Quim Torra)首相から同州議会議員の地位を剥奪(首相職は失職)

1/4(土)
・トランプ大統領がイランが米国人や米国の施設を攻撃した場合、イランの52か所(イランとイラン文化にとって重要な場所)を「非常に迅速に非常に激しく」攻撃するとツイート
・イラクの米国大使館の近くにロケット弾が撃ち込まれる(バグダッド)

●イランのソレイマニ司令官の殺害

米国防総省がイランの革命防衛隊の特殊部隊「コッズ・フォース」のカセム・ソレイマニ司令官と親イランのシーア派武装勢力の連合体「人民動員隊(PMF)」のアル・ムハンディス副司令官をバグダッドで空爆により殺害したと発表しました。

コッズ・フォースは、本メルマガに何度も登場していますが、国外における破壊活動やインテリジェンスを担う特殊工作部隊です(「コッズ(Quds)」はペルシア語・アラビア語で「エルサレム」の意味)。ハメネイ最高指導者の直接の指揮系統下にあって、各地で軍事作戦やテロ活動を行い、米国やイスラエルなどに打撃を与えてきました。米国にとっては最も憎むべき天敵です。

コッズ・フォースの司令官であるソレイマニは、イラン・イラク戦争の時代から活躍してきた伝説的な軍人です。ハメネイに直接報告する立場にあり、その信頼は厚く、「ハメネイの剣」とも称されました。保守派内では絶大な人気を誇り、たびたび大統領候補として名前が上がり、イランの「顔」ともいえるほどの存在感があります(トランプ大統領に対して「大統領ではなく私と話せ」と発言したこともありました)。

イラクとシリアの親イラン武装勢力を作り上げた立役者、つまりイランの軍事戦略の中核的存在であり、プロの軍人ですが、イラクとシリアのイラン勢力圏では事実上の「統治者」でもありました。アサド政権支援、「イスラム国」掃討、クルドの独立封じでも大きな役割を果たしてきました。

「クルドの独立投票とイラクの進軍」(17/10/24)
「米国とイランの対立と対話」(18/8/6)
「トランプとソレイマニのビジュアル合戦」(18/12/3)
 
これだけのカリスマ的な実力者、イランを代表する「英雄」だけに、イランが受けたショックは計り知れないものがあります。ハメネイは米国への報復を誓うと明言しています。現時点での考察を述べます(※メルマガに限定)。

●米中の「第1段階の通商合意」の署名宣言

トランプ大統領が、1月15日に米中の「第1段階の通商合意」の署名式をホワイトハウスで開き、その後に北京を訪れて「第2段階」の協議を始めるとツイートしました。以下の記事で「ここまでくれば米中は何としても形をつけるはず」と述べましたが、その予想に沿った方向に動いています。

「米中の「第1段階の合意」」(19/12/17)
 
第1段階の合意の具体的内容は依然として明らかになっていません(大枠は上記記事でお伝えしたとおりです)。詳しくはその発表後に解説しますが、今年の米中関係の見通しについて、別途「2020年の展望」の記事で説明します。

●金正恩の強硬路線の表明

北朝鮮では昨年末、朝鮮労働党の中央委員会総会が4日間開かれ(これ自体が異例)、金正恩が「米国の敵視政策が撤回され、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制が構築されるまで戦略兵器開発を進める」「世界は遠からず戦略兵器を見ることになる」「米国が北朝鮮敵視政策を追求するなら朝鮮半島の非核化は永遠にない」と宣言しました。18年4月にコミットした核開発とICBMの発射実験の停止を公式に放棄したことを示す内容です。

「北朝鮮の核実験とICBM発射中止宣言」(18/4/23)
 
一方、昨年末にリ・テソン外務次官が「クリスマスプレゼントに何を選ぶかは米国にかかっている」との思わせぶりな談話を出しましたが、特に動きがなく(以下の記事参照)、また北朝鮮が非核化交渉の期限として一方的に設定した年末を過ぎても具体的な措置はとられませんでした。毎年恒例の金正恩の新年の辞も発表されていません。これらを含め、現時点での考察を述べます(※メルマガに限定)。

「2019年の回顧」(19/12/27)
 
●米大統領選候補の政治献金

民主党の予備選が2月3日にアイオワでスタートします。いよいよあと1か月前になりましたが、先週、19年10~12月の献金額が以下のとおり発表されました。

・トランプ 4600万ドル(累計1億270万ドル)
・サンダース 3450万ドル(同9600万ドル)
・ブティジェッジ 2470万ドル(同7600万ドル)
・バイデン 2270万(同6000万ドル)
・ウォーレン 2120万ドル(同7100万ドル)

トランプが民主党候補を上回っていることが強調されますが、真に重要なポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●カルロス・ゴーンのレバノン逃亡

大晦日に日本を揺るがしたブレイキング・ニュース。「ゴーン・イズ・ゴーン!」の衝撃再びでした。

本件については色々な情報と見方が飛び交っています。報道によれば1月8日にゴーンの記者会見が予定されており、そこでまた新たな事実が明らかになるでしょう。明日、現時点でのポイントを解説します。

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今週の動き
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1/5(日)
・クロアチア大統領選挙決選投票

1/7(火)
・世界最大の家電見本市「CES」(ラスベガス、~10日)

1/8(水)
・ロシア・トルコ首脳会談(イスタンブール)
・金正恩朝鮮労働党委員長の誕生日
・日産のカルロス・ゴーン元会長が記者会見(ベイルート)

1/9(木)
・英下院がBREXIT協定法案について採決

1/11(土)
・台湾総統選挙(立法委員選挙)

(今週のどこか)
・トランプ大統領の上院での弾劾裁判の手続き開始(未定)

●台湾総統選挙

台湾では総統選と立法委員選が行われます。大統領選は民進党の蔡英文総統と国民党の韓国瑜高雄市長の一騎打ちです。ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

ところで、蔡英文はときどき日本語でツイートしています。こちらは新年の挨拶など((1)/(2)/(3))。これだけ日本を特別視してくれるのは本当にありがたいことです。

お茶目なツイートが多いですが、16年総統選では自分自身に猫耳をつけた萌えキャラ「3D小英」をアピールしたことも話題になりました。驚きつつも、このとき私は李登輝元総統が『魁!男塾』の江田島平八塾長に扮したことを思い出しました(笑)。台湾の人はシャレが分かるというか、こういうところでユーモアの感覚の近さを感じますね。

最後の『台湾のひみつ』は子どもへのプレゼントにもってこいですね。中国のシャープパワーは勘弁して欲しいですが、こういうソフトパワーには癒されます。

ちなみに私もかつて「ひみつシリーズ」に熱中しました。今でも実家にあるはずです。親は子どもには漫画をなかなか買ってくれないものですが、学研まんがならOKかもと思って頼んだら買ってくれました。それで歴史まんが学習系マンガにハマりました(笑)。

しかし『いる?いない?のひみつ』とか、超常現象、ノストラダムス、UFO、エクソシスト、フーディーニなどを特集した本で、学習系マンガとは思えないブッ飛んだ内容が最高でした。良い意味でトラウマです(笑)。

後半部分は本文に書くには軽い内容になってしまいました。年明けということで大目に見て下さい(笑)。

●トランプ弾劾裁判

以下の記事で述べたとおり、ペローシ下院議長は弾劾条項の上院送付を保留する方針を示しています。上院での弾劾裁判の手続きをめぐって共和党指導部と折り合いがつかないためです。

「トランプ弾劾決議」(19/12/23)

マコーネル上院院内総務は、ホワイトハウスと「全面的に連携する」と述べており、党派的な態度を鮮明にしています。不透明な状況はまだ続きそうです。

ところで、マコーネルの発言については、共和党のリサ・マコウスキー上院議員が公然と反発したことが話題を呼んでいます。

マコウスキーは共和党ながら、オバマケア改廃法案とカバノーの最高裁判事承認に反対し(オバマケア改廃法案は2票差で否決)、弾劾裁判でもトランプ罷免を支持する可能性があるといわれる議員です。なぜここまでトランプ大統領に強く出られるかといえば、彼女は選挙に滅法強いからです。

「オバマケア改廃の挫折」(17/7/31)
「カバノー最高裁判事候補の指名承認」(18/10/8)

マコウスキーはアラスカ選出の上院議員を2002年から続けていますが、2010年の共和党予備選ではサラ・ペイリン元アラスカ州知事が推すティー・パーティー候補に敗れ、本選には投票用紙に名前が記載されない(write-in)候補として出馬することを強いられました。

それでもマコウスキーは勝ちました。この快挙を成し遂げたのは米国史上2人しかおらず(もう一人はこちらの記事(19/10/17)のあとがきで紹介した故ストローム・サーモンド上院議員)、過去65年間では彼女だけ。そのぐらい無双の強さがあるので、トランプの脅しなど意に介さないわけです。

ちなみにアラスカ州の人口はわずか74万人で、同州選出の連邦下院議員は1人だけ。しかし上院議員は他の州と同じで2人います。その上院議員が連邦レベルでこれだけの影響力を行使してしまう。これも米国政治の面白さです。

なお、これまでメルマガでお伝えしてきたとおり、共和党の「トランプ党」化が進む中で、トランプを恐れない言動を続ける上院議員は、マコウスキーの他、ベン・サス(ネブラスカ)、スーザン・コリンズ(メイン)、ミット・ロムニー(ユタ)です。逆に言えば、この4人以外はトランプに忠誠を尽くしています。あとは今年の上院選で引退する議員の中には多少のフリーハンドがあるかもしれませんが、後任との関係もあるでしょうから、どこまで自由といえるかは疑問です。

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あとがき
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トランプ氏が「光栄」とした「ホームアローン」の出演シーン、カナダのテレビ局がカット(19年12月27日付CNN)

クリスマスネタですが、トランプ大統領が出演したのを「光栄」と述べた直後にテレビで放映された映画では出番がカットされていたという・・編集は数年前に行われていたそうで、タイミングがとても悪かったようですが、トランプも面白がっていた様子で、「The movie will never be the same! (just kidding)」と意外にも大人の対応(?)でした。

なおトランプがカメオ出演していた別の映画『ズーランダー』は私も大好きな作品です。こちらが出演シーンメラニア夫人は当時30歳。きれいというかかわいいですね・・このとき二人はまだ結婚もしていませんでした。

また、クリスマスと言えば、反米主義の権化だったイランのアフマディネジャド前大統領が英語で「メリークリスマス」「新年おめでとう!」という驚きのツイート

アフマディネジャドは、近年ハメネイの反対を押し切って17年大統領選に出馬しようとしたり(以下の記事参照、最終的には取り止め)、17年末から18年初めの反政府デモの際に政権とハメネイを公然と非難するなど独自の動きを見せていました。親米的な言動も保守派内の主導権争いの駆け引きのような気がします。今後もフォローします。

「アフマディネジャド元大統領の復活」(15/8/21)

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8 comments on “今週の動き(1/5~11)
  1. KB より
    いい話

    なんだかこの年末年始は色々なことがありました。ニュースなんかを見ているより、よほどJDさんのTwitterを見ているほうがピンポイントで欲しい情報が入手できるという、非常にありがたい体験を何度もしました(笑)。
    様々な憶測が飛び交った米・イラン。「米・イランの直接衝突」についての考察はとても示唆に富み鮮やかな分析で大変勉強になりました。
    年始にいい話を伺えたと思ったのが、「金正恩の強硬路線の表明」の後半で述べられている、「思考と分析力の鍛え方」。何をどうやって「読むか」、これは大いに参考になり、今日から早速実践してみようと思いました。
    いつもありがとうございます。今年もよろしくお願いします。

  2. 那須の山奥の兄ちゃん より
    質問です

    新年あけましておめでとうございます
    今年もお願いします。

    さて、正月早々、イラン問題がやってきて、報復絶倒のゴーン逃亡と(笑)。

    いつも詳細な事実確認は
    メルマガで行わせてもらうのですが

    そもそも
    アメリカがイランにいやがらせをするのは
    なんで?

    この疑問がわからないから
    終着点が見えない訳です。

    たとえばコメディアンがマレーシアについて
    不確かな知識を拡散していますが
    それが由々しき問題か否か
    といえば由々しき問題だと思います。

    理由は明瞭で
    歴史というのは現在につながる線であり
    その線の引き方を間違えれば
    未来の線も間違った方向に行く。

    将来、どうなるだろう?と考えたとき
    線の引き方を間違えるのですから
    当然、間違えます。

    論旨の通った話であれば
    未来はほぼ的確に見通せるな
    というのが現時点での私の感想です
    ただ、時期は間違えるけど(笑)
    ということになると思います。

    ほとんどの専門家と称する人たちは
    重要なカギをわからないまま放置し
    偉そうに語っているというのが私の所感です。
    結果、間違えたとしても
    誰も批判しないからますます増長する

    それが世間に蔓延っているのが
    現在の情勢だと思っています。

    筋が通るというのは
    論旨が通っていることである
    完璧な論旨であればあるほど
    その通りの結果にしか事は運ばないと
    私は信じています。

    イランの問題は
    米国の目的がはっきりしないことが
    終着点を間違う根幹だと思います
    線の起点がわからないのだから
    終着点も当然間違える

    詳細な解説は非常にありがたいのですが
    そもそもトランプ、米国の目的は何?
    という視点が抜けているように思います。

    個人的には
    イランの国力の低下をねらっているのはわかるのですが
    本当の敵は中国なの?イランなの?
    と思います。

    どちらも米国の価値観を否定することを
    行っており
    何れ、問題が出ると思っています。
    本命が2つあることは
    アメリカの歴史上ないと思いますので
    どちらかに今後、フォーカスすると思います。
    戦略上もそうするのが得策でしょう。

    ゴーンの問題などは非常にかんたんな問題で
    法の正義を軽視する人が
    まともな人生を歩める訳がない
    そもそもその会社の車を大枚をはたいて買う神経は全く理解できません。
    法の正義を強調する米国と対立するだけでしょ
    彼は、単なる勘違い男だと
    私はおもっています。
    2-3年は活躍するでしょうけど(笑)。

    詳細をみると納得できる点は多々ありますが
    大筋が
    アメリカのイデオロギーの
    なにに反しているのか
    よくわからんイラン問題というのが
    本音です。

  3. JD より
    本年もよろしくお願いします

    >那須の山奥の兄ちゃんさん

    米国とイランの関係の悪さの原因については、メルマガで何度か書いていますが(すみません、自分でも記事を確認する余裕がなく・・笑)、構造的な要因とトランプ政権特有の要因があります。

    構造的な要因は、イラン革命以来の対立、イランの「シーア派の弧」戦略の脅威と相互不信、イランの核問題、イランの敵対国(イスラエル、サウジ)と米国の同盟関係などです。詳しくはメルマガの解説をご覧ください。非常に根深い問題ですが、ハタミやオバマの時代にはある程度の歩み寄りがあり、個人的には宿命的な対立とは思っていません(ただ米国とイランは絶対に折り合えないという専門家もいます)。

    トランプ政権特有の要因は、オバマのレガシーの否定、それにユダヤ人シオニスト(メガ・ドナーのシェルドン・アデルソンなど)とエヴァンジェリカルの支持獲得です。トランプ自身はイランに対してそれほど敵意やこだわりはないと思うのですが、選挙対策など外的要因からイランを屈服させることを望みます(しかし戦争やレジーム・チェンジまでは望んでいない)。

    米国にとって安全保障の面で最大・最強の敵はイランというのが基本的な認識です。ただ最近は中国の脅威も強く認識されるようになっています。安全保障に限らず、経済・ハイテク・思想など総合的な面で覇権を争うライバルというのが今の中国のイメージでしょう。

  4. china より
    米国とイラン

    要人らのツイート合戦や各種声明だけを見ていると、まさに一触即発の状況に感じますが、イランの国連への働きかけなどを見ていると、わりと冷静だなと思います。核合意の段階的離脱に関しても、強い声明を出してはいますが、それでも交渉の余地は残していますし、全面衝突したくないというのが本心だというのも頷けます。ただ、イランの保守強硬派勢のコントロール等を考えると、ロウハニやザリーフは米国に対し強い態度を見せなければいけないのでしょうし、難しい舵取りを迫られているのだろうなと思います。
    イラク議会も駐留米軍の撤退を求める決議を可決したようですね。トランプも早速抗議していましたが、ロウハニら穏健派の意思を飛び越え、隣国から余計なムーブメントが起こらないかと、すこし心配です。

    選挙資金の件は、今の時代資金力だけではないという話も聞きますし、その通りだなとも思うのですが、途中参戦してきたブルームバーグが世論調査でそこそこの数字を出しているのを目の当たりにすると、やはり資金力も大事な要素なのだなと思ってしまいます。でもお金で買える数字は今のライン辺りまでで、更に数字を積み上げるには政策や候補者本人の魅力、ということになってくるのかなとも思っています。

    北朝鮮は相変わらずですね。何となくいつも北朝鮮とイランを比べてしまうのですが、やはりイランと比べるとすこし幼稚というか、短絡的で一方的だなと感じることがあります。交渉事って相手があることなので、相手を自分の思うように動かす為にはどういうカードをこちらは切るべきか、という視点が必要なのかなと思うのですが、北朝鮮の場合それがなくて、ただただ「私はこうしたいの」と、自己主張を続けているだけのように感じてしまいます。
    コミュニケーションといえば、少し話がズレますが、ある意味このコメント欄もそうなのかなと思います。コメントを書く人だけでなく、読む人、そしてその様子を見る人がいる訳で、その存在を無視しきったコメントは、コミュニケーションとしては何か欠けているのかな…と思うので、自分がそうならないよう気を付けようと思いました(私が言うな、って感じですけど、私はそうなりがちなので・笑)。

    台湾のセンスの類似は、ユーモアだけでなくドラマなどを見ていても感じます。心理描写の仕方がとても繊細で、日本人に馴染みやすいなと感じたことがありますね。

  5. JD より
    chinaさん

    一点だけ、コメントはすべて読んでおります。
    少なくとも掲載しているコメントについては、私は大いに参考にさせていただいています(コメントによっては不適切とみて掲載しないこともありますが、極めて稀です)。
    すべてのコメントに返事ができないことは申し訳ないですが、存在を無視しているということはありませんので、その点は誤解ないようにお願いします。

  6. china より
    JDさん、ありがとうございます。

    曖昧な書き方をし過ぎましたね。どんな意味だろう・・と煩わせてしまったようでしたら、大変失礼致しました。
    私の本意は全く別の所にありまして、JDさんが懸念されているような誤解は1ミリもしておりませんので、その点だけ追記させてください。それにコメントにレスがなくとも、きちんと一つひとつ読んでくださっているのであろうことは、これまでのコメントを読んでいれば十分に分かります。

    多分ご理解いただいていると思いますが私の本意は、人様のコメント欄である以上、自分の庭のように好き勝手書きすぎるのもあまり良くないかな・・ということです。私はその傾向があるかなと思って、自戒の意味を込めて書きました。例えば、自分の言いたいことを書きたいのであれば、ツイッターなりブログなりで発信できると思います。そうではなくコメント欄に書き込むということは、やはりコメント欄の持ち主やその読者の方に読んでほしいと思って書き込むのですよね。つまりはコミュニケーションだと思うわけです。コミュニケーションには相手がいるわけで、最低限読んでもらう人に不快にならない文章を心がけるべきでしょうし、独りよがりな持論の展開も慎むべきなのではないかと思っています。そのような思いを「その存在を無視しきった~」という表現で書きましたが、変なふうに伝わってしまいました(汗)。失礼致しました。でも、この辺りJDさんはとても寛容な気はしますけどね。

    というわけで、決してレスが無いことを責めているわけではありません。あくまでも「書き手側の作法(個人的見解)」についての発言でした。言葉足らずでしたね、失礼致しました!

  7. 那須の山奥の兄ちゃん より
    ありがとうございます

    米国とイランの対立の原因はさまざまあると思います。

    しかし、本当に双方に交戦に意思はないのか?
    ということに疑義を非常に抱きます。

    先に申し上げますが
    メディアで報じられているような
    事実を全くしらない無知な連中に影響されている訳ではありません。

    経済の面では
    現状維持が双方にメリット、というよりも
    アメリカというより世界にメリットがあります。

    ところが
    イラク大使館襲撃は
    アメリカを激怒させるものであり
    その報復は当然になる、と思います。

    ハメニイは相も変わらず
    挑発的な発言を繰り返し
    ロウハニは事態の収束に動いているだけの話であり
    イランには
    宗教の面でのアメリカへの不満があり
    イラン指導部にて意見の対立があるように思えて
    なりません。

    イランに交戦の意思がないのであれば
    イラク大使館襲撃などバカげた行為をするはずがない
    ということが言いたいのです。

    そもそも前提条件である
    双方に交戦の意思がない
    という条件がまちがっているから
    このイランの挑発的行為が読めなかったのではないか?
    ということが質問の趣旨になります。

    すいません、日本語の読解能力に欠けていて(笑)。

  8. JD より
    那須の山奥の兄ちゃんさん

    ご説明ありがとうございます。
    なるほど、ご趣旨了解しました。
    メルマガの方で回答を書きますので、少しお待ちください。

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