2025/05/05 05:30 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(5/4~10)トランプ政権100日(関税の影響)、日米関税交渉、米中の貿易戦争、ウォルツ解任、米・ウクライナの資源開発合意、インドとパキスタンの軍事衝突危機、カナダと豪州選挙
さて、今週もトランプ政権です。政権発足100日、関税の経済的な影響や今後の見通し、日米貿易交渉、米中の貿易戦争、ウォルツの解任、ウクライナとの資源開発合意と、例によって盛り沢山です。読者の方からのリクエストに応え、インドとパキスタンの軍事衝突の可能性についても解説します。カナダと豪州の選挙についても簡単にコメントします。いつにも増して長くなりましたが(笑)、お休みの方も多いと思うので、じっくりお楽しみ下さい。
韓国大統領選については李在民の無罪判決が破棄されるという大きな動きがありましたが、こちらは選挙直前の来週に解説します。また、米民主党の現状についても、読者の方から解説のリクエストがありましたので、次回以降、タイミングを見て取り上げます。
【目次】
1.先週の動き
(1)トランプ政権100日(関税の影響と見通し)
(2)日米関税交渉
(3)米中の貿易戦争
(4)ウォルツ大統領補佐官の解任
(5)米・ウクライナの資源開発合意
(6)インドとパキスタンの軍事衝突の危機
(7)カナダと豪州の選挙
2.今週の動き
3.近況報告
4.あとがき
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先週の動き
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4/27(日)
・米ロ外相電話会談
・イスラエル軍がベイルート南部を空爆
・石破首相とベトナムのトー・ラム共産党書記長が会談(ハノイ)
4/28(月)
・トランプ大統領のインタビューをアトランティック誌が公表
・トランプ大統領がサンクチュアリ・シティーへの圧力を強化する大統領令に署名
・米軍がイエメンのフーシ派の移民収容施設を空爆したとフーシ派が発表
・BRICS外相会合(リオデジャネイロ、~29日)
・中・ロシア外相会談(同)
・北朝鮮の朝鮮労働党中央軍事委員会が北朝鮮軍のロシアのクルスク州への派遣を決定したとの声明を公表
・韓国の野党「共に民主党」が李在明前代表を大統領候補に選出
・ロシアのプーチン大統領が5月8日から11日までの停戦を決めたと発表
・カナダ総選挙(与党・自由党が勝利)
・スペイン全土で大規模な停電
・日越首脳会談(ハノイ)
4/29(火)
・トランプ大統領が就任100日の演説(ミシガン州ウォーレン)
・トランプ大統領が自動車関税の軽減措置の導入を指示する文書に署名
・米・カナダ首脳電話会談
・米英軍がイエメンのフーシ派の軍事施設を空爆
・米上院がデヴィッド・パーデュー元上院議員の駐中国大使就任を承認
・日比首脳会談(マニラ)
4/30(水)
・米国とウクライナが資源開発協定に署名
・米国の25年1~3月期の実質GDP成長率の発表(前期比年率▲0.3%)
・米上院がトランプ大統領の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税を廃止する法案を否決
・米民主党のハリス前副大統領が民主党系女性団体の会合で演説(サンフランシスコ)
・中国の全人代常務委員会が中央軍事委員会の苗華委員の全人代代表資格の剝奪を発表
・ユーロ圏の25年1~3月期の実質GDP成長率の発表(前期比年率+1.4%)
5/1(木)
・トランプ大統領がウォルツ大統領補佐官を国連大使に指名するとSNSに投稿
・トランプ大統領がイラン産原油の購入国に制裁を科すとSNSに投稿
・トランプ大統領が公共ラジオNPRと公共テレビPBSへの資金提供の停止を指示する大統領令に署名
・日米関税閣僚級協議(ワシントンDC)
・韓国最高裁が「共に民主党」の李在明前代表の公職選挙法違反容疑に関する上告審の無罪判決を破棄(ソウル高裁に差戻し)
・韓国の韓ドクス首相が辞任(李周浩社会副首相兼教育相が大統領代行)
・韓国の検察が尹錫悦前大統領を職権乱用罪の容疑で追起訴
・英統一地方選挙(イングランド、リフォームUKが大勝)
5/2(金)
・トランプ大統領がハーバード大の免税資格を剝奪するとSNSに投稿
・米行政管理予算局(OMB)が26会計年度(25年10月〜26年9月)の予算教書の概要を公表
・ワシントンDCの連邦地裁がトランプ大統領の法律事務所パーキンス・クイに対する権利剥奪の大統領令を違憲として恒久的に差止め
・中国からの小口輸入に対する非課税措置(デミニミス・ルール)の撤廃が発効
・韓国の韓ドクス首相が大統領選への出馬を表明
・ドイツ連邦憲法擁護庁が「ドイツのための選択肢(AfD)」を極右組織に認定
5/3(土)
・米国の自動車部品に対する25%の追加関税が発効
・米台関税協議(ワシントンDC)
・韓国の与党「国民の力」が金文洙前雇用労働相を大統領候補に選出
・シンガポール総選挙(与党・PAPが勝利)
・豪州総選挙(与党・労働党が勝利)
●トランプ政権100日(関税の影響と今後)
トランプ政権は、4月29日に発足してから100日を迎えました。トランプ大統領はミシガン州デトロイト近郊で演説を行い、これまでの成果を強調しました。
トランプは演説の直前に、数日後の5月3日に発動される自動車部品の関税について、米国内で生産された自動車に限り、その一部を免除すると発表しました(鉄鋼・アルミ関税とメキシコ・カナダ関税との重複も停止)。演説の舞台となったミシガン州の自動車メーカーに最大限アピールするタイミングを狙ったとみられますが、このように関税を段階的に緩和することは、これまでメルマガで予想したとおりの展開でした。
一方、米国の25年1~3月期の実質GDP成長率が発表され、前期比年率▲0.3%と、約3年ぶりにマイナス成長となりました。トランプは、このGDPの減少は「バイデンのせいだ」と主張し、「次の四半期の数字もバイデンのものだと言える」とも述べました。
政権発足100日の時点で発表されたNPR/PBS/マリストの世論調査によれば、トランプの支持率は42%、不支持率は53%となり、過去80年間で2番目に低い支持率となりました(最も低かったのはトランプ政権1期目)。政権への評価では、「F(不合格)」との回答が45%、「A」は23%にとどまり、無党派層でも49%が「F」と回答し、共和党支持者でも「A」と回答したのは54%にとどまっています。
これらの最新の情報を踏まえ、トランプ政権100日の評価、そして関税の経済的な影響と今後の見通しの主要なポイントについて解説します(※メルマガで解説)。
●日米関税交渉
赤沢経済財政・再生相が再び訪米し、トランプ政権との2回目の関税協議を行いました。
ベッセント財務長官は、「日本が迅速かつ積極的に関与していることに非常に勇気づけられた」「二国間の幅広い主要な問題で早期に合意できることを期待している」と述べました。赤沢大臣は、為替と安全保障については議論されなかったと述べ、また「相互関税」のみならず、自動車や鉄鋼・アルミ関税についても見直しを求めていくとの立場を明確にしました。
自動車関税が重要な交渉アジェンダとなることは、以下の記事で指摘していたとおりでした。赤沢大臣は、実務レベルの協議を5月2日から開始し、閣僚級協議を5月中旬に行う方向で調整するとの見通しを示しました。
・「日米関税交渉」(4/21)
今回の協議を踏まえ、今後の展望についてコメントします(※メルマガで解説)。
●米中の貿易戦争
米中の「貿易戦争」の状況は続いています。先週、中国は、「決して屈しない」という、異例ともいえる挑発的な動画を公開しました。
一方、中国商務部は、「米国の高官は最近、中国との協議開始を期待し、関係各方面を通じて中国側にメッセージを伝えてきており、中国はこれを留意している」との報道官談話を発表しました。以下の記事で述べたとおり、以前は、トランプ大統領が、中国との協議が進んでおり、習近平国家主席から電話があったと述べたことに対し、中国外交部は真っ向から否定しましたが、今回は、少なくとも米国との間でコンタクトがあることを明らかにするものでした。
・「米中の貿易戦争」(4/28)
また、複数のメディアや業界関係者が、中国は米国への報復関税の中で、半導体については一部適用を除外していると報じました。ただし中国政府からの公式な発表はなく、中国は米国政府がこれらの情報をリークしていると指摘しています。
こうした最新の動きを踏まえ、今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。
●ウォルツ大統領補佐官の解任
トランプ大統領は、マイク・ウォルツ大統領補佐官を解任し、新たに国連大使に指名しました。ウォルツの副官にあたる、アレックス・ウォン次席補佐官の退任も発表されています。
ウォルツの解任は、トランプ政権発足後、初めての主要高官の更迭となりました。今回の人事の意義について解説します(※メルマガで解説)。
●米・ウクライナの資源開発合意
米国とウクライナは、鉱物資源の開発に関する合意を締結しました。両国は資源開発のための共同投資基金を設立し、その収益をウクライナの復興に充てるとしています。
この合意は、ローマ教皇の葬儀に際してバチカンで行われたトランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談後に実現しました。その意義についてコメントします(※メルマガで解説)。
●インドとパキスタンの軍事衝突の危機
4月22日、インドのジャンムー・カシミール連邦直轄領にある観光地パハルガムで、数人の武装集団が観光客らを銃撃し、外国人2人を含む26人が死亡するという大規模なテロ事件が発生しました。
パキスタンを拠点とするイスラム過激派組織「ラシュカレ・トイバ(LeT)」の分派「抵抗戦線(TRF)」がSNS上で犯行声明を出しました。襲撃犯は被害者に「イスラム教徒か」と尋ね、否定した直後に射殺したとの生存者の証言もあり、特にヒンドゥー教徒の男性が狙われたとみられています。
カシミールでのこの規模のテロ攻撃は、19年2月のプルワマ襲撃事件以来であり、民間人に対する大規模攻撃としては、08年11月のムンバイ同時多発テロ以来となります。プルワマ事件においては、インドはパキスタン領内を空爆しました(以下の記事参照)。
・「インドとパキスタンの空爆と戦闘」(19/3/4)
インドとパキスタンはそれぞれ国境を閉鎖しており、国境地帯では両軍による小競り合いが発生しています。モディ首相は、パキスタン政府の関与を断定し、「テロリストに決定的な打撃を与える」と表明。パキスタン政府は4月30日、インド軍による報復攻撃が今後24~36時間以内に行われるとの信頼できる情報を得たと発表しました。
両国間の緊張は急速に高まっており、軍事衝突の可能性も懸念されています。読者からのリクエストもあり、今後の展望を解説します(※メルマガで解説)。
●カナダと豪州の総選挙
カナダと豪州の総選挙はいずれも与党が勝利し、カナダのカーニー首相、豪州のアルバニージー首相がそれぞれ続投することとなりました。前回の記事(以下のリンク参照)で述べた見通しどおりの結果となりました。以下、簡単にコメントします(※メルマガで解説)。
・「カナダ総選挙」「豪州総選挙」(4/28)
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今週の動き
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近況報告
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最近の仕事やプライベートについて、徒然なるままに書きます。
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あとがき
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■ 世界幸福度ランキング、フィンランドが8年連続1位(3月21日付BBC)
■ World Happiness Report 2025
毎年恒例の幸福度ランキングですが、今年も北欧諸国が上位を占める結果となりました。米国は24位と過去最低を記録し、昨年の8位から23位への大幅ランクダウンに続いて、さらに順位を下げたことになります(昨年の下落については、メルマガ第757号(24/3/25)の「RFKジュニアの副大統領候補発表」で取り上げていました)・・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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