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前回の記事「トルコ総選挙」で、トルコが今後経済発展を続けていく上では関係国との外交関係を安定させることが重要である点を指摘しました。そこで、今回は、AKP政権が展開してきた外交について述べます。 ●中東外交のキープレイヤー まず、本論に入る前に、トルコ外交の中東における位置づけについて簡単に述べておきます。近年の中東の国際関係は非常に複雑化していますが、これを理解する上で重要なポイントは、まず中東のキープレイヤーの動きを把握することです。 中東のキープレイヤーとは、いわゆる中東における「大国」であり、具体的には、①エジプト、②サウジアラビア、③イラン、④トルコ、そして⑤イスラエルです。民…
[ 2015/06/18 00:00 ] コメント(1)
■ トルコ総選挙、与党が初の過半数割れ クルド系政党躍進(6月8日付ロイター記事) 「トルコの政策金利据え置きと総選挙」で説明したとおり、この選挙は、トルコの未来を決定づける重要な選挙でした。与党AKPは得票率50%を割り、過半数の議席を獲得することもできませんでした。 主な要因はエルドアン大統領の強権的な独裁に対する反発ですが、上記の記事で指摘したクルド政党HDPに議席が流れたことも大きかったといえます。 これは、「クルドのオバマ」ことデミルタシュ党首のカリスマ的人気もありますが、国境地帯での「イスラム国」との戦いにおいて、トルコ政府がクルド人たちを守らなかったことが大きく影響していま…
[ 2015/06/17 00:00 ] コメント(6)
これからは色気のある記事を書くとかコメント欄で言ってたくせにヒラリー・クリントンなんてお婆さんの話かよ、とペルドンさんのもっともなツッコミ。・・・まあ、月曜からお色気も何なので、週末が近くなるところで書いてみます(笑)。 ほか、近いうち、Q&Aとか、色々新しい試みをしてみたいと思っているので、楽しみにして下さい。さて、ペルドンさんのコメントに触発されて、今日はヒラリーの話を続けてみます。ついでにもう一人の美魔女(?)であるナンシー・ペローシにも触れます。 ■ 米大統領、労働者支援法案の再検討・可決を下院に求める(6月13日付ロイター記事) TPA法案は下院で可決されましたが、TA…
[ 2015/06/16 00:00 ] コメント(3)
■ Bernie Sanders officially kicks off presidential campaign(5月26日付ロイターVD) ■ 米大統領選、オマリー前メリーランド州知事が出馬 民主党3人目(6月1日付ロイター記事) ■ チェイフィー前州知事、米大統領選への出馬表明 民主党で4人目(6月4日付ロイター記事) 「米国大統領選:ジェブ・ブッシュの出馬」の続きです。続きは次の日に書くと言いながら、週末に入ってしまい、アップのタイミングを逸してしまいました。まあ、週末はゆっくりした方がいいですよね。ということで、本題です。 ちょうど、13日にヒラリー・クリントンがNY州で初の…
[ 2015/06/15 00:00 ] コメント(1)
■ 米大統領選、サントラム元上院議員が出馬表明 共和党7人目(5月28日付ロイター記事) ■ 元NY州知事、大統領選共和党指名争いに出馬(同日付ロイター記事)(5月28日付ロイター記事) ■ 米大統領選、共和党グラム上院議員が出馬表明(6月2日付ウォールストリートジャーナル記事) ■ Republican Rick Perry Makes 2016 Presidential Campaign Official(6月4日付Bloomberg記事) 共和党からリック・サントラム、ジョージ・パタキ、リンゼー・グラム、リック・ペリーが相次いで出馬表明。これで共和党候補者は10名。ますます大混戦の…
[ 2015/06/12 00:00 ] コメント(2)
■ プーチン大統領の年内訪日に意欲 安倍首相会見(6月9日付朝日新聞記事) 安倍総理、プーチン訪日を本年中に実現させる、と言い切りましたね。一般的な外交の感覚からいって、ロシア国内での調整に相当の時間が必要になりますから、今から準備を始めて12月に間に合うかというところでしょう。 どんなやりとりを経たのか実際のところは分かりませんが、ケリー国務長官のロシア訪問から始まり、ナルイシキン下院議長との会談を経て、今回ウクライナ訪問ということで、何か起こる気配はありましたが、直後にいきなりG7のタイミングで発表するとは。ちょっと驚きでした。 米国の了解をとっていることは間違いありません。G7での…
[ 2015/06/11 00:15 ] コメント(1)
「インドネシア・ジョコ政権の200日②」の続きです。 ●外交 ジョコ大統領は、政権発足前から「海洋国家」構想をかかげており、これが具体的な政策にどう反映するのかいまだ分かりにくいところもありますが、かねてから問題視されてきた外国密猟船に対しては、拿捕・爆破という強硬措置に踏み切りました。また、豪州等の関係国からの申し入れに動じず、外国人麻薬犯の死刑執行を断行しました。これらの毅然とした姿勢は国民から支持を受けました。 これらの措置は、いずれも自国の海洋資源の保護、麻薬対策という意味で、主権に則った正当な判断ではありますが、同時に、対外関係を深く考慮せず、ナショナリズムにうったえて国民の支…
[ 2015/06/10 00:00 ] コメント(1)
「インドネシア・ジョコ政権の200日①」の続きです。 前回の記事で述べたとおり、ジョコ大統領は、国政の経験がなく、国民の支持を自らの拠りどころとして就任しています。このため、国政の運営において様々な不安要因を抱えています。 ●少数与党 まず、国会については、与党連合の議席保有率が44%にとどまっており、劣勢にあります。このため、国会運営に不安を感じさせましたが、政権発足から最初の100日においては、そこまで深刻な問題が顕在化することはありませんでした。また、続く100日においては、野党勢力との連携について様々な可能性が取り沙汰されるようになりました。 具体的には、最大野党のゴルカルは、…
[ 2015/06/09 00:00 ] コメント(0)
インドネシアのジョコ・ウィドド政権が昨年10月20日に発足して、7ヶ月半が経過しました。一般的に、新政権は発足して「最初の100日」が重要といわれます。発足した直後は、国民の支持が高く、メディアもお手並み拝見という寛大な姿勢をとるため、モメンタムを生かして一気に新政策の実現をねらうことができるからです。世界恐慌の中で発足したフランクリン・D・ルーズベルト政権の成功が代表的な例としてよく挙げられます。 ジョコ政権は、3月の時点ですでに「最初の100日」を経過しています。そこからさらに100日が経過したということで、やや強引ですが(笑)、今回は、ここまで200日間の成果と今後の課題について整理し…
[ 2015/06/08 00:00 ] コメント(0)
■ ハスタート元米下院議長を現金取引報告違反で起訴-米大陪審(5月29日付ブルームバーグ記事) ■ 元米下院議長、男子生徒への不適切な性的行為で口止め料(5月30日付ウォールストリートジャーナル記事) だいぶ遅れてしまいましたが、これは衝撃的なニュースでしたね。デニス・ハスタートといえば、ブッシュ・小泉の日米蜜月時代に下院議長を務め、日米関係を支えるのに大きな貢献をした人物です。 私自身、この時期にワシントンDCにいたので、彼が下院議長として日米交流50周年の様々な行事に精力的に協力していたことをよくおぼえています。日本で英語教師をした経験があり、親日家として知られます。下院議長まで務めた…
[ 2015/06/06 00:00 ] コメント(2)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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