2015/08/17 00:00 | 日本 | コメント(0)
戦後70年談話
■ 内閣総理大臣談話(8月14日付官邸HP)
特にコメントするつもりはなかったのですが、予想どおり、色んな意味でリスクを避けた最大公約数的な内容で、まあ良かったのではないかと思います。
談話の意義は、海外への発信というよりは国内向けのメッセージ、すなわち歴史問題について政権の姿勢を明らかにして、広く国民の理解を得ることだったのでしょう。この政治判断について私からは何とも言えませんが、その後の報道などを見れば、それなりの役割を果たしたのだろうと思います。
外交的に言えば、現時点で総理談話を出す必要性や得るものは特にありません。歴史問題については、日本政府の見解は明確に示されていますから、今更という話ですし、外交当局を超えて国際世論に訴えるといっても、政府の公式発表などメディアはいかようにも解釈しますから、多くは期待できないでしょう。
あえて言えば、一部海外メディアに指摘されていた日本の保守化・右傾化の懸念を和らげる効果は期待できるかもしれません。従来の見解を繰り返すことで、少なくとも安倍総理はリビジョニストではない、というメッセージは伝えることはできます。ただ、これも元々心配するほどの問題ではありませんから、大きな意味はないと思います。
むしろ、内容によっては、日本政府は見解を変えたと認識される可能性もありましたから、そのリスクを考えると、談話を出すこと自体に慎重な検討が求められたといえます。
結果的には、冒頭に述べたとおり、大過なく終わったので、繰り返しになりますが、良かったのだろうと思います。特に韓国政府からの批判が抑えられているのは良いサインでしょう。欧米メディアの論調を心配する向きもあるようですが、先に述べたとおり、メディアは自らのスタンスに従っていかようにも解釈しますから、動じる必要はありません。
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