2015/08/14 00:17 | 中国 | コメント(5)
人民元の切り下げと東南アジアの通貨安
■ 人民元、3日連続で基準値を大幅引き下げ 1.1%安(8月13日付日経記事)
人民元の切り下げ、ぐっちーさんが詳しく書いてくれるでしょうから、私からはあまり述べませんが(笑)、実勢レートと乖離していたことは事実であり、完全変動相場制への移行を模索する中での一つのプロセスなのでしょう。中国経済の失速は何を今更という話ですから、それほど驚きのある事態ではないと思います。
注目点について言えば、オンショア(CNY)とオフショア(CNH)との乖離、中国金融市場の動向、商品市場への影響など、色々考えられますが、私個人としては、やはり東南アジアの通貨安が気になるところです。
インドネシア・ルピア、マレーシア・リンギット、タイ・バーツはいずれも年初から下落を続けており、前者2つは98年のアジア通貨危機以来、タイは2009年以来の低水準に突入しています。いずれも中国経済の失速に伴う輸出減(経常赤字の拡大)が主な要因でしたから、今回の人民元の切り下げはこの影響をさらに拡大することになります。
インドネシアは、これまで指摘しているとおり構造的な通貨安に苦しんできました。マレーシアは、原油安と1MDB問題が状況を悪化させています。タイは、クーデター以来長く続く不況に加え、干ばつが農業に深刻な打撃を与えています。加えて、いずれの国においても、米国の利上げの観測が追い打ちをかけています。
もっとも、ASEAN諸国は、いずれも通貨危機のトラウマから、2000年代に外貨準備高を大幅に改善しており、IMFが基準としている輸入額の3か月分を上回る金額を維持してきました。このため、深刻な資本流出の危機に見舞われる事態は考えられません。
とはいえ、最近になって金額が急減している点は気になるところです。特にマレーシアは、対外債務が対GDP比54.5%にのぼり、短期債務額が外貨準備高を上回る水準に達していることから、相当な注意が必要な段階にはきています。
また、後発国についていえば、ミャンマーは、近年の貿易赤字の拡大、洪水の影響(米輸出の制限)、7月1日付のIMFのプレスリリースでも外貨準備高の不足(輸入額の3か月分を下回っている)が指摘されており、高い経済成長率を維持しているものの、金融面での弱さがリスクとなっています。
お盆ということで、何となく落ち着いてると思っていたところで今回の事態でしたが、これに加えて、インドネシアの内閣改造、ミャンマーのシュエマンの逮捕と内閣改造、イランのアフマディネジャドの復活、トルコでのテロ、国務省人身売買報告書など面白いニュースが盛りだくさんでした。どれも色々書きたいことがありますが、週明けに一つ一つ取り上げたいと思います。お盆休みも最後ということで、良い週末をお過ごしください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
5 comments on “人民元の切り下げと東南アジアの通貨安”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
こちらは・・
バテテきた・・
Gucciの顔見ても・・判る・・
桃色のショート・・書いてやるぞ・・
の筈が・・クーラー全開・・扇風機・・
スポーツクラブに参じても・・
弛み切っている・・
当然・・お頭も回らぬ・・・ひたすら・・秋を待つ・・・(笑
バテてきましたか。私は夏が大好きなので、まだまだ元気ですよ。一戦終えて、これからジムに行きます。
この解釈・・
奥方と分かれた・・・(笑
サラっと書いたのに、見逃しませんね。
解釈はペルドンさんが正しいと思いますよ。笑
今度・・
部屋の壁・・見せて欲しい・・
隙間ない・・コレクション・・鑑賞したい・・
くすねないから・・・(笑