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■ プーチン大統領の年内訪日に意欲 安倍首相会見(6月9日付朝日新聞記事) 安倍総理、プーチン訪日を本年中に実現させる、と言い切りましたね。一般的な外交の感覚からいって、ロシア国内での調整に相当の時間が必要になりますから、今から準備を始めて12月に間に合うかというところでしょう。 どんなやりとりを経たのか実際のところは分かりませんが、ケリー国務長官のロシア訪問から始まり、ナルイシキン下院議長との会談を経て、今回ウクライナ訪問ということで、何か起こる気配はありましたが、直後にいきなりG7のタイミングで発表するとは。ちょっと驚きでした。 米国の了解をとっていることは間違いありません。G7での…
[ 2015/06/11 00:15 ] コメント(1)
「インドネシア・ジョコ政権の200日②」の続きです。 ●外交 ジョコ大統領は、政権発足前から「海洋国家」構想をかかげており、これが具体的な政策にどう反映するのかいまだ分かりにくいところもありますが、かねてから問題視されてきた外国密猟船に対しては、拿捕・爆破という強硬措置に踏み切りました。また、豪州等の関係国からの申し入れに動じず、外国人麻薬犯の死刑執行を断行しました。これらの毅然とした姿勢は国民から支持を受けました。 これらの措置は、いずれも自国の海洋資源の保護、麻薬対策という意味で、主権に則った正当な判断ではありますが、同時に、対外関係を深く考慮せず、ナショナリズムにうったえて国民の支…
[ 2015/06/10 00:00 ] コメント(1)
「インドネシア・ジョコ政権の200日①」の続きです。 前回の記事で述べたとおり、ジョコ大統領は、国政の経験がなく、国民の支持を自らの拠りどころとして就任しています。このため、国政の運営において様々な不安要因を抱えています。 ●少数与党 まず、国会については、与党連合の議席保有率が44%にとどまっており、劣勢にあります。このため、国会運営に不安を感じさせましたが、政権発足から最初の100日においては、そこまで深刻な問題が顕在化することはありませんでした。また、続く100日においては、野党勢力との連携について様々な可能性が取り沙汰されるようになりました。 具体的には、最大野党のゴルカルは、…
[ 2015/06/09 00:00 ] コメント(0)
インドネシアのジョコ・ウィドド政権が昨年10月20日に発足して、7ヶ月半が経過しました。一般的に、新政権は発足して「最初の100日」が重要といわれます。発足した直後は、国民の支持が高く、メディアもお手並み拝見という寛大な姿勢をとるため、モメンタムを生かして一気に新政策の実現をねらうことができるからです。世界恐慌の中で発足したフランクリン・D・ルーズベルト政権の成功が代表的な例としてよく挙げられます。 ジョコ政権は、3月の時点ですでに「最初の100日」を経過しています。そこからさらに100日が経過したということで、やや強引ですが(笑)、今回は、ここまで200日間の成果と今後の課題について整理し…
[ 2015/06/08 00:00 ] コメント(0)
■ ハスタート元米下院議長を現金取引報告違反で起訴-米大陪審(5月29日付ブルームバーグ記事) ■ 元米下院議長、男子生徒への不適切な性的行為で口止め料(5月30日付ウォールストリートジャーナル記事) だいぶ遅れてしまいましたが、これは衝撃的なニュースでしたね。デニス・ハスタートといえば、ブッシュ・小泉の日米蜜月時代に下院議長を務め、日米関係を支えるのに大きな貢献をした人物です。 私自身、この時期にワシントンDCにいたので、彼が下院議長として日米交流50周年の様々な行事に精力的に協力していたことをよくおぼえています。日本で英語教師をした経験があり、親日家として知られます。下院議長まで務めた…
[ 2015/06/06 00:00 ] コメント(2)
■ Saakashvili Ukraine's new governor in Odessa splits opinion(6月2日付BBC記事) ジョージア(グルジア)の元大統領ミハイル・サアカシュヴィリをウクライナのポロシェンコ大統領がオデッサ州知事に任命したとのこと。これは面白いニュースですね。 サアカシュヴィリは、2003年に「バラ革命」によってシェワルナゼ政権を倒し、ジョージア大統領に就任した人物です。なお、シェワルナゼはソ連のゴルバチョフ政権で外相を務め、ソ連崩壊後、国民の強い支持を受けて第2代大統領に就任した大物ですが、政権末期には汚職や改革の遅れにより国民の支持を失っていま…
[ 2015/06/05 00:00 ] コメント(2)
■ 安倍総理のウクライナ・ドイツ訪問について(6月2日付官邸ホームページ発表) 安倍首相が、G7のためにエルマウを訪問する途上、ウクライナを訪問し、ポロシェンコ大統領と会談するとの発表。これには度肝を抜かれました。 「プーチン・ケリー会談」で述べたとおり、ある国の要人が他国を訪問することは、その国に対して肯定的な立場をとることを示唆することになります。まして総理が行くということになれば、その政治的メッセージはかなり強烈なものになります。 それをふまえた上で、安倍首相は、今の状況において、ウクライナに行って何を話すつもりなのか。ウクライナにロシアとの対話を促す外交力は残念ながら日本にはあり…
[ 2015/06/04 00:00 ] コメント(6)
■ 米国防長官、中国に南シナ海埋め立て作業の即時中止を要求(5月31日付CNN記事) ■ 米大統領、南シナ海埋め立ては「非生産的」 中国に中止要請(6月2日付ロイター記事) この問題がややこしいのは、中国の行動は「国際法違反」である、といった言説を報道などでよく見かけますが、そう言い切ることが難しい点にあります。中国が行っている岩礁の埋め立ては、少なくとも現時点において、国際法違反と断言できるものではありません。 なお、ここでいう「国際法」とは実質的には国連海洋法条約の内容を指しますが、厳密にいうと、米国のように同条約を批准していない国が存在します(中国、ベトナム、フィリピン等は批准済)。…
[ 2015/06/03 00:00 ] コメント(2)
「フィリピン・アキノ政権①:ミンダナオ和平」の続きです。 今回は、2016年5月に予定されている次期大統領選について説明します。昨年までの見通しでは、マル・ロハス内務自治大臣とジェジョマール・ビナイ副大統領の一騎打ちになるとみられていました。 アキノ大統領は、自らの後継者として、同じ自由党に所属するロハスを指名するとみられており、一方、野党側では、前回の大統領選でエストラーダのランニングメイト(副大統領候補)となったビナイが最有力候補者とみられていたからです。 両者の支持率は、昨年9月の世論調査では、ビナイが1位(31%)、ロハスが2位(13%)でした。もっとも、数字を見れば分かるとおり…
[ 2015/06/02 00:00 ] コメント(1)
6月2日から、フィリピンのベニグノ・アキノ3世大統領が来日します(4月24日付外務省報道発表)。今回は、アキノ政権にとって最大の課題の一つであるミンダナオ和平について説明します。 ●アキノ政権 アキノ大統領は、マルコス政権時代に暗殺されたベニグノ・アキノ・ジュニアとその夫人で第11代大統領となったコラソン・アキノの息子です。2010年の大統領選では、もともとアキノが所属する自由党の候補者はマル・ロハスでしたが、2009年にコラソン・アキノが死去したことで、アキノ大統領に対する国民の支持が高まり、ロハスは立候補を辞退。代わって出馬したアキノは、「ノイノイ」(アキノの愛称)旋風を起こして、2位…
[ 2015/06/01 00:00 ] コメント(2)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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