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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2015/08/28 00:15  | 英語 |  コメント(4)

日本人の「Engrish」


本日は、何度も書きますと言いながら書きそびれていた英語の勉強について述べます。

英語は、最も身近な外国語なので、勉強しやすく簡単だろうと思うかもしれません。でも、実は難しい言語です。たとえば個人的には、スペイン語の方が日本人にとってはよほど取っつきやすい言語で、1年くらいやれば英語を5年やるよりもよほどうまくなるのではないかと思います。

その難しさの大きな原因は、英語の発音が日本語の発音とまったく違うからです。音も違うし、発声の仕方も異なります。このため、聞き取れない、スピードについていけない、集中できない、ということになり、スピーキング・リスニングはもちろん、リーディング・ライティングも今ひとつしっくりこない(自分の言葉という感覚がしない)、ということになってしまうのです。

海外に行くと、非英語圏の外国人が、文法など滅茶苦茶でも(また内容が支離滅裂でも)やたらにしゃべりまくるのを聞いた人は多いと思います。しかも、フランス語圏やスペイン語圏の人ならともかく、なぜ中国人がこんなにしゃべれるのだろうかと不思議に思ったこともあるのではないでしょうか。

これは、度胸とか思い切りの良さもありますが、それよりも、中国語の発声の仕方が英語の発声の仕方に(日本語よりもずっと)近いからです。発声について言えば、日本語は英語からかなり遠い言語と言われており、このため日本人は他の外国人に比べてかなり損をしています。

何となく、日本の英語教育は(少なくとも私が中高生だったときの経験では)音と発声を軽視し、文法やボキャブラリの勉強ばかり強調する傾向があるように思います(最近は改善されているかもしれませんが)。

しかし、私が思うに、これは発想が逆です。まず第一に取り組むべきは、音と発声の仕組みをよく理解することなのです。

英語の音の特徴を理解し、発声できるようになることはとても大事です。自分で音を生産できれば、リスニングができるようになりますし、リスニングができれば、様々な表現を自分の中に取り込むのも楽になります。

言い換えれば、自分で音を生産できなければ、リスニングは困難になります。また、音を生産できない状態で、どれだけ文法と単語を頑張っても、本当の意味で英語をものにすることはできません。カタカナ発音に逃げてはいけないのです。

具体的な話は次回以降にしますが、とりあえず一例として、こちらのリンクをご覧下さい。このウェブサイトはEngrish.comと言って、英語圏の人からすると奇妙に見える英語を集めたものです。リンク先の画像は何かのゲームの画面のようですが、英語圏の人はこの写真を見ると爆笑します。

お分かりになると思いますが、この奇妙さは、「l」と「r」を取り違えたことによるものです。このウェブサイトのタイトル「Engrish」と同じ種類の間違いです。「critical」(致命的)とすべきところを「clitical」としているわけですが、何が面白いのかよく分からない方は、単語の前半部分を辞書で調べてみて下さい。

「l」と「r」の違いなんて分かるよ、と多くの人は思うかもしれませんが、実はそんなに甘いものではありません。本当に(発声を含めて)区別できているかといえば、おそらく多くの人はできていないと思います。

なぜなら、この二つの子音はいずれも日本語には存在しないからです(「ラ」行子音とは異なるものです)。このため、日本人がこの二つの子音をマスターすることは難しく、それなりの努力が必要になります。

ついでに、「l」と「r」について、もう一つ私のお気に入りを紹介すると、このエリック・クラプトンのCDのジャケットですね。クラプトンが見たらどう思うのか。まさしく「holy crap…」ですね・・(笑)。CDとして販売されてしまっているところがまたすごい。

ということで、ここでは、まず英語の音の特徴について説明したいと思います。順番としては、①スピーキング、②リスニングについて、ポイントと勉強法を説明をして、最後に③ボキャブラリについて述べます。

今のところ毎週金曜に掲載する予定でいます。長いこと勉強しているのに今ひとつ伸び悩んでいる人に何らかのヒントになるといいなと思います。

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4 comments on “日本人の「Engrish」
  1. K より
    楽しみにしてます

    これは、金曜日が待ち遠しくなりますね。最近仕事で英語を使う機会が増えたので、参考にしたいです。外国から電話参加ありの、20人程度の会議を仕切らないとだめで、毎回へこんでいます。

  2. JD より
    Kさん

    ありがとうございます。
    20人の会議を仕切るというのは、大変ですが、素晴らしい機会ですね。
    毎週更新はできないかもしれませんが、ゆっくり進めたいと思いますので、お付き合いいただければうれしいです。

  3. JFKD より
    歌詞

    英語と中国語の歌詞というのは音楽に付ける代物ではない、とその都度思ってしまうのですが・・。このハンディを跳ね返すメロディもあるが他言語に移すとはるかにすばらしいものになる。しかしその原因は正反対だと思う。ただ米語は確かに中国語に似て聞こえることがあるのが不思議だ。

  4. sissi より
    楽しみにしています

    わたしはこちらのサイトの編集長と同い年ですが(苦笑)

    母が発音を非常に重視して、小学生の頃からネイティヴの家庭教師をつけられました。
    当時、徹底してアメリカ英語の発音を練習させられて、中学では浮きまくりました。
    英会話に縁がなくなって、はたと気づくと口が回らないです、ネィティブのスピードは、人にもよりますが聞き取れないですね〜。
    それでもわたしの発音を聞いたベルリッツの教師(ニューヨーク出身)からは、発音はどこで習ったの?」と聞かれましたが。

    最近は友人のいる米国へ行く時は、短期でアパートを借りるので、大家さんとのやりとり、トタブル対処にはトラベル英語はあまり役に立たないので、ちょっと頑張って勉強しています・・、とほほです。

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