2015/09/18 00:00 | 英語 | コメント(8)
英語のスピーキング①:発声方法
米国大統領選ですが、昨日(米国時間16日夜)、共和党候補者の第2回テレビ討論会が行われましたね。
今回は上位11人(トランプ、フィオリーナ、カーソン、クルーズ、ブッシュ、ウォーカー、ルビオ、ケーシック、ハッカビー、クリスティ、ポール)と下位4人(ジンダル、サントラム、グラム、パタキ)の2部構成。
前回の討論会では下位グループにいたカーリー・フィオリーナが、討論会での高評価もあり、支持率を急上昇させて上位グループに入ったのが面白いところです。
それにしても、前回は一軍と二軍がほぼ同数だったのに、今回は、リック・ペリーの撤退とジム・ギルモアの不招待もあり、二軍の方がわずか4人になってしまって、なんかかわいそうですね・・・早く撤退しなさいというプレッシャーでしょうか(笑)。
ところで、この討論会、動画とトランスクリプトの両方が手に入るでしょうから、英語の勉強の素材としても結構使えますね。
ということで、少し強引な導入でしたが(笑)、延び延びになっていた英語について書きます。本日は、スピーキングについて、根っこにある基本的な部分についてご説明します。
相当英語を勉強して、慣れている人でも、英語を話すと、自分の声がなぜかネイティブスピーカーには届かない、また、ネイティブの出す声は何か自分と違う、という違和感をもっている人は結構いるのではないでしょうか。
これは、ネイティブと日本人は発声の方法が、根本のところ、筋肉の使い方が異なるためです。ざっくり言うと、ネイティブは、下腹部の筋肉をつかって発声します。生産する音の調整は横隔膜を上下させることで行うイメージです。その代わり唇はそれほど動かしません。
ネイティブが出す音は、腹の底を出発点とするので、肺全体を使って強く長い息を出すことが可能になり、さらに、体を通る中で音が共鳴することで、太く力強く生産されます。一方で、日本人は、胸の上方か喉といった、比較的体の高いところの筋肉をつかって発声します。生産する音の調整は唇を細かく動かすことで行います。
日本人が出す音は、体全体というよりは口先の操作で発せられるため、強く長い息を出すことにはあまり向かず、音の共鳴も少ないため、どちらかというと弱くなりがちです。ネイティブの発声がやたらに太く濃く、しかも小さい声でもよく通るように聞こえるのはこのためです。
これは次回以降述べますが、英語は、母音よりも子音が重要な言語です。子音(特に英語に特有の「s」「z」など)の発声は、強い息を必要とするため、腹の底から筋肉を使うことが要求されます。
これに対し、日本語は、母音が中心的な役割を果たします。アイウエオの音を区別するには、口先の操作が向いています。しかし、子音の生産にはあまり向いていません。このため、英語を話すときには、相手に声が届かない、ということになるのです。
英語を話すと声が小さくなって聞こえなくなってしまうので、大きい声ではっきり話すようにと言われる人もいるかと思います。しかし、本当に重要なのは、声の大きさではなく、根本的な筋肉の使い方にあるのです。これがしっかりできている人の声は、声量自体が大きくなくともよく通ります。
ではネイティブのような筋肉を使うためにはどうすればいいのか。具体的な話はまた追って書いてみたいと思いますが、とりあえず述べると、これは一つの答えがありません。
なぜなら、これは、英語特有の練習というよりは、ボイストレーニングの領域に属する話だからです。歌をうまく歌える人は、英語の勉強をほとんどしていなくとも、英語の発音が上手な傾向があります。
たとえば、美空ひばりは、英語の勉強をまったくしたことがなかったのに、その英語の発音は非常にナチュラルに聞こえたそうです。上記のとおり、ネイティブスピーカーは、下腹部の筋肉を使って、体全体を楽器のように共鳴させながら発声します。これは、歌手の歌唱方法とよく似ています。
私自身、ネイティブによる発音の矯正のレッスンとボイストレーニングの両方を受けたことがあるのですが、その内容が非常に似ていて驚いたことがあります。おそらく優れた歌手であれば、無意識のうちに、ネイティブの発声方法をそのまま再現することができるのでしょう。
このHPを見ている方の多くは、英語をかなり勉強して相当のレベルに達したんだけど次にどうすればいいのか分からない、行き詰っているという人が多いかと思います。かなり根本的なところですが、まずは筋肉からということで、ボイストレーニングを試してみるのも良いと思います。
次回から、より具体的な話に入っていきます。気を長くしてお付き合い下さい(笑)。
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8 comments on “英語のスピーキング①:発声方法”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
奥方に・・
教えられることが出てきた・・
素晴らしい・・
それ故・・
筋肉トレーニングしてるのか・・・(笑
これを観ていると・・
何故・・JDさんが筋肉トレーニング・・腹式呼吸・・発声法を鍛えるか・・
判る。
JDは国会に出馬する気だ・!
絶対・・ぐっちーと僕・・貴重で清らかな二票は・・JDに・・
お土産には・・双子椰子の実・・買収には当たりませんぞ・・・(笑
JDさん、ぐっちーさん懇親会では貴重なお話有難うございました。
ペルドンさんにもいろいろ同感、というか、こういう方が出馬してくれないと
日本の未来はありませんので、登場された頃から期待していました。
応援しています。
英語も同感です。Podcastでヒアリングしてるのですが、
外国人でも日本語になった瞬間に発声の仕方が変わって、
声が小さくなるんですよね。
自分の発音うんぬんという段階までいきませんが、参考に・励みに勉強させていただきます。
昔は綺麗だったフィオリーナは選挙運動中になんと容姿の衰えを指摘されていますが(許されるのか)、JDさんはヒラリーと同じく好みだったのでしょうか(笑)。女性対決の可能性はどのくらい?。ところでこの英語講座、もうあきらめていたスピーキング、ヒアリングで目から鱗です。もっと昔にこういってくれる人がいたら・・。子音は無声音で弱い息という意識で、ネイティブ女性の子音の美しさを正反対に理解していました。まず音を生産できないとヒアリングも出来ないというのも正反対。ボイストレーニングの領域と言ってもそれは中国語にはあてはまるが英語は全く逆だと思っていました。聞いていても気が付かなかった。やはり発音ができなかったからか。そういえば私はサッチャー首相のこもったドイツ語のような英語が好きで、米国人の英語はきらいでした。修正しなくては。
先日は、こちらこそありがとうございました。
私はプロの教師ではないので、具体的な指導方法はあまり自信がありませんが、参考になる点、勉強の励みになる点などを面白く伝えていきたいと思います。
フィオリーナ、たしかに、私も、あれ?だいぶ変わったな・・と思いました・・笑。
そう言っていただけると嬉しいです。勉強の励みになることがお伝えできればと思います。
ご指摘のとおり、この記事は基本的に米語を念頭においてます。英国式英語は、筋肉の使い方がまた少し異なっていて、舌の位置が前だったり、アゴの開きが大きかったりするんですよね・・ここまではマニアック過ぎて伝えられないと思いますが・・ただ、米語より英語の方がカッコイイという感覚は米国でもありますね。
トランプ・・
パッカードだけで・・三万人首切った・!
経済批評家・・
パッカードの株が一日だけ高くなった・・彼女が首になった日だ。
会社の利益を従業員ではなく・・株配当にひたすら当てた。当然彼女のサラリーも高くなった。
彼女の経営手腕に対し・・非常に辛辣だった。
選挙戦が本格化すれば・・共和党ではヒラリー対策として・・色目を使う向きもあるが・・熾烈な攻撃に晒され・・落伍するだろう。
本人も候補者になれるとは思っていない。
元アラスカ州知事の真似事狙いは見え見えでもある。
やっぱり耳が抜群にいいんでしょうね。
彼女のジャズのカバーアルバム、ジャズ&スタンダードというCDがありますが
素晴らしい出来です。もし機会があればどうぞ。