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今回は、公表(8月31日)から時間が経ってしまいましたが、氷見野長官になり初めてとなる金融庁の金融行政方針を紹介します。金融行政方針が初めて出されたのは森長官の時でしたので、遠藤長官を経て第3世代に入った訳です。 今回の標語は「コロナと戦い、コロナ後の新しい社会を築く」。1枚にまとめられた概要のURLを付けておきます。構成としては、1.が金融機関関係、2.が金融資本市場関係、3.が金融庁関係となっていますが、内容的には、1.の前半が「今の戦い」、1.の後半と2.が「コロナ後」に焦点を当てた格好になっています。概要を見て頂く方が早い気もしますが、以下が骨子です。 1.新型コロナウイルス感染…
[ 2020/10/12 06:30 ] コメント(3)
今回は、9月24日公表の内閣府・月例経済報告と10月1日公表の日銀短観を取り上げます。 まずは月例経済報告から。 (現状) ・全体:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる ・個人消費:一部に足踏みもみられるが、持ち直している ・設備投資:弱い動きとなっている ・住宅建設(投資):弱含んでいる ・公共投資:堅調に推移している ・輸出:持ち直している ・輸入:おおむね横ばいとなっている (先行き) ・全体:感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち…
[ 2020/10/05 06:30 ] コメント(0)
ぐっちー一回忌が過ぎました。改めてご冥福をお祈りします。未だに信じられない気持ちでいます。 さて、今回は政権交代と中央銀行シリーズ最終回、実践編・菅内閣の巻です。既に様々な情報があるので、その紹介を中心に書き進めます。 菅総理が総理・総裁の最有力候補になった頃から、マスコミ等のインタビューで黒田日銀の評価を質された菅総理は、「黒田総裁は良くやっている」と、その政策を全面的に支持しました。そして、「日銀の政策の影響で、地域金融機関の経営基盤が弱まっているのでは」との更問いに対し、黒田総裁を擁護しつつ「むしろ地域金融機関の数が多すぎるのが問題。再編が必要」と答え、地域金融機関や金融庁の幹部が慌…
[ 2020/09/28 06:30 ] コメント(1)
四連休中の方も多いでしょうか。今回は日銀金融政策決定会合(17日公表)を紹介した後、前回に続き政権交代と中央銀行について書こうと思います。2回で終える積もりでしたが、今回は「実践編・安倍内閣の巻」、次回「菅内閣の巻」とします。 まず決定会合。8月はお休み。前回7月に比べトーンが強くなりました。 (現状) ・全体:内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開するもとで、持ち直しつつある ・個人消費:飲食・宿泊等のサービス消費は依然として低い水準となっているが、全体として徐々に持ち直している ・設備投資:減少傾向にある ・住宅投資:緩やかに減少…
[ 2020/09/21 06:30 ] コメント(1)
2回にわたり政権交代と中央銀行の関係について書こうと思います。今回は理論編、次回は実践編です(大袈裟ですが、笑)。中央銀行のあり様は国々で異なるので、基本的には日銀をイメージして書きますが、部分的には欧米等他国にも当てはまると思います。 よく「中央銀行の独立性」と言われます。独立性とは何か?良く以下のように説明されます。 ・金融政策が国家の諸政策のひとつであることは間違いない。そうであるなら、政府が金融政策を行うことがむしろ自然。しかし、世界のほぼすべての国で、政府ではなく中央銀行が金融政策を担っている。何故か? ・政府(大統領、内閣総理大臣など)は、選挙を経て選ばれる。選挙に勝つことが…
[ 2020/09/14 06:30 ] コメント(1)
まず台風の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。単年のひとつの台風と気候変動問題を結び付けることは誤りですが、ここ数年の気候はおかしいとどうしても思ってしまいます。 そうした中、今回は短めに8月の内閣府月例経済報告を紹介します。また、既に勝負が決した感はありますが、自民党総裁選に触れようと思います。 まず月例経済報告(8月27日公表)。 (現状) ・全体:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる ・個人消費:このところ持ち直している ・設備投資:弱含んでいる ・住宅建設(投資):弱含んでいる ・公共投資:堅調に推移…
[ 2020/09/07 06:30 ] コメント(1)
1週間前に在任最長不倒となった安倍総理が辞任を表明。激震が走りました。元々今週は最長不倒を受け安倍政権を振り返ろうと思っていましたが、流石に辞任は予期していませんでした。文春などで体調の悪さは報道されましたが、オリンピック・パラリンピックまで頑張ることを予想していました。 安倍総理が自民党総裁に選ばれた時、多くの人は期待より不安を感じたと思います。ここ数日何回も放映される一次政権時の退任シーンが強く印象に残り、「どうせ長く持たないだろう」と思われたからです。就任後暫くマスコミの人と話すたびに、「何とか薬で持ち堪えている」などのストーリーを聞きました。実はその頃(総裁就任後、総理就任前)昭恵夫…
[ 2020/08/31 06:30 ] コメント(3)
今回も短く、先週月曜日に公表された4~6月期GDP1次速報を紹介します。「過去最大の落ち込み」と各種メディアで報道され、皆さん既にご存じと思いますが、復習ということで。 ヘッドラインの数字は、季節調整済前期比マイナス7.8%、年率換算値マイナス27.8%です。3四半期続けてのマイナス成長となりました。前々回のこのコーナー(番外)で経済統計の言葉を説明しました。季節調整とは、例えば平年の場合1~3月期は90日、4~6月期は91日と日数に差があり、また、後者はゴールデンウイークを含むため、仮に経済実態が変わらなくても、4~6月期のGDPが1~3月期を上回ることが通常です。しかし「実態はどうか」知…
[ 2020/08/24 06:30 ] コメント(0)
超暑い日が続きますね。今日はとても短く、かつ少し前(7月30日公表)の話しを紹介します。 この日、第19回景気動向指数研究会が開催され、2012年11月を谷とした今回の景気循環の山が2018年10月だったことが暫定的ながら合意されました。もし山が2019年1月以降になれば、小泉内閣時代の通称「いざなみ景気」(73カ月)を超え最長の景気拡張期間となりましたが、その目前でとん挫した格好です。安倍総理のレガシー作りがここでも失敗しました。 景気の山谷は事後的に慎重に検討されます。このため、かなり間抜けなタイミングとなりました。また、詳細は省きますが、説明内容を見ると結構な悩みが垣間見えます。景気…
[ 2020/08/17 06:30 ] コメント(1)
暑い日が続きますね。今月は少しゆっくり、執筆頻度を減らそうと思っていました。そうした中、先日の食事会でSaltさん達と「普段使う用語の解説が必要かも」との話になり、2年前に書いた記事を思い出しました。今回はそのセクション1、2の再掲です。 ストックとフロー、名目と実質、年率、寄与度、季節調整など。ご笑覧下さい。…
[ 2020/08/10 06:30 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
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