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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/07/12 06:30  | by Konan |  コメント(2)

Vol.113: あらためてコロナのこと


私が書くコロナの話には読み飽きた方も多いと思います。ただ再び緊急事態宣言入りした中で、改めて書きたくなりました。とくにワクチンパスポートについて触れたいと思います。

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オリ・パラ無観客
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オリンピック開会式が迫る中、無観客に舵が切られました。関係筋から一貫して「中止はない」と聞いていたので、世論が否定的に触れる中でも開催は間違いないと思っていました。開催が政権浮揚のほぼ唯一の鍵であり、中止すれば菅総理が退陣に追い込まれることは明らかでした。報道番組や新聞なども、一見開催に否定的にみえても、スポーツコーナーになるとオリ・パラを盛り上げるなど、腰が据わらないのは見え見えでしたね。

ただ、無観客は予想していませんでした。無理をしてでも開会式までは緊急事態宣言を避けて何とか観客を入れ、事態が逼迫すれば途中から無観客に切り換える、などと甘くみていました。それほど新規感染者数の増加が急だった訳です。後知恵で言えば、変異株の増加に加え、緊急事態宣言が緩和されたら急いで飲みに行かないと、またすぐ駄目になるとの「学習効果」が、人流増加に拍車をかけた気がします。都議会議員選挙での自民党の事実上の敗北も、菅総理を少しは弱気にさせたと想像します。どうせ無観客にするなら、早くから「国民を守るため無観客を決断する」と言えば良かったのでしょうが、後の祭りですね。

ついでに言えば、せっかく無観客を決断したと思ったら、西村大臣の超軽薄・軽率発言で元の木阿弥です。将来の西村総理の芽は無くなったとすら感じます。

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ワクチンパスポート
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さて、ワクチン接種にも様々な問題が浮上し、一部の職域接種が止まっています。そうは言いつつも、ワクチン接種率が上昇していることも事実で、海外渡航者に限ったワクチンパスポート付与も実現しそうです。しかし、一般的にはワクチンパスポートに否定的な意見が強いと思います。「同調圧力を煽る」「非接種者の居場所が無くなりかねない」「ワクチン接種は自由意志に委ねるべき」などが理由です。

私はワクチンパスポート賛成です(その意味で少数派です)。以下のように考えるからです。

・コロナ禍を克服し普通の経済活動や社会生活を取り戻すための切り札は、現時点ではワクチン接種しかない。ワクチン接種率を引き上げることが社会全体として明らかに望ましい。

・接種率を高めるためには何某かのインセンティブ付与が有効である。接種者に金銭を与えるなどもあり得る(現に米国で似たことが行われている)が、最大のインセンティブは「自由に飲食や旅行やコンサートや映画やテーマパークを楽しめる」ことではないか。ワクチン接種者にこうした自由を与える制度設計は合理的である。

・しかし、「フリーライド」「外部不経済」の問題が潜む。フリーライドとは非接種者が嘘をついて自由を享受しようとすること。感染症でなければフリーライドに目をつぶることもあり得る。しかし、感染症の場合、フリーライドした人たちが感染を広げるという外部不経済を起こす恐れがある。このため、コロナ禍対応に関しては、フリーライドが難しい枠組みを考えざるを得ない。

・このための有力な手段が「真正なパスポート」である。

例えばお酒を提供する飲食店の場合、お店の側もワクチン接種を完了した前提で、顧客のパスポートを確認し、真正なパスポート保持者であれば、何人でも何時間でもお酒を飲める、そうでなければ入店できない(お酒を出さないお店に行く)イメージです。店側が真面目にパスポートをチェックするか否かという別の大きな問題が残ることは否めません。ただ、今でも検温やマスク着用を事実上義務付けているので、運用不可能とまでは言えないと思います。

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そうでなければ
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上記に賛成される方もいると思いますが(お酒に目が眩んだSaltさん?!)、反対の方も多いと思います。上記以外の方法を2つ考えてみました。

(1)欧州型
ある番組で、欧州(EU共通か特定国か判然としませんでしたが)の枠組みにとても興味を持ちました。欧州でも当然ワクチン接種を拒む人がいます。主義主張もありますが、基礎疾患など副反応が深刻となる恐れがある人への接種は危険です。

スマホに組み込まれた証明事項には、「ワクチン接種済みであること」の他「72時間前以内に受けたPCR検査で陰性であること」も組み込まれています。ワクチンを接種しなくともPCR検査で陰性を証明できれば、接種者同様の自由(例えば国境を跨ぐ移動)を享受できます。これはとても良い仕組みと思いました。ワクチンパスポート反対派の反感がかなり和らぐと思います。

(2)兎と亀
ただ、日本においてこのような便利な仕組みが実用化する気もなかなか湧きません。ワクチンパスポートを用いないもうひとつのやり方は、集団免疫を待つことです。

日本では副反応を含めワクチンに否定的な報道やSNSも目立ちますが、ワクチン忌避率は数%程度と海外に比べかなり低い水準にとどまります。また日本人はとても真面目なので、2回目をサボる人も少ないと思います。要は日本の接種率が例えば米国を超える可能性はかなり高いと言えます。接種率がどの程度上がれば集団免疫と言えるか、専門外の私には分かりません。ただ少し高めに「2回接種率7割」と考えても、恐らく11月には達成します。そうなれば、今のワクチンで対処できない変異株が登場しない限り、ワクチンパスポートの有無を云々せず皆が自由を享受できます。

私にはこれくらいしか思い付きません。最低限言えることは、忘年会は出来そうだということでしょうか。そうであっても、大人数の宴会で鍋料理をつつくことやカラオケで歌うことへの抵抗は消えないかもしれませんが…

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2 comments on “Vol.113: あらためてコロナのこと
  1. より:
    ワクチンが足りないことを実感

    わが町でもやっと50代の摂取連絡が来ましたが、役場に問い合わせたところ用意されたのはたったの200人分。もちろん予約は取れず。ワクチン不足を肌で感じてます。しかし、他の県の自治体ではすでに10代で予約が済んだところもあり、ワクチン入手に自治体の巧拙(政治力?)があるの?と疑っています。

  2. 健太 より:
    インフルエンザワクティン

    武漢ウイルスはコロナ型でインフルと同じでしょう。
    このワクティンの疫学的調査を探したがないようです。
    なぜこれがないのか?
     これに尽きると思う。武漢ウイルスについても多分同じ結果となるとみている。
     ウイルスに関しての歴史を見ると、RNAタイプのウイルスに対するワクティンは変異に対応しなければならないから、まあ無駄だと素人知識として判断している。
     来年の今を予測した人がいないから、実に不思議だ。

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