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今回は、先月27日に公表された日銀の展望レポートを取り上げます。このコーナーで展望レポートを紹介するのも、もう5回目でしょうか。このレポートは、年2回、4月末と10月末に公表される日銀の最も重要なレポートで、先々の経済や物価の見通しと、金融政策運営の基本方針が語られます。また、具体的な数字の形で実質経済成長率および物価上昇率の見通しも示されるので、その点では分かりやすい内容です。 このレポートは、まず「もっとも蓋然性が高いとみられる見通し」を示し、次に「それは外れるかもしれない。外れるとすればどのような要因によるものか」という見通しの不確実性を示し、そして最後に金融政策運営方針を示すという構…
[ 2011/11/07 00:00 ] コメント(1)
ぐっちーは良く記者の勉強不足、報道の酷さを指摘します(最近も日経批判を展開していましたね)。この点について、私なりの感想を書きたいと思います。 記者は千差万別、とても優秀でよく取材する方もいますし、理解能力が低い、取材が不足している、思い込みが著しい方もいます。こうした能力差はどこの世界にもあることですが、常々マスコミに関し不思議に思うことは、担当者交代時に引継ぎがなされない点です。 引継ぎを行うかどうか、組織文化により千差万別と思います。想像するに例えばディーラーの世界では自分の顧客を後任に引き継ぐことはないのではないでしょうか?自分の商売仇を作りたくないと考えることは自然と思います。官…
[ 2011/10/31 00:00 ] コメント(2)
今回は1か月以上前の旧聞になりますが、日債銀事件で当時の経営陣の無罪が確定した件について。今回無罪が確定した方のうち1人と面識があるため、ずっと心配してきました。そして今回の決着にほっとしているというのが、正直な気持ちです。 本件は1998年に経営破たんし、その処理に大規模な公的資金が投入された日債銀の経営陣に対し、刑事責任が追及されてきたもので、逮捕から12年を経て、検察が上告を断念し、無罪が確定した構図です。…
[ 2011/10/24 00:00 ] コメント(2)
仕事柄「今と3年前、どちらがひどいか?」との質問をよく受けます。簡単に私の答えを紹介したいと思います。「今回の方が厳しいかもしれない」というのがそのエッセンスです。理由は3つです。以下順不同で。 第1に、良く言われることですが、世界の中央銀行にこれ以上金融緩和する余地がなくなってしまったことです。リーマン危機の当初は、「バブル潰し」のため高めに設定されていた政策金利を引き下げる余地がありました。日本ですら福井総裁末期にゼロ金利政策から抜け出していましたので、金利引き下げが可能でした。今後もはやその余地は先進国ではほとんどありません。…
[ 2011/10/17 00:00 ] コメント(2)
今回は、8月2日に日銀が公表した「人口成長と経済成長:経済成長理論からのレッスン」という論文を紹介します。調査統計局の平田渉さんという方が執筆者です。 日銀の調査物や論文は学術的なものから実務的なものまで多岐にわたります。日銀の政策意図が反映したものか、単に執筆者の趣味なのか判然としないケースも多いですが、日銀の経費を用いHPに掲載している以上、一応日銀として許容範囲のものが掲載されていると理解しています。私もブログのネタに困ると、これまでも日銀の調査物の紹介を行ってきた経緯があります。 http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2011/data…
[ 2011/10/10 00:00 ] コメント(1)
今回は最近欧米の報道でみかけるJapanisationという言葉について触れたいと思います。使い手によりニュアンスが異なるかもしれませんが、要は1990年代のバブル崩壊後、全く冴えない状況が20年間続いている日本と現在の欧米を比べ、欧米も日本のようになってしまうリスクがある、あるいは既に日本と同じ道を歩み始めたのではないかと警鐘を鳴らす言葉として使われています。…
[ 2011/10/03 00:00 ] コメント(2)
前々回は菅内閣退陣について触れましたが、今回は野田内閣について。 ぐっちーのブログを読み「どじょう」に英語で悪いニュアンスがあることに初めて気付きました。ただでさえ海外では「総理がまた変わった」ということで笑われる訳ですから、確かにイメージ作りには注意が必要ですね。ただ、今の政権にはそうしたところまで目を配る余裕も無いのが実態と思います。…
[ 2011/09/26 00:00 ] コメント(2)
今回は前回に続き政権ネタで野田内閣誕生を取り上げようと思っていましたが、ぐっちーのリクエストを受け、決済の話しを書こうと思います。ぐっちーと言えば、先日超素敵な女性を交えた会に誘ったところ、「忙しい」と断られました。商売繁盛のようですね! 今回の話しは極力単純に分かりやすく書こうと思いますが、分かりにくい面、単純化のため正確性を犠牲にした面があると思います。もし日銀の決済専門家の読者がいれば、適宜訂正コメントをお願いします。なお、リーマン破たん時に何が起きたか、当時の日銀決済機構局のレポートのURLを載せておきます。 http://www.boj.or.jp/research/brp/ro…
[ 2011/09/19 00:00 ] コメント(3)
連載105回目。1年52週なので丁度3年目に突入したことになります。今後どれほど続けられるか自信はありませんが、もう少し頑張ってみたいと思います。 本ブログの初回は自民党から民主党への政権交代を取り上げました。今回は今般退陣した菅内閣を振り返りたいと思います。私は菅内閣に好意的という点で少数派に属してきました。「人格に問題はあるが、やっていることが変と思わない」と何度か書きました。人格の点で言えば、いろいろな人から良く「菅さんの目付きがおかしい」との声を聞きました。私も彼の目付きは気になっていました。震災後の疲れ、支持率低下への苛立ちなど理由は色々あったのでしょうが、「彼は他人を信じることが…
[ 2011/09/12 00:00 ] コメント(5)
通貨と国債の問題を取り上げてきましたが、今回で最後です。前回は「円の信認」という問題提起で終わりました。言い換えれば、現金、国債を問わず、円という通貨の信認が失われ、価値が急激に低下する事態が考え得るかという問いなります。具体的なイメージとしては、円が暴落する(もの凄い円安になる)、国債価格が暴落する(金利が急上昇する)事態です。 この点について、悲観論、すなわち円や国債の暴落が起きるとの見方が根強いことも事実です。その論拠は巨額の財政赤字、あるいは人口減少を伴う日本経済の衰退です。私の意見は「このまま努力を怠るとそうなってしまう恐れが十分ある」と集約できます。ぐっちーと悲観論者の中間的意見…
[ 2011/09/05 00:00 ] コメント(2)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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