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連休中でもあり、ごく短く。先週8日の日銀・内田副総裁の講演と記者会見が注目を集め、株価も上昇しました。様々なことに触れていますが、マイナス金利解除が近々行われるであろうことをほぼ所与のこととした上で、その後の運営に関する次の発言が話題を呼びました。 「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」 しかし、これは1月23日の植田総裁記者会見における以下の発言と全く同じ内容で、単にわかりやすく噛み砕いただけです。 「大きな不連続性が発生するような政策運営は避けられる」 実際、1月29日のひとり言では、「マイ…
[ 2024/02/12 06:30 ] コメント(0)
今回は1月30日に公表されたIMF世界経済見通し(World Economic Outlook: WEO)を簡単に紹介します。毎年4回、1月、4月、7月、10月に公表されますが、4月と10月は分厚く、1月と7月は簡略なものが出されます。 *********** 見通し上方修正! *********** 今回の世界経済見通しの表題は「Moderating Inflation and Steady Growth Open Path to Soft Landing」、日本語訳は「インフレ率の鈍化と安定的な成長 ソフトランディングへの道開ける」。前回までのやや暗めなトーンから、明るく前向きなトーン…
[ 2024/02/05 06:30 ] コメント(0)
今回は、22日・23日に開催された日銀金融政策決定会合と、25日に公表された内閣府月例経済報告を紹介します。日銀の政策変更はありませんでしたが、近い将来での変更が示唆される内容でした。 *********** 景気判断は不変 *********** 今回のように展望レポートがある月(1月、4月、7月、10月)とない月(3月、6月、9月、12月)とではスタイルが異なり比較が難しい面はありますが、景気判断は現状・先行きとも維持されました。 (現状) ・基調:緩やかに回復している ・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、緩やかな増加を続けている ・設備投資:緩やかな増加傾向にある ・住宅投資:…
[ 2024/01/29 06:30 ] コメント(0)
今回は「日銀と政治」という変わったテーマを取り上げます。 *********** 日銀法改正後の不幸な歴史 *********** 改正後の新日銀法が施行されたのは1998年4月。日銀は「独立」したと言われました。その前の日銀は、単純に言えば政府の言うことを聞かざるを得ない存在でした。仮にその前から「独立」していれば、1980年代に早めの利上げが行われ、バブルの大きさが少しは抑制されたかもしれません。ただ、今更言っても仕方ないことです。 ところで、日銀法には「独立」という言葉は使われていません。第3条第1項で「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」と書か…
[ 2024/01/15 06:30 ] コメント(0)
2024年初回です。既に松の内も終わりましたが、本年もよろしくお願いします。また、能登半島地震で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。 今回は今年の日銀の金融政策を予想します。Saltさんと見立ては違いますし、Saltさんの方が的中する可能性が高いとも思います。ただ「一筋縄ではいかない、意外に難しい」という点を理解頂ければ幸いです。 *********** 4月に起きること *********** 現在の金融政策の核は、短期金利と10年物国債金利の双方を操作する所謂イールドカーブ・コントロール(YCC)と、短期金利をマイナス0.1%に誘導するマイナス金利政策です。長期国債を大量に購入…
[ 2024/01/08 06:30 ] コメント(0)
今回は、18、19日に開催された日銀金融政策決定会合を簡単に紹介します。政策変更はありませんでした。 *********** 政策変更無し *********** 事前には、短期金利をマイナス0.1%とする所謂マイナス金利政策を止めるのではないかとの観測もありましたが、政策は変更されませんでした。 日銀の政策については年明け後に改めて書く予定です。また、今の政策の説明自体が厄介で、「政策変更無し」が何を意味するか理解が難しい面もあります。 ただ、日銀のホームページで「2%の物価安定の目標と長短金利操作付き量的・質的金融緩和」と書かれているように、短期金利と長期金利(10年物国債金利)の…
[ 2023/12/25 06:30 ] コメント(0)
今回は13日に公表された日銀短観を簡単に紹介します。業況判断改善継続が特徴でした。 *********** 業況判断は引続き改善 *********** 業況判断は数字が大きいほど良く、「良い」「悪い」の回答が拮抗するとゼロ、マイナス幅の拡大は業況悪化を表します。以下の仕入価格・販売価格等も同じですが、理論的には-100(全社「悪い」と回答)から100(全社「良い」と回答)の間で数字が動き、0が拮抗点です。 最も注目される製造業大企業は、前回9 今回12 先行き見通し8と3回連続で改善しました。とくに自動車は前回15 今回28 先行き17と、先行き慎重とは言え大幅改善です。いわゆる供給制…
[ 2023/12/18 06:30 ] コメント(0)
11月30日から12月12日の日程で、COP28が開催中です。場所はドバイ。産油国であるUAEでの開催のため、「何ら成果が上がらないだろう」と低い期待値の中で始まりましたが、これまでは、損失と損害に対応するための新たな資金措置の運用に関する合意、再生可能エネルギー発電・原子力発電容量3倍宣言など、それなりの進展がみられています。 他方で、今回会合の最大のテーマは「グローバル・ストックテイク」(GST: global stock take)。パリ協定に基づき、各国は温室効果ガス削減目標を定めています。日本の場合2030年までに46%削減です。この各国の目標の進捗状況を5年ごとに評価し、進捗が捗…
[ 2023/12/11 06:30 ] コメント(0)
今回は普段以上に簡単に22日に公表された内閣府月例経済報告を紹介します。基調判断が下方修正されました。 *********** 基調判断下方修正 *********** 7~9月期GDPマイナス成長、中でも設備投資前期比マイナスを受け、「このところ一部に足踏みもみられるが」との文言が加わる形で、現状の景気判断は下方修正されました。設備投資については、GDP統計のほか、法人企業統計や資本財総供給の弱さが指摘されています。ただし、先行き判断は維持されました。 (現状) ・基調:景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している ・個人消費:持ち直している ・設備投資:持ち直しに…
[ 2023/11/27 06:30 ] コメント(0)
今回は15日に公表された7~9月期GDPを簡単に紹介します。3四半期振りのマイナス成長でした。 *********** 3四半期振りマイナス成長 *********** ポイントは以下の通りです。 ・前期比-0.5%、年率-2.1%。昨年10月~12月期以来3四半期振りのマイナス成長。寄与度は内需-0.4%、外需-0.1%と内外需ともマイナス。 ・内需では、民間最終消費支出が前期比-0.0%(寄与度-0.0%)とわずかながらマイナス。報道ではこの点がとくに注目されました。ただ、むしろ注目すべきは設備投資が前期比-0.6%(寄与度-0.1%)と落ち込んだこと。この点は後述します。他の需要…
[ 2023/11/20 06:30 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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