2024/07/29 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.242: 月例経済報告+日銀利上げ?
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景気基調判断実質維持
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内閣府の景気基調判断は、書き方が多少変わりましたが、基本的に維持されました。書き方の変更は、実質的なものというより、7月の人事異動の影響(書き手の趣向が変わった)かもしれません(憶測です)。一番大きな変化は、先行きに関して能登半島地震への言及が消えたことでしょうか。また、輸出が若干上方修正され(「足踏み」から「横ばい」に変更)、中国不動産市場の停滞が明記されました。
(現状)
・基調:景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している
・個人消費:持ち直しに足踏みがみられる
・設備投資:持ち直しの動きがみられる
・住宅建設:弱含んでいる
・公共投資:堅調に推移している
・輸出:おおむね横ばいとなっている
(先行き)
・基調:雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国経済における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。
・個人消費:雇用・所得環境が改善する下で、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある
・設備投資:堅調な企業収益等を背景に、持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:当面、弱含みで推移していくと見込まれる
・公共投資:補正予算の効果もあって、堅調に推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済の持ち直しが続く中で、持ち直していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある
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日銀は利上げを行うか?
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明日・明後日開催の日銀金融政策決定会合では、国債買入れ額(現在月6兆円程度)減額の具体的な規模・内容が決まります。シンプルに「月〇兆円程度」となるのか、毎月の保有国債償還額にリンクさせる複雑な仕組み(要は保有額減少ペースが一定になる仕組み)にするのか、いろいろ考えられますが、「月4兆円程度」への減額予想が多いでしょうか。
ただ、世間の関心はこの点よりも「利上げを同時に行うか」に移っています。とくに円相場が160円/ドル近辺にあった頃、日銀に円安批判が向かわないよう利上げを断行するのではと囁かれました。
かなり円高方向に動いた今となっては、利上げは不要かもしれません。ただ、何となく利上げを行う気がしています。9月にはFEDが利下げに踏み切る可能性が濃厚になる中、今月を逸すると利上げタイミングを見出せなくなる心配があるからです。また、利上げ後の政策金利0.25%が今の経済情勢対比で高すぎるとも思えません。
明後日が楽しみです。今回はこの辺で。
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