2024/08/19 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.245: 4~6月期GDP
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2四半期振りのプラス成長回復
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最近は、四半期ごとにプラス成長、マイナス成長が繰り返すパターンが続いていますが、前期マイナス成長後の4~6月期は、前期比+0.8%、年率+3.1%のプラス成長。寄与度は内需+0.9%、外需-0.1%と内需が牽引する格好でした。
内需では、民間最終消費支出が前期比+1.0%(寄与度+0.5%)と4四半期連続のマイナスから漸く抜け出しました。設備投資も前期比+0.9%(寄与度+0.2%)とプラス回復。住宅投資も前期比+1.6%(寄与度+0.1%)と3四半期連続のマイナス成長から脱出。公的需要も前期比+0.9%(寄与度+0.2%)とプラスでした。「も」が3つ並ぶほど、内需は久方ぶりの好調でした。
そうは言っても「実質賃金マイナスが続く中、なぜ?」と疑問を持たれるかもしれません。個人消費の基調には引続き厳しいものがありますが、流石に4四半期マイナスが続いてきたことの反動に加え、ダイハツ出荷停止の影響が無くなってきたこと(これは後述の輸出増とも関連します)に加え、猛暑予想でエアコンが売れたと言われます。また、設備投資については、日銀短観等のアンケート調査がプラスとなる中で、GDP統計がマイナスになってしまうことへの違和感がありました。人手不足問題等で工期がずれてしまうなどの問題が大きい(四半期によりマイナスに振れてしまう)ということでしょうか。
外需では、輸出は前期比+1.4%(寄与度+0.3%)と増加。輸入は前期比+1.7%(寄与度-0.4%)でした=輸入はGDP計算上差し引かれる項目なので、プラスになると(引くものが増えると)GDPにはマイナスに寄与します。
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名目GDP600兆円越え
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名目GDP(季節調整後)が607.9兆円と初めて600兆円台に乗りました。また、実質雇用者報酬の前年比が+0.8%とプラスを回復しました。
名目GDP600兆円はかねてより政府が目指してきたもので、退陣する岸田総理への手土産になるでしょうか(数字を偽装したという意味ではありませんので、念のため)。雇用者報酬と賃金は異なりますが(前者は雇主の社会保険関係負担等を含む)、実質賃金プラス転化の予兆になると良いですね。
今回はこの辺で。
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