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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2020/10/19 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(10/18~24) トランプ・バイデンTV対決、ハンター・バイデン、米経済対策、米最高裁判事、英・EU、タイ抗議デモ、NZ選挙、日米豪印


東京もずいぶん寒くなってきましたね。冬が近づいてきたことを感じます。今年もあと2か月半。早いものですね。

コロナから米大統領選、日本では安倍政権の退陣もあり、後世から振り返ると2020年は歴史的な1年だったと言われるのでしょう(といっても、スピードの速い時代、来年はもっと衝撃的な年になるのかもしれませんが)。

そういえば、本メルマガのツイッターを始めたのもちょうど1年前でした。ツイート数は約5,400になっていました。1日あたり15ツイートくらいしているようです。結構頑張りましたね(笑)。

ありがたいことにフォロワー数もずいぶん増えました。年内に3000を超えたいものです。本メルマガ・ブログは、ツイッターとあわせて読むとより面白さが増しますので、まだご覧になっていない方は、ぜひご確認いただければと思います。

なお特に反響が大きかったのは、これら3つのツイートです()。特にインパクトがあったのは最後の官僚ネタで、いまだにこれを超えるものがないというのが、逆にさびしいところです(苦笑)。

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先週の動き
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10/11(日)
・ファウチNIAID所長がトランプ陣営は同所長の名前と発言を選挙対策のために許可なく利用したと批判するメディア向けの声明を発出
・北朝鮮で大規模なマスゲーム(金正恩朝鮮労働党委員長が観覧)(平壌)
・タジキスタン大統領選挙(ラフモン大統領が5選)

10/12(月)
・コロンブス・デー(米市場一部休場)
・トランプ大統領の新型コロナウイルスの検査結果が数日にわたり陰性だったとするコンリー主治医の10月12日付のメモをホワイトハウスが公表
・トランプ大統領がフロリダ州サンフォードで選挙集会
・米上院司法委員会がエイミー・コニー・バレット判事の連邦最高裁判事指名の承認について公聴会を開催(~15日)
・バイデン前大統領がオハイオ州トレドとシンシナティで選挙活動
・EU外相理事会(ロシアとベラルーシのルカシェンコ大統領への制裁で合意)(ルクセンブルク)
・IMF・世銀年次総会(テレビ会議、~18日)
・ノーベル経済学賞発表(ポール・ミルグロム、ロバート・ウィルソン)(ストックホルム)

10/13(火)
・トランプ大統領がペンシルバニア州ジョンストンで選挙集会
・米連邦最高裁がトランプ政権に20年国勢調査での人口集計を当初予定より早く終了させることを認める判決
・バイデン前副大統領がフロリダ州ミラマーで選挙活動
・WTOがボーイングへの補助金を理由としてEUが米国に40億ドルの報復関税を課すことを認めると発表
・キルギスのジェエンベコフ大統領が議会による野党指導者ジャパロフの新首相選出について再審議を命令
・イタリアが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて飲食店営業の制限等を発表

10/14(水)
・トランプ大統領がアイオワ州デモインで選挙集会
・ポンペオ国務長官がチベット自治区問題を担当する特別調整官にロバート・デストロ国務次官補(民主主義・人権・労働問題担当)を指名したと発表
・NYポストがバイデン前副大統領がウクライナのガス会社「ブリスマ」の幹部に会っていた(ブリスマの幹部がハンター・バイデンに対し謝意を述べているメールを引用)と報道(バイデン陣営は否定、フェイスブックとツイッターは拡散制限措置)
・深センの経済特区成立40周年の記念式典(習近平国家主席が演説)(深セン)
・北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が夏に台風被害を受けた鉱山地区を視察したと国営朝鮮中央通信が報道
・G20財務相・中銀総裁会議(途上国の債務返済の猶予期限の延長で合意)(テレビ会議)
・英・EU首脳電話会談
・ロシア・トルコ首脳電話会談(アゼルバイジャンとアルメニアの停戦合意の順守の重要性で一致)
・ドイツが新型コロナウイルスの感染拡大を受けてマスク着用義務等の感染対策を発表
・フランスが新型コロナウイルスの感染拡大を受けてパリ等で午後9時から翌6時までの外出禁止を発表
・タイで大規模な反政府デモ(バンコク、継続中)
・キルギスのジェエンベコフ大統領が議会による野党指導者ジャパロフの新首相選出を承認(新首相と同大統領の進退をめぐり協議)

10/15(木)
・トランプ大統領が経済対策案の規模を1.8兆ドルから引き上げる意向を表明
・トランプ大統領がノースカロライナ州グリーンビルで選挙集会
・トランプ大統領がフロリダ州マイアミでNBC主催のタウンホール形式の集会に参加(NBCが放映)
・バイデン前大統領がペンシルバニア州フィラデルフィアでABC主催のタウンホール形式の集会に参加(ABCが放映)
・バイデン陣営が民主党の副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員のスタッフが新型コロナウイルスに感染したため同議員の地方遊説の10月18日までの中断を発表
・トランプ政権が国家情報・新興技術戦略を発表
・ポンペオ国務長官が中国に孔子学院の年内閉鎖を求めたと表明
・英国とEUの将来関係に関する交渉の期限
・EU首脳会議(ブリュッセル、〜16日)
・キルギスのジェエンベコフ大統領が辞任を表明

10/16(金)
・トランプ大統領がフロリダ州フォートメイヤーズとオカラとジョージア州メイコンで選挙集会
・バイデン前副大統領がミシガン州サウスフィールドとデトロイトで選挙活動
・ミシガン州が大統領選当日の11月3日での投票所での銃器携帯の禁止を発表
・オブライエン大統領補佐官がロシアのプーチン大統領による新STARTの無条件の1年間延長の提案を拒否
・英国が新型コロナウイルスの感染拡大を受けてロンドン等の警戒レベルを引き上げ

10/17(土)
・トランプ大統領がミシガン州マスキーゴンとウィスコンシン州ジェーンズビルで選挙集会
・中国で輸出管理法が成立
・アゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノ・カラバフをめぐる武力衝突について停戦で再合意
・NZ総選挙(与党労働党が勝利)

●トランプとバイデンのタウンホール対決、ハンター・バイデン問題の再浮上

米大統領選まで2週間になりました。トランプ大統領とバイデン前副大統領は、連日激戦州を訪問し、最後の追い込みをかけています。

10月15日に予定されていた第2回テレビ討論会は中止になりましたが、トランプはマイアミでNBC主催のタウンホール集会(司会はサバンナ・ガスリー)、バイデンはフィラデルフィアでABC主催のタウンホール集会に参加(司会はジョージ・ステファノポロス)。同じタイミングに違う番組でそれぞれテレビに登場するという異例の「対決」になりました。

また、ハンター・バイデンが役員を務めていたウクライナのガス会社「ブリスマ」の幹部にバイデンが会っていたことを示唆する証拠(ブリスマの幹部がハンターに対し面会のアレンジに謝意を述べているメール)が見つかったとタブロイド紙のNYポストが報道しました。バイデン陣営は面会の事実を否定。新たなる「オクトーバー・サプライズ」になりました。

さらに、フェイスブックとツイッターがNYポストの記事の表示を制限。ツイッターは記事を引用したアカウントも凍結。トランプと共和党議員はこれらの措置を批判し、上院司法委員会はツイッターのジャック・ドーシーCEOの喚問を検討すると発表しました。その後、ツイッターは、表示制限の理由は個人情報とハッキングによって得られた情報が含まれていたためと説明。ドーシーは、理由もなく制限をかけたのは間違っていたと述べました。

これらの動きを踏まえ、明日、大統領選の最新の展望について解説します。

●米経済対策の交渉

新型コロナウイルス対策の経済対策について、ペローシ下院議長とムニューシン財務長官が協議を続けています。トランプ大統領は経済対策案の規模を1.8兆ドルから引き上げる意向を表明しました。

しかしマコーネル上院院内総務は「共和党議員は5000億ドルの対策案が適当と考えている」としてトランプの意向を一蹴。今週にもその対策案を提出する考えを示しています。今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●バレット判事の最高裁判事指名承認の公聴会

米上院司法委員会が連邦最高裁判所判事に指名されたエイミー・コニー・バレット(ACB)判事の4日間にわたる公聴会を終えました。

共和党は予定どおり、今週(10月22日)に委員会採決、来週(26日の週)に本会議採決を見込んでいます。ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●英国とEUの将来関係に関する交渉

EU首脳会議では、英国との将来関係に関する交渉について、今後数週間にわたって協議を続ける方針を確認。譲歩の姿勢は示されず、英国のフロスト首席交渉官は失望を表明してEUを批判しました。

そして英国が設定した交渉期限が過ぎましたが、ボリス・ジョンソン首相は声明を発表。交渉打ち切りは表明しないものの、EUが姿勢を根本から変えなければ交渉を続けず、移行期間が年末で終わった後は、関税が発生する事態を受け入れる用意があると述べました。今回の動きと今後の見通しについてコメントします(※メルマガに限定)。

●タイの抗議デモ

タイで再び大規模な抗議デモが行われ、プラユット政権の退陣、憲法改正、王室改革を要求。デモ参加者と治安部隊・王室支持者との間で衝突が発生。プラユット政権は非常事態宣言を発令し、5人以上の集会を禁止しました。

タイの政治体制、王室、総選挙については以下の記事で解説しましたが、今回の動きもそこで述べたポイントに沿ったものです。今回の動きと今後の見通しについてコメントします(※メルマガに限定)。

「タイの王室・軍と政治経済の構造」(18/8/10)
「タイ王室の動向」(18/9/7)
「タイ現代史(1)/(2)」(19/4/10・17)

●NZ総選挙

アーダーン首相率いる労働党が圧勝し、単独過半数の議席を獲得しました。もともとアーダーンは人気が高い政治家で、続投の可能性は高いとみられていましたが、コロナの制圧成功が強力な追い風になりました。

これまで第1党は国民党で、労働党はNZファースト党と連立して過半数を確保してきましたが、今回の勝利で、さらに安定した政権が実現することになります。

NZはコロナの警戒レベルを全土で通常モードに引き下げ(マスク着用やソーシャル・ディスタンスも不要)、先週から豪州はNZからの渡航者を隔離免除で受け入れるようになりました(ただしNZ側は豪州からの渡航者の隔離免除を認めていません)。もっとも、ラグビーの試合などでスタジアムが満席になっている様子をみると、マスク着用ぐらいは続けた方が良いのではと個人的には思いましたが・・。

なお、総選挙と同じタイミングで大麻使用と安楽死に関する国民投票も行われましたが、こちらは暫定結果が10月30日に発表される予定です。

●日米豪印の外相会合(補足)

先週の記事で取り上げた日米豪印について、読者の方から多くのコメントをいただきました。関心の高いテーマであることを感じました。

ご質問の中には、これはトランプ政権のイニシアチブなのかというものがありました。この点について補足します(※メルマガに限定)。

「日米豪印の外相会合」(10/12)

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今週の動き
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10/18(日)
・国連の対イラン武器禁輸制裁の期限(イランは武器禁輸の解除を宣言)
・ボリビア大統領選挙
・北キプロス・トルコ共和国(トルコだけが承認)の大統領選挙の決選投票
・菅首相がベトナムとインドネシアを訪問(~21日)

10/19(月)
・中国の20年7~9月期の実質GDP成長率の発表

10/22(木)
・米大統領候補の第2回テレビ討論会(テネシー州ナッシュビル)
・NATO国防相会合(テレビ会議、~23日)
・米上院司法委員会がエイミー・コニー・バレット判事の連邦最高裁判事指名の承認について採決

●米大統領候補の第2回テレビ討論会

トランプ大統領とバイデン前副大統領の第2回にして最後のテレビ討論会です。場所はテネシー州ナッシュビルのベルモント大学、司会はNBCのクリステン・ウェルカーです。

トランプはコロナの検査結果が陰性だったと発表しており、この点での問題はなさそうです。

ただ、トランプは先週、NBC主催のタウンホールに出席しましたが、司会のサバンナ・ガスリーから厳しい質問を浴びせられ(明日の記事で解説します)、その後の選挙集会でもNBCとガスリーを非難しています。今回の司会を務めるウェルカーについても「極めて不公平だ」と述べて牽制しました。

また、委員会は、討論会のトピックを発表しましたが、討論ルールについては何も述べていません。第1回討論会後、司会のコントロールのため何らかのルール変更を行うと発表していたのですが、トランプ陣営の反対を受けて諦めたのでしょうか。これから発表するのかもしれませんが、そうなるとまたトランプ陣営と揉めることが予想されます。

しかし、この討論会はおそらくトランプにとって最後の挽回のチャンスになります。出て来ないという選択肢はないでしょう。討論ルールに変更がなかったとしても、第1回と同じような戦法をとることはおそらくないと思います。楽しみです。

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あとがき
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ぐっちーさんも大好きだった宮本農業さんの枝豆の申し込みが始まりました。2週間限定ということなので、あと1週間ですね。ぜひご覧下さい。

グルメといえば、経済ZAP!!Saltさんが人形町のハンバーガー店「Brozers’」を紹介したら、たまたまその直後にかんべえさんが行ったと聞いて驚きました。ここはぐっちーさんもお気に入りのお店だったそうです。

私はまだ行ったことがありません。今度、グッチーポストのミーティングのときにでも使ってみたいと思います。それにしてもぐっちーさんの写真もSaltさんの写真も迫力がありますね・・。

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One comment on “今週の動き(10/18~24) トランプ・バイデンTV対決、ハンター・バイデン、米経済対策、米最高裁判事、英・EU、タイ抗議デモ、NZ選挙、日米豪印
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    カオスな2020

    まさに、年始「米・イラン」でずいぶんなスタートの1年だな、と思ったのですが、これがもう何年も前のような気すらします。また、10カ月しかたっていないとは・・・、どれだけ色々起きるのでしょうか。
    あれほど「絶対」だった「王室」にインパクトを与えるタイのデモもここまで大規模なものに拡大するとは、やはり驚きです。その一つ一つに丁寧に分析が加えられていて、枝葉末節なことにとらわれることなく地に足をつけて状況を見ていることができます。歴史に残るといえば、この大統領選もですね。忙しくなります。
    あと、紙面が許されれば、菅首相の初外遊の意味と意義についても、ご見解をお伺いしたいです。

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