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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2020/10/12 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(10/11~17) トランプ復帰、米副大統領候補討論会、米経済対策、日米豪印、ノーベル平和賞


雨もあり、急に寒くなりましたね。11月中旬の気候とのこと。暑がりの私も室内でパーカーなど着るようになりました。

あとこれまではアラームがなくとも5時頃に目が覚めていたのですが、最近は気が付くと6時を過ぎていることが多くなりました。やはり寒いと、体が布団の中から出たくないのか、目も覚めなくなるようですね。

それにしても、夏が終わるとすぐに冬、秋がどこかにいってしまったような・・冬が終わるとすぐに夏という気もします。やはり気候変動があるのでしょうか。

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先週の動き
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10/4(日)
・トランプ大統領がウォルター・リード米軍医療センターから車で一時外出
・トランプ大統領の主治医のコンリー氏が同大統領の状況について説明(ウォルター・リード米軍医療センター)
・ポンペオ国務長官が日本を訪問(韓国とモンゴルの訪問は中止)(~6日)
・中芯国際集成電路製造(SMIC)が一部のサプライヤーによる米国の設備等の同社への輸出について米商務省の事前許可が必要になったと発表
・仏領ニューカレドニアでフランスからの独立を問う住民投票(残留支持が多数)
・キルギス議会選挙(与党勢力が圧勝)

10/5(月)
・トランプ大統領がウォルター・リード米軍医療センターを退院(ホワイトハウスに復帰)
・マクナニー大統領報道官の新型コロナウイルスの検査結果が陽性だったと発表
・バイデン前副大統領がフロリダ州マイアミを訪問
・北朝鮮の朝鮮労働党政治局会議(平壌)
・ユーロ圏財務相会合(オンライン)
・キルギスで議会選挙の結果に抗議する大規模デモ(政府庁舎を占拠)
・ノーベル医学生理学賞発表(ハーベイ・オルター、マイケル・ホートン、チャールズ・ライス)(ストックホルム)

10/6(火)
・トランプ大統領が新型コロナウイルス対策の経済対策に関する民主党との協議の打ち切りを代表団に指示したとツイート(その後、航空業界支援と個人向け現金支給の単発支援策を講じるよう議会に呼びかけるツイート)
・米大統領候補の討論会の運営委員会が10月15日予定の第2回討論会をオンライン形式にすると発表(トランプ大統領は決定を批判し不参加を表明)
・ミリー統合参謀本部議長を含む同本部メンバーが沿岸警備隊のレイ副司令官の新型コロナウイルス感染を受けて自主隔離
・日米豪印外相会談(東京)
・菅首相とポンペオ国務長官が会談(同)
・米下院の司法小委員会が巨大IT企業に対する反トラスト法の調査報告書を公表(規制強化を提言)
・バイデン前副大統領がペンシルバニア州ゲティスバーグで演説
・EU財務相会合(オンライン)
・キルギスのボロノフ首相が辞任
・ノーベル物理学賞発表(ロジャー・ペンローズ、ラインハルト・ゲンツェル、アンドレア・ゲズ)(ストックホルム)

10/7(水)
・米大統領選の副大統領候補のテレビ討論会(ユタ州ソルトレークシティ)
・NYの連邦高裁がトランプ大統領はNY州の検察当局が求めた納税申告書を含む財務記録の提出を拒否できないとの判決(トランプ大統領の連邦最高裁への上訴の差戻し審)
・ノーベル化学賞発表(エマニュエル・シャルパンティエ、ジェニファー・ダウドナ)(ストックホルム)

10/8(木)
・トランプ政権がイランの大手銀行18行に制裁を科すと発表
・トランプ政権がワシントンDCの連邦控訴裁にTikTokの配信禁止措置の差止めを求めて上訴
・米商務省が安全保障上の注意を要する輸出先を並べた「未確認リスト」の40団体の削除と26団体の追加を発表
・米司法当局がミシガン州のグレチェン・ウィットマー知事の拉致を企てた容疑で13人を逮捕したと発表
・ノーベル文学賞発表(ルイーズ・グリュック)(ストックホルム)

10/9(金)
・ペローシ下院議長とムニューシン財務長官が電話協議(トランプ政権は1.8兆ドルの経済対策を民主党に提案)
・米大統領候補の討論会の運営委員会が10月15日予定の第2回討論会の中止を発表
・キルギスのジェエンベコフ大統領が合法的な政府の承認と秩序の回復後に辞任の用意があるとの声明を発表
・ノーベル平和賞発表(WFP)(オスロ)

10/10(土)
・トランプ大統領がホワイトハウスで数百人の支持者の前で演説
・アゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノ・カラバフをめぐる武力衝突について停戦で合意したとロシアが発表
・双十節(中華民国の建国記念日)
・朝鮮労働党創立記念日(軍事パレードで新型とみられるICBMを公開)
・キルギスの議会が野党指導者のジャパロフを新首相に選出

●トランプの復帰

トランプ大統領はウォルター・リード米軍医療センターに入院したわずか3日後にホワイトハウスに帰還しました。外出はできませんが、早速に怒涛のツイートと電話インタビュー。トランプのコロナ感染に配慮してネガティブ・キャンペーンを控えるバイデン陣営と対照的に、いつものペースで、次項で述べる副大統領候補の討論会に参加したカマラ・ハリス上院議員への非難を含め、バイデン陣営や民主党に容赦ない攻撃を浴びせています。

コロナ検査の陰性結果が出たのかは明らかになっていませんが、週末にはホワイトハウスのバルコニーから数百人の支持者を前に演説を行いました。そして今週から早くも選挙活動を再開し、フロリダ、ペンシルバニア、アイオワを訪問すると発表しています。一方、第2回テレビ討論会は中止になりました(後述の「今週の動き」で述べます)。

大統領選の投開票日である11月3日まであと3週間と少しです。いよいよ最終局面に入ったところで、明日、最新の展望を解説します。

●米副大統領候補のテレビ討論会

ペンス副大統領とカマラ・ハリス上院議員の討論会がユタ州ソルトレークシティのユタ大学で行われました。司会はUSAトゥデイのワシントン支局長のスーザン・ペイジでした。

トランプ大統領とバイデン前副大統領の討論会と比べると、割り込みや中傷はほとんど目立たず、まともな討論会でした。普通の討論といえばそれまでですが、トランプ時代には新鮮に映ります。こちらの方が大統領候補の討論会らしくすら見えました(苦笑)。

毎日色々なことが起こるので、数日前の討論会がすでにずいぶん前に感じられますが(笑)、コメントを述べます(※メルマガに限定)。

●米経済対策の交渉打ち切りと再開

新型コロナウイルス対策の経済対策について、トランプ大統領が民主党との協議を打ち切るとツイートしました。しかし、その日のうちに、今度は航空業界支援と個人向け現金支給の単発支援策を講じるよう議会に呼びかける旨ツイート。

その後、ペローシ下院議長とムニューシン財務長官が協議を行い、トランプ政権は1.8兆ドルの経済対策を民主党に提案しました。包括的な経済対策を主張する民主党の要求を部分的に受け入れた格好です。状況は例によって慌ただしく二転三転していますが、今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●日米豪印の外相会合

米国のポンペオ国務長官、豪州のペイン外相、インドのジャイシャンカル外相が訪日し、茂木外相とともに日米豪印の外相会合を開催しました。

会合後の対外発表には「中国」への言及はありませんが、議題には南シナ海問題やサイバーセキュリティーなど中国を念頭に置くものが含まれています。外相会合を年1回の定例化とすることも決定されました。

日米豪印4か国の協力は「クアッド(Quad)」と言われ、近年、海外のメディアや安全保障の専門家の間でも注目される概念となっています。今回の会合の意義についてコメントします(※メルマガに限定)。

●ノーベル平和賞

ノーベル平和賞は世界食糧計画(WFP)でした。コロナ禍の中で食糧を供給してきた活動が評価されたとのことです。トランプ大統領は大いに期待をかけていた様子でしたが、残念な結果でした。

まあ、外交上の成果はともかく、これだけ米国の政争に直結していると、さすがに選べないという現実的な判断もあったでしょう。WFPは以前から有力候補とされており、コロナもあって、誰もが納得する結果だったといえます。

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今週の動き
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10/11(日)
・タジキスタン大統領選挙

10/12(月)
・コロンブス・デー(米市場一部休場)
・トランプ大統領がフロリダ州サンフォードで選挙集会
・米上院司法委員会がエイミー・コニー・バレット判事の連邦最高裁判事就任の承認について審議
・EU外相理事会(ルクセンブルク)
・IMF・世銀年次総会(テレビ会議、~18日)
・ノーベル経済学賞発表(ストックホルム)

10/13(火)
・トランプ大統領がペンシルバニア州ジョンストンで選挙集会

10/14(水)
・トランプ大統領がアイオワ州デモインで選挙集会
・G20財務相・中銀総裁会議(テレビ会議)
・タイで大規模な反政府デモ(バンコク)

10/15(木)
・米大統領候補の第2回テレビ討論会の中止
・英国とEUの将来関係に関する交渉の期限
・EU首脳会議(ブリュッセル、〜16日)

10/17(土)
・NZ総選挙

●米大統領候補の第2回テレビ討論会の中止

討論会の運営委員会が10月15日に予定されていた第2回討論会の中止を発表しました。

委員会はオンライン形式での開催を提案しましたが、トランプ大統領は対面式にこだわって受け入れず、その後、日程の延期を提案。しかしバイデン陣営は受け入れず、結局中止に至りました。

ということで、10月22日に予定されている討論会が最後になります。これも、対面式でやるのであれば、トランプが陰性の結果を発表することが前提になるのでしょうが・・。

討論会については、明日の大統領選の展望についての解説の際にも取り上げます。

●バレット判事の最高裁判事承認に向けた動き

エイミー・コニー・バレット判事の最高裁判事就任の上院承認審議については、まず上院の司法委員会が公聴会を開始する予定ですが、以下の記事で述べたとおり、マイク・リートム・ティリスロン・ジョンソンの3人の上院議員がコロナに感染し(リーとティリスは上院司法委員会のメンバー)、自主隔離に入ったことが発表されました。

「トランプ大統領のコロナ感染」(10/5)

これを受け、マコーネル上院院内総務は上院本会議での活動を10月19日まで中止すると決定しました。一方、上院司法委員会のリンゼー・グラム委員長は、当初の予定どおり、10月12日から委員会での公聴会を開始するとしています。今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●英国とEUの将来関係に関する交渉の期限

今週、英国が設定した英国とEUの将来関係に関する交渉の期限が到来します。EUのバルニエ首席交渉官と英国のフロスト首席交渉官は合意まであと一歩であるとの趣旨の発言をしていますが、どうなるか。コメントします(※メルマガに限定)。

●NZ総選挙

当初は9月に予定されていた選挙ですが、コロナの感染発生を受けて1か月延期されていました。現在のアーダーン政権は労働党とNZファースト党の連立政権(緑の党が閣外協力)。第1党は国民党です。なお、国民党のコリンズ党首と労働党のアーダーン党首はいずれも女性です。

アーダーン首相はコロナ対策の成功もあり、支持率は高く、労働党が単独過半数を獲る可能性があります。いずれにしても政権の続投が予想されます。

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あとがき
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エディ・ヴァン・ヘイレンさん、65歳で死去 伝説的ギタリスト(20年10月7日付BBC)

エディ・ヴァン・ヘイレンの訃報。まだ65歳の若さ。がんと闘病されていたのですね。

ヴァン・ヘイレンの音楽は、80年代から洋楽に親しむようになった私にとって、まさにリアルタイムで最初に接する王道のロックの代表格でした。アルバム『1984』はカセットテープで聴いたものです。

私が紹介するまでもなく、名曲は無数にありますが、マイケル・ジャクソン「Beat It」のギターソロなど、今見ても鳥肌ものですね。

がんとの闘病、年齢の近さから、ここでもまたぐっちーさんを思い出しました。二人ともまだ若いですが、完全燃焼の人生だったことと思います。私も、二人には遠く及びませんが、気持ちだけでも大いに見習いたいと思います。ご冥福をお祈りします。

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One comment on “今週の動き(10/11~17) トランプ復帰、米副大統領候補討論会、米経済対策、日米豪印、ノーベル平和賞
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    鉄仮面VSデナーリス

    ディベートは失点をどれだけ防ぐかも大切で、打ち負かすのだけが「是」ではないのですね。それに改めて、両者の触れられたくないポイントなども整理でき、良かったです。
    個人的には、ハリスの「あぁ、ハイハイハイ」みたいな、お母さんが子供に「ヤレヤレ」とするようなしぐさが気になっていたんですが、アレは米国女性的には概ねOKだったんですね。それにしても、ここでも女の敵は女となるところ、ハリスは巧く切り抜けたとは、やはりセンスが良いのでしょうか。
    なにはともあれ、大統領候補同士の対決の続きについて、明日も楽しみに待っています。

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