2019/04/10 05:00 | 東南アジア | コメント(4)
タイ現代史(1):「国王・民族・仏教」の虚実
■ タイ総選挙、親軍政政党が最多得票=選管(3月28日付ロイター)
先月、タイで14年5月の軍事クーデターから5年を経て、ようやく総選挙が行われました。選挙結果は、予想以上に軍政派政党が支持を伸ばすというサプライズがありましたが、以下の記事で述べた予想のとおり、クーデター後に暫定首相に就任した軍人出身のプラユットが続投し、基本的な統治体制は変わらない見通しです。
・「タイ総選挙」(3/25)
タイには日本企業が数多く進出し、そのプレゼンスは圧倒的です(対内直接投資の残高1位は日本)。日本企業にとってもアジアで最も重要な投資先の一つであり、特に自動車については、タイの自動車販売台数の9割を日系メーカーが占めています。自然、歴史遺産、食事、ショッピングなどの魅力により、観光先としても抜群の人気を誇り(昨年は年間160万人の日本人が渡航)、最近ではタイ人の日本観光もさかんになっています(昨年は年間110万人のタイ人が渡航)。
このように、タイは、ビジネスにおいても人的交流においても日本との関わりが深く、多くの日本人にとって身近な国ですが、一方、その政治は極めて複雑です。平和な民主主義のようで、クーデターが起きたり、不敬罪で逮捕されたり、何が起こっているのか分かりにくいと感じる方も多いと思います。
しかも近年、王室、軍、官僚・財閥といったエスタブリッシュメント、タクシン派、都市の中間層それぞれに様々な新しい動きがあり、国の構造に大きな変化が生じつつあります。タイの基本構造は「国王・民族・仏教」である、国王は権威主義と民主主義の「調停者」の役割を果たしているといった言説は、少なくともかつての意味のままでは通用しなくなっています。
こうしたタイの複雑さを理解し、現代における実像を考察する上で、まず現代史を振り返り、先に述べた「基本構造」の意味をおさえることは有益です。そこで本日は、タイの国の成り立ち、そして第二次大戦後の政治と経済の足取りを概観します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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タイ現代史(1):「国王・民族・仏教」の虚実
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●「緩衝国」の近代化
●立憲革命と第二次世界大戦
●サリットの反共・開発独裁と「タイ式民主主義」の始まり
●民主化運動の挫折
●プレームによる「タイ式民主主義」の確立
●政党政治の腐敗、スチンダーのクーデターと国王の調停
●政治改革と経済危機
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あとがき
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4 comments on “タイ現代史(1):「国王・民族・仏教」の虚実”
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タイの現代史って勉強したかな?と思うくらい、新鮮な内容で(学生時代は、スコータイ朝辺りで、眠くなっていた…苦笑)、エキサイティングなストーリーに引き込まれてあっという間に読了です。
昨年の記事で「タイの真のリスク」について触れられていましたが、その「原点」を見ることができ、より興味が湧いています。観るべき視点が多岐に渡り理解が難しい国なだけに、こういった深い考察はとても有意義です。
それにしても、こういう学び方は試験がない大人の特権ですねぇ。面白かったです。
各国の歴史をたどる記事や現地レポートなど、比較的多く地名が出てくる回の時は、地図を片手に読んでいます。いつもと一味違った楽しみ方が出来ますので(地図旅行+歴史学習)、個人的にはこの手の記事、たいへん重宝しております。(大体途中で地図探索に意識が持っていかれ(川の源流を辿るとか)メルマガを読むことを中断してしまうのですが、それもそれでまた楽しいです。)
先日もメルマガで触れられていた「調停者」、いまいちよく理解できていなかったのですが、今日のコラムを読んでよく理解できました。なるほど、その立ち位置なのですね。国王が欲しがりそうな気がします。
『王様と私』は見たことがないのですが、リメイク版(?)の『アンナと王様』はよく覚えています。テレビで深夜放送されていたのを何となく見始めて、展開が気になり(早く寝なければと焦りながらも)結局最後まで見てしまった作品です。ジョディ・フォスターも良かったのですが、チョウ・ユンファのおおらかで気品漂う雰囲気が個人的にはとても印象に残っています。
今日の記事と併せて「タイ政治(1)(2)」を総集編2から引っ張り出して再読してみました。理解がさらに深まり大変良かったです。「人民の憲法」の制定・・続きはどうなるのでしょう。次回を楽しみにしております。
北のほうは私には合いませんでした
南はとても美味しく感じました(笑)
南のほうが日本人の味覚にあっていると思いました
以上、感想です
タイ人の出自は
案外重要だと思うのですが
誰もあまり着目しませんね
さすがだな、とは思いました
正直、日本にとっては重要だと思いますが
投資としては
喰いつくした感があり
なんともなぁーとは思っています
かといって
発展の余地がないという訳ではないのですけど(笑)
そうでした、私もよく覚えています。言及するのを忘れていました。ありがとうございます。この頃はチョウ・ユンファとジョディ・フォスターの映画をやたらに見ましたね。懐かしいです。