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今回は14日公表の日銀短観、18日公表の金融政策決定会合を紹介します。 まずは日銀短観から。意外に改善しました。代表的な指標である業況判断(ゼロが中間、プラスが大きいほど良く、マイナスが大きいほど悪い)は以下の通りです。 ・最も注目される大企業製造業:-27(前回)-10(今回)-8(先行き見通し) ・全産業全規模合計:-28(前回)-15(今回)-18(先行き見通し) ・前回製造業で最悪だった自動車(大企業):-61(前回)-13(今回)-6(先行き見通し) ・前回非製造業で最悪だった宿泊・飲食サービス(大企業):-87(前回)-66(今回)-62(先行き見通し) 輸出が改善した自動車…
[ 2020/12/21 06:30 ] コメント(0)
最近は短文続きですが、今回も短く8日に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を紹介します。コロナ禍が深刻化し始めた春頃は経済対策が話題を呼びましたが、今回は静かな受け止めだった印象です。自粛疲れならぬ対策疲れでしょうか。「国民の命と暮らしを守る」との言葉自体は真っ当ですが、菅総理の手垢がついてしまった気もします。 今回の対策は総事業規模73.6兆円、うち財政支出分40.0兆円(うち財政投融資を除く国・地方の歳出32.3兆円)、実質GDPの押上げ効果(試算)3.6%と結構大きなものです。ただ、下記のように今年度予算の予備費も含むなど、見掛け倒しとの声もあります。…
[ 2020/12/14 06:30 ] コメント(0)
今回はとても短く、最近出版された2冊の本を紹介します。 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル 村山治著 文芸春秋 ドキュメント日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀 西野智彦著 岩波書店 本のセールスを支援する積もりもありませんし、ネタバレもしたくありません。そのうえで、テーマも筆致も取材アプローチも異なるこの2冊には共通の大切なテーマがあると思いました。 検察庁と日銀、全く異質な組織に見えます。その業務は交わりません。更に言えば西野氏の本にも出てきますが、1998年に日銀は検察庁の捜査を受け職員が起訴され、敵対しました。 しかし、ひとつ共通点があります。検察庁も日銀も「独立性」がキーワ…
[ 2020/12/07 06:30 ] コメント(0)
今回は25日に公表された内閣府月例経済報告を紹介した後、最近の政治の動きについて簡単な感想を記します。 まずは月例経済報告。 (現状) ・全体:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる ・個人消費:持ち直している ・設備投資:このところ減少している ・住宅建設(投資):弱含んでいる ・公共投資:堅調に推移している ・輸出:持ち直している ・輸入:このところ弱含んでいる (先行き) ・全体:感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待…
[ 2020/11/30 06:30 ] コメント(0)
今回は16日に公表された7~9月期GDPと、最近新規感染者が急増している新型コロナウイルス感染症について書こうと思います。 まずはGDP。報道されたように、7~9月期のGDPは急回復しましたが力強さに欠けました。主な内容は以下の通りです。 ・季節調整済前期比は+5.0%、年率換算で+21.4%となりました。しかし、4~6月期に-8.2%も落ち込んだ後なので、その落ち込みを取り戻すには力不足でした。 ・寄与度で見ると、国内需要+2.1%、純輸出+2.9%とそれぞれ相応に伸びました。しかし、その内訳をみると、国内需要の中で個人消費は前期比+4.7%(寄与度+2.6%)とそれなりに頑張りました…
[ 2020/11/23 06:30 ] コメント(0)
今回も短く、日銀と金融庁の地域金融機関支援策を紹介します。 日銀は、10日に「地域金融強化のための特別当座預金制度の導入について」を公表しました。また、まだ公式な公表はありませんが、金融庁も似た制度を検討しており次期通常国会に法案が提出されるとの報道が12日にありました。 公表された日銀の制度は、地域金融機関の経営基盤強化に向けた取り組みを後押しするため、3年間の時限措置として、日銀に預ける当座預金に+0.1%の金利を付すというもので、対象は「地域経済の持続的な発展に貢献する方針であること」and「一定の経営基盤の強化を実現することor経営統合等により経営基盤の強化を図ること」を満たす地域…
[ 2020/11/16 06:30 ] コメント(0)
今回は短く選挙について。内容面は全てJDさんにお任せですが、事前予想に比べ共和党が踏ん張った印象を受けます。結果はバイデン大統領、下院は素より上院も民主党多数かもしれませんが、そうだとしても民主党にとり「辛勝」と思います。 大統領選挙に限ると、事前の世論調査ではバイデンの支持率ががトランプを8%程度上回っていたと思います。実際の得票率の差は3%程度です。この違いはなぜ起きたか?私は選挙のプロでも米国政治のプロでもないので誤解も多々あると思いますが、考えてみました。 以下、計算し易くするため、議論を単純化します。 ・トランプ+バイデン=100%と仮定します。 ・世論調査の支持率と得票率が同…
[ 2020/11/09 06:30 ] コメント(2)
今回は日銀金融政策決定会合(10月29日)と内閣府月例経済報告(10月23日)を紹介します。 日銀の金融政策決定会合は定例で年8回開催され、うち4回(1月、4月、7月、10月)は経済・物価情勢の展望(通称「展望レポート」)も公表されます。 (現状) ・全体:内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が再開するもとで、持ち直している ・個人消費:飲食・宿泊等のサービス消費は依然として低水準となっているが、全体として徐々に持ち直している ・設備投資:減少傾向にある ・住宅投資:緩やかに減少している ・公共投資:緩やかな増加を続けている ・輸出:…
[ 2020/11/02 06:30 ] コメント(0)
今回は22日に公表された日銀の金融システムレポートを取り上げます。内閣府月例経済報告も23日に公表されましたが、日銀金融政策決定会合・展望レポートと合わせ次回紹介します。 この金融システムレポート、旧ひとり言の頃から毎回紹介してきました。当時は金融庁が金融行政方針を公表していなかったので、日本の当局が公表する唯一の金融システムに関するレポートの位置付けでした。金融行政方針公表後も、金融庁対比の分析能力の高さが示される内容です。なお、毎年4月、10月と2回公表されます。 今回は何といってもコロナ禍の影響に注目が集まりました。日銀に先立ち、英米欧やIMFもコロナ禍の影響を探るレポートやストレス…
[ 2020/10/26 06:30 ] コメント(0)
今回は13日に公表されたIMF(国際通貨基金)世界経済見通しを取り上げます。IMFの旗艦レポートのひとつで、毎年4月と10月に大々的に公表され、その間に簡単にアップデートされます。つまり年4回IMFの経済見通しが公表される訳です。前回は6月でした。今回、技術的な変更がありました。世界各国の経済を足し上げる際、為替換算が必要となります(例えば日本のGDPをドル建てに換算など)。その際に用いられるレート(購買力平価)が最新のものに置き換えられ、その結果、4月や6月に公表された計数が遡って改訂されました。以下では、新たな計数に基づき記載します。 今回の特徴は以下の通りです。 1.6月に比べ今年の…
[ 2020/10/19 06:30 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
ぐっちーさんの 金持ちまっしぐら
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