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8月になりました。前回書いたように、今月は元来の月2回ペースに戻り少しゆっくりする積もりです。ただ、過去を振り返ると8月に事件が起きることも多く、その場合は執筆を増やします。 今回は気候変動問題の最終回。「食」の問題を取り上げます。気候変動問題にはいくつかの難しさがあります。ひとつは、トランプ大統領も言うように「根拠があるのか」、あるいは根拠があったとしても「火山の大噴火ひとつで事態は変わるのでは」といった、その実現可能性への疑問です。復習的に言えば、気候変動派の主張は「このまま温室効果ガスが増え続けると地球の温度が上昇し、産業革命前対比+2度を超える。そうなるととてもまずいことが起きる」と…
[ 2020/08/03 06:30 ] コメント(4)
4連休も終わりました。本来オリンピックが始まり日本中が沸き返っていただろうことを考えると、隔世の感があります。今回は恒例の内閣府月例経済報告(7月22日公表)の紹介です。その後、新型コロナウイルス感染症に関し少し書き足します。 さて月例経済報告、6月分の紹介を失念していました(恥)。以下6月分、7月分を並べます。 (現状) ・全体:「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況にあるが、下げ止まりつつある」(6月)「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」(7月) ・個人消費:「緊急事態宣言の解除に伴…
[ 2020/07/27 06:30 ] コメント(2)
今回は恒例の日銀金融政策決定会合(7月15日公表)の紹介です。最後にGo Toキャンペーンについて一言。 日銀は例年は7月末開催ですが、オリンピック・パラリンピック開催が予定されていたため、日程が通常より2週間早く設定されました。この間の大きな環境変化を改めて感じます。内容面では、政策変更はありません。他方、1月、4月、7月、10月には「経済・物価情勢の展望」(通称展望レポート)が公表され、日銀政策委員会メンバーの先行き見通しが具体的数字で示されます。 (現状) 全体:経済活動は徐々に再開しているが、内外で新型コロナウイルス感染症の影響が引き続きみられるもとで、きわめて厳しい状態にある 個…
[ 2020/07/20 06:30 ] コメント(3)
この週末外せない所用があり、執筆の余裕がありません。20日に戻ります。 悪天候と感染者数増加の二重苦状態ですが、皆さまの無事を祈ります。 それでは!…
[ 2020/07/11 12:00 ] コメント(0)
今回は1日に公表された日銀短観と気候変動問題の5回目です。 短観は各メディアで報道されたように、最も注目される製造業大企業の業況判断が前回の-8から-34へと26ポイントの大幅悪化となりました。因みに全体(全産業全規模合計)では、前回の-4から-31へと27ポイントの悪化です。また、今回最も影響を受けたとみられる宿泊・飲食サービスの業況判断は-91(大企業)、日産の苦境が話題になる自動車は-72と、とんでもなく悪い数字です。業況判断は全社が「悪い」と回答すると-100、「良い」「悪い」が拮抗すると0、全社が「良い」と回答すると100になるので、如何に悪いか実感できると思います。 今回はこれ…
[ 2020/07/06 06:30 ] コメント(3)
Saltさんと被る恐れがありますが、IMFが先週公表した2つの報告書を取り上げます。なお、気候変動問題は次回以降あと2回ほど書く予定です。 IMF(国際通貨基金)の2つの旗艦報告書である世界経済見通し(World Economic Outlook:以下WEO)と国際金融安定性報告書(Global Financial Stability Report:以下GFSR)の最新版が先週公表されました。話題になった4月版のアップデートの位置付けです。 経済見通し(実質経済成長率見通し)は4月見通し対比下方修正されました。このブログは表を載せ辛くアナログな描写になりますが、2020年について、「4月見…
[ 2020/06/29 06:30 ] コメント(1)
今回は、15、16日に開催された日銀金融政策会合と気候変動問題(4回目)を取り上げます。 日銀は最近臨時会合が増え、定例会合の有り難味が失せた気もします。そのうえで、例によって景気判断と政策について簡単に紹介します。 (現状) 全体:内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、きわめて厳しい状態にある 個人消費:飲食・宿泊等のサービスを中心に大幅に減少している 設備投資:増勢の鈍化が明確となっている 住宅投資:緩やかに減少している 公共投資:緩やかに増加している 輸出:大幅に減少している (当面の見通し) 経済活動が徐々に再開していくとみられるが、当面、内外における新型コロナウイル…
[ 2020/06/22 06:30 ] コメント(1)
今回もまた短めに。気候変動問題の続きと先週の出来事への感想を記します。 気候変動問題について「なぜ関心が高まってきたか」「類義語との関係」を書いてきました。今回は金融(投融資)に焦点を当て、各国当局が金融機関や投資家にどのような働きかけを行っているか説明します。ざっくりと言えば、気候変動問題の対応に役立つ投融資を増やし、石炭火力発電に代表される気候に悪い活動への投融資を減らすよう、金融機関への働きかけが強まっています。 (1)プレッシャーをかける ・銀行、保険会社や機関投資家に「気候変動問題に役立つことをしよう!」と圧力をかけるやり方です。自由主義経済の下、露骨な強制は出来ません。そのうえ…
[ 2020/06/15 06:30 ] コメント(6)
諸般の事情で今回も短く。次回は元に戻れればと思います。 Saltさんが詳しく解説してくれると思いますが、先週最大の事件は米国雇用統計のポジティブ・サプライズでした。株価も急伸しました。IMF世界経済見通しが悲観的過ぎたかと思えてきますが、ここで少し頭を整理してみたいと思いました。 株価は、個別企業業績の集積です。今回の危機の下でも勝ち組はあります。指標の動きも企業の組み入れ方次第で異なります。結局のところ、ぐっちー、そしてSaltさんが言う通り、丁寧に各種データを追って考えるしかありません。 他方、マクロ経済は、様々な企業・家計の動き、海外の動き、政策対応が影響します。国・地域により展開…
[ 2020/06/08 06:30 ] コメント(2)
Vol.56で書いた事情で、今回は短く内閣府月例経済報告(28日公表)の紹介にとどめます。 その前にひとつお詫びと訂正。前回「気候変動=二酸化炭素」と書きましたが、不正確でした。地球温暖化に影響を持つガスは「温室効果ガス」(Green House Gas)と呼ばれ、その多く(気象庁によると約3/4)は二酸化炭素です。ただ、メタン、一酸化ニ窒素、フロンも温室効果ガスに含まれ、二酸化炭素を含めこれら全体の抑制・減少に努めています。失礼しました。 さて、月例経済報告は以下の通りです。 (現状) ・全体:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急激な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある…
[ 2020/06/01 06:30 ] コメント(2)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
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