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BREXITの嵐がやまないので簡単にコメントします。 マーケットに対する影響は、少なくともアジアについてはおおむね落ち着いているようです。このへんは今までの記事で書いているとおりですし、ぐっちーさんも詳しく書かれているのでお任せしましょう。まあ、「リーマン級」という表現は明らかにミスリーディングですよね。 問題は混迷を極める英国の政局。 「regret」(後悔)とかけた「REGREXIT」という言葉が飛び交っていますが、離脱派の最大の実力者であり、次期首相の最有力候補といわれるボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、離脱の結果を予測しておらず、衝撃を受けているとの噂。ナイジェル・ファラージU…
[ 2016/06/29 00:00 ] コメント(8)
土曜に無事、インドから帰国しました。2週間の滞在中、ラジャンRBI総裁の退任表明、ニケシュ・アローラの辞任、BREXIT、NSG会合(インドの加盟は認められず)とインドを揺るがすビッグ・イベントが相次ぎ、大変刺激的な出張になりました。 先週の動きです。 6/23(木) ・英国のEU離脱(BREXIT)の是非を問う国民投票 6/26(日) ・ASEAN地域フォーラム(ビエンチャン) ・スペイン再選挙 ●BREXIT 日本との関係では、前の記事で解説したとおり、為替への影響がどこまで続くかという問題はありますが、本来的には実体経済に大きな影響を及ぼすものではありません。 ただ欧州に与え…
[ 2016/06/27 00:00 ] コメント(5)
デリー、それからムンバイにいます。ムンバイは旧称ボンベイ。カルカッタ(現コルカタ)、マドラス(現チェンナイ)と並び、英国の東インド会社の拠点として古くから栄えたところです。 現在はインド経済を支える最大の商業都市であり、経済規模は世界的に見てもトップクラスの水準にあります。特に金融センターとしての地位が高く、インド準備銀行(RBI)をはじめとする有力な国有銀行、金融機関が集まっています。 一方で、映画『スラムドッグ・ミリオネア』(舞台がムンバイ)でも描かれていましたが、スラムの巨大さも世界的規模で、近代的な都市の景観とスラムが同居する、ある意味現代インドの混沌を象徴するところです。 最近…
[ 2016/06/24 09:56 ] コメント(3)
インド出張中ということで、インドに関する本のご紹介です。 パードゥンさんから、女性蔑視などインドの社会文化についてのコメントがありましたが、ご指摘の点を含め、インドの価値観には我々の常識からは理解しがたい部分があります。 こちらは小説ですが、そうしたインドの現実を生々しく描いていた作品です。 ■ 篠田節子 『インドクリスタル』…
[ 2016/06/22 02:41 ] コメント(5)
インドで慌しくしているので、あまり細かくフォローできていないのですが、先週の動きです。 6/12(日) ・フロリダ州オーランドで銃乱射事件 →「イスラム国」が犯行声明 6/14(火) ・米大統領予備選挙・ワシントン予備選 ・FOMC(~15日) 6/16(水) ・英国の残留派国会議員が殺害される(バーストール) 6/17(木) ・オバマ大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が会談(ワシントンDC) ・イラクのアバディ首相がイラク軍が「イスラム国」からファルージャを奪還したと発表 6/18(金) ・インドのラジャン中銀総裁が9月での退任を表明 ●フロリダでの銃乱射事件 …
[ 2016/06/20 02:30 ] コメント(3)
英国のEU離脱(BREXIT)の是非を問う国民投票が、来週6月23日にいよいよ行われます。 まさか離脱はないだろうと思われていましたが、小政党UKIPの党首ナイジェル・ファラージのみならず、前ロンドン市長のボリス・ジョンソン、マイケル・ゴブ司法相といった大物までが離脱を主張するようになり、真実味を帯びてきました。 そして、世論調査の中には、離脱派が残留派を上回るという結果も出てきました。 常識で考えればあり得ないはず・・だが、ゼロではない・・何やらトランプを彷彿させる状況になっています。 気になるのは離脱した場合の影響ですが、これは、離脱した後に英国がどのようなアプローチをとるかによっ…
[ 2016/06/17 02:25 ] コメント(8)
火曜の深夜にチェンナイに到着し、昨日から色々なところを回っています。 やはり暑いです。朝は思ったより涼しいなと思っていたら、昼から気温が上がり、夜はとても蒸し暑い。 インド南部は、世界的に見ても駐在員にとってはかなりハードシップが高いと言いますが、この暑さを感じるとある程度理解できます。また、水不足、停電、衛生、病気も長期滞在者には厳しいところです。 とはいえ、私が来た20年前と比べると、インフラが整備されており、大通りは結構クリーン。昔ながらのインドのカオスな状況はだいぶ薄まっています。 まだまだのレベルではありますが、この数年の間に劇的に環境が改善しているのは間違いなく、これはロー…
[ 2016/06/16 11:40 ] コメント(1)
インドに行きます。最初に行くのはチェンナイ。そのあとデリーとムンバイ。3都市を回ります。 インドに行くのは97年にバックパッカー旅行をしたとき以来です。このときは沢木耕太郎『深夜特急』あるいは猿岩石のように、半年かけてユーラシア大陸を横断するという、ネットもメールも普及していなかった当時としてはなかなかのアドベンチャーをしていました。…
[ 2016/06/14 00:27 ] コメント(5)
先週の動きです。 6/6(月) ・米中戦略・経済対話(北京、~7日) 6/7(火) ・米大統領予備選挙 カリフォルニア、モンタナ、ニュージャージー、ニューメキシコ、サウスダコタ →ヒラリー・クリントンがカリフォルニア、ニュージャージー、ニューメキシコ、サウスダコタで勝利 ・米印首脳会談(ワシントンDC) ・イスタンブールで爆発 →クルド人武装組織が犯行声明 6/8(水) ・中国海軍の艦船が尖閣諸島周辺の接続水域を初めて航行 6/10(金) ・日米印の海上合同軍事演習「マラバール」(~17日) 6/11(土) ・ペルー大統領選でケイコ・フジモリが敗北宣言、クチンスキーが新大統領に選…
[ 2016/06/13 00:00 ] コメント(2)
「東南アジアの新政権①」の続きです。 前回は、ベトナム、ミャンマー、フィリピンで新政権が発足し、権威主義体制の国で強力なリーダーが退場し、民主主義体制の国で強力なリーダーが登場するというパラドクスめいた結果を説明しました。 中国もそうですが、権威主義体制の国で必ずしも数人のリーダーに権力が集中するわけではありません。むしろ、ある程度の規模の権力者(一党独裁の党の指導部)が権力を共有し、体制の維持という共通の目標に向かってお互いを縛り合う方が、長期的な体制の安定のためには好都合なので、権力を分散させることも一つの合理的な帰結といえます。 逆に民主主義体制の国では、米国、欧州でもそうですが、…
[ 2016/06/10 02:43 ] コメント(6)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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