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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2019/12/16 00:00  | 今週の動き |  コメント(4)

今週の動き(12/15~21)

ツイッターを始めて2か月になりました。読むだけと書いてみるのとはだいぶ違いますね。インプットもアウトプットも大いに勉強になっています。

フォロワー数もずいぶん増えました。ありがたいことです。年内に1000に届けばうれしいですね。それでも本メルマガの購読者数よりもはるかに少ないのですが・・メルマガ購読者の方々はあまりツイッターをされていないのでしょうか。

この機会にぜひツイッターもご覧になって、私のツイートもフォローいただければと思います。メルマガには書ききれない日々の細かい動きや、書くのがはばかられるような私の趣味、妄想の類も書いていますので(笑)、「世界情勢ブリーフィング」をさらに面白く読むことができると思います。

沢山ツイートして大変では?とのコメントもいただきましたが(今のところ通算950ツイート、1日平均14ツイートです)、自然体でやっているので、まったく負担ではありません。これからもマイペースで続けたいと思います。

ところで、ツイッターではあちこちで論争を見かけますね。マウンティング合戦になったり、かみ合わないやりとりも多いようですが、それも含めて面白く、ためになります。

多少ラフでも、ガシガシやり合うこと自体ツイッターならではの価値があると思います。プロレスでも大いに結構かと。私も先週、中田敦彦氏の「YouTube大学」についてコメントし、初めて「バズる」という体験をしました。そのうち「炎上」も体験してみたいものです(笑)。

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先週の動き
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12/8(日)
・トランプ大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が電話会談
・香港で政府に対する大規模な抗議デモ
・北朝鮮が「重大な実験を実施した」と朝鮮中央通信が報道(トランプ大統領は「敵意を示せばすべてを失う」とツイート)
・イランのロウハニ大統領が20年3月からの予算案(「制裁への抵抗のための予算」)を国会に提出
・ポール・ボルカー元FRB議長が死去

12/9(月)
・米司法省のホロウィッツ監察官による16年大統領選のロシア疑惑の捜査過程の検証に関する報告書が公表
・米下院司法委員会がウクライナ疑惑による弾劾調査の公聴会を開催
・国防総省の監察官によるアフガンでの軍事作戦の調査に関する内部文書をワシントン・ポストが報道
・ウクライナ東部紛争に関するウクライナ・ロシア・独仏の4か国首脳会議(パリ)
・スウェーデンの検察当局がリンドステット前中国大使を恣意的に外国と交渉した容疑で起訴
・ノーベル賞授賞式(ストックホルム、オスロ)

12/10(火)
・トランプ大統領とロシアのラブロフ外相が会談(ワシントンDC)
・米・メキシコ・カナダがUSMCAの修正文書に署名(メキシコシティ)
・米財務省と国務省が人権侵害への関与を理由にミャンマー、サウジ、パキスタン、リビア、南スーダン、コンゴ民主共和国、スロバキアの20人に制裁を科したと発表
・米下院の司法委員会がトランプ大統領の弾劾決議案を公表
・テキサス州の連邦地裁が国防総省の予算を転用してメキシコとの国境の壁建設の費用に充てることを認めないとする判決
・FOMC(~11日)
・湾岸協力会議(GCC)首脳会議(カタールからアブドッラー首相が出席)(リヤド)
・アルゼンチンのフェルナンデス大統領が就任
・フィンランドの議会がサンナ・マリン運輸・通信相を首相に選出
・ミャンマーのアウンサン・スーチー国家顧問が「ロヒンギャ」問題の審理について国際司法裁判所(ICJ)に出廷(ハーグ、~12日)
・WTO上級委員2人の任期満了(上級委員会が事実上機能停止)

12/11(水)
・トランプ大統領がユダヤ教を「国籍」と解釈し反ユダヤ主義的活動を放置している大学への連邦予算配分を禁じる大統領令に署名
・米下院が20会計年度の国防授権法(NDAA)案を可決
・FOMC最終日(4会合ぶりに金利据え置き)
・イスラエル国会が解散(20年3月2日に総選挙予定)
・サウジアラムコが国内証券取引所タダウルに新規株式公開(IPO)
・欧州委員会が気候変動対策「欧州グリーンディール」を発表
・スイス総選挙
・インド議会が近隣3か国(パキスタン、バングラ、アフガン)からインドに不法入国した移民のうち非イスラム教徒に優先的に市民権を付与する法案を可決(インド各地で抗議デモが発生)
・パプアニューギニア東部のブーゲンビル自治州の独立の是非を問う住民投票の結果発表(98%が独立支持)

12/12(木)
・トランプ大統領が中国との通商協議について「大きな合意に非常に近づいている」とツイート
・米国防総省が地上配備型の中距離弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表
・米上院がサリバン国務副長官の駐ロシア大使就任を承認
・米国防総省がランディ・シュライバー次官補(アジア太平洋担当)が近く辞任すると発表
・米共和党・民主党指導部が20会計年度(19年10月~20年9月)の連邦予算案で暫定合意
・米上院がアルメニア人大虐殺決議案を可決
・英国総選挙(保守党が単独過半数を獲得して大勝)
・EU首脳会議(ブリュッセル、〜13日)
・ECB定例理事会(ラガルド総裁の初の理事会)(フランクフルト)
・インドで近隣3か国(パキスタン、バングラ、アフガン)からインドに不法入国した移民のうち非イスラム教徒に優先的に市民権を付与する法律が成立
・タイ国王の戴冠を祝う水上パレード
・メキシコに亡命していたボリビアのモラレス前大統領がアルゼンチンに政治亡命すると表明
・アルジェリア大統領選挙(アブデルマジド・テブン元首相が勝利)

12/13(金)
・米中両国が通商協議の「第1段階の合意」に達したと発表(12月15日に予定していた追加関税第4弾の第2陣は見送り、第1陣は税率引き下げ(15→7.5%))
・米国のハリルザド・アフガニスタン和平担当特別代表がカタールでのタリバンとの協議を「一時休止」するとツイート
・米下院の司法委員会がトランプ大統領の弾劾決議案を可決
・台湾総統選告示
・トルコのダウトオール元首相が新党「未来党」の設立を発表

12/14(土)
・香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が北京を訪問
・ドーハ・フォーラム(ドーハ、〜15日)

●米中の「第1段階の合意」

米中両政府が通商協議の「第1段階の合意」に達したと発表しました。

米国は12月15日に予定していた追加関税第4弾の第2陣(スマートフォン、ノートPC等、1600億ドル)は見送り、第1陣(1200億ドル)は税率引き下げ(15→7.5%)。第1~第3弾(2500億ドル分)にかけている25%の税率は維持。

ライトハイザーUSTR代表の記者会見によれば、中国は米国産農産品の輸入を今後2年間で320億ドル増やし、年間400~500億ドルとすることに合意したとのこと。品目は市場への影響を考慮し公開しません。ただし中国側は具体的な金額について何も述べておらず、詳細は後日発表するとしています。

また、知的財産権侵害、強制技術移転、金融サービス、為替、物品とサービスの輸入拡大についても合意したとのこと。ただし具体的内容は明らかになっていません。

今後のスケジュールについては、20年1月の1週目に第1段階の合意の署名式を行い、その30日後(2月の1週目)から関税の引き下げが適用される予定です。署名はワシントンDCで閣僚級によって行われるとのことです。

おおむね先週の記事で述べたとおりの展開でした。なお、8月の第4弾の第1陣・第2陣の切り分けのときから、私は第2陣の見送りの可能性を指摘していました。

「ウイグル人権法案の下院可決」(12/10)
「対中追加関税第4弾発動の一部延期」(8/19)

香港人権法の成立とウイグル人権法案の下院可決によって米中協議は決裂する、追加関税も発動は避けられない・・という「識者」が沢山いたように思います。

もちろん「結果」の予測に限界があるのは当然で、未来は誰にも分からないのですから、その予測が「当たった」「外れた」と言って騒ぐことには何の意味もありません。しかし、その「推論過程」の安直さや底の浅さは見ておくべきと思います。

基本的なポイントは上記記事で述べたとおりなので、とりあえず確認いただければと思いますが、今後の展望について、明日あらためて解説します。

●USMCAの修正

USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)については、3か国が批准に向けたプロセスに取り組んでいましたが、米国では民主党からの修正要求があり、議会承認が遅れていました。

「NAFTA改定・新協定「USMCA」と米国の対中政策」(18/10/10)

しかし、先週、トランプ政権と民主党指導部が修正版で合意。その直後にライトハイザーUSTR代表がメキシコに飛び、同日のうちに3か国が修正版に署名しました。

来週、下院が修正版を可決することは間違いありません。次は上院ですが、ミッチ・マコーネル上院院内総務が弾劾裁判後に審議を行う方針を示しました。

弾劾裁判は次項「トランプ弾劾決議案」で述べるとおり来年1月の見通しなので、急いで決着させて、1月下旬から2月に可決する考えでしょう。その直後に大統領が署名して成立という見通しです。

●トランプ弾劾決議案

米下院の司法委員会がトランプ大統領の弾劾決議案を可決しました。弾劾利の理由は「権力乱用」と「議会への妨害」としています。

弾劾の手続きの見通しについては以下の記事で述べましたが、補足します(※メルマガに限定)。

「下院のトランプ弾劾訴追手続きの本格化(ペローシとバイデンの怒り)」(12/9)

●トランプの反ユダヤ主義に対抗する大統領令

トランプ大統領がユダヤ教を「国籍」と解釈し、反ユダヤ主義的活動を取り締まらない大学への連邦予算配分を禁じる大統領令に署名しました。大学ではイスラエルへの批判運動が多くみられるので、その取り締まりを行わせるのがトランプの狙いです。

米連邦公民権法には補助金を受け取る教育機関に対して国籍に基づく差別を禁じる条項がありますが、この条項は宗教には言及していないため、反ユダヤ主義を理由に罰則を科すためにはユダヤ教を国籍として解釈する必要があったということです。

しかし、これは非常に奇妙なロジックです。反イスラエルは反ユダヤ主義ではなく、イスラエルの「ユダヤ人」と米国の「ユダヤ人」が常に一致するわけでもありません。以下の記事を参照下さい。

「イスラエル現代史(1):ユダヤ人の歴史(古代・中世)」(5/29)
 
在米ユダヤ人の中にはイスラエルの政策に反発し、公然と批判する人々も増えています。この点は以下の記事で言及しましたが、続きの記事でより詳しく説明します。

「イスラエル現代史(14):米国とイスラエル(1)」(11/15)

●英国総選挙での保守党の大勝

ボリス・ジョンソン首相率いる保守党が単独過半数(365議席)を獲得して大勝しました。これまでの記事で予想したとおりの結果でした。

「英国総選挙」(12/9)

労働党は59議席を失う大敗(203議席)。自由民主党スウィンソン党首がまさかの落選。その議席を奪ったのはスコットランド国民党(SNP)で、13議席増やすという躍進を遂げました(48議席で第3党)。

総選挙後の展望については以下の記事で解説しましたが、最新の状況をふまえてあらためて考察を述べます(※メルマガに限定)。

●イスラエルの3度目の総選挙の決定

イスラエル国会は首相候補者の擁立を断念し解散しました。20年3月2日にこの1年間で3度目となる総選挙を実施する見通しです。

以下の記事で述べたとおり、ネタニヤフ首相の起訴が連立交渉の膠着を打破することが期待されましたが、今回も失敗に終わりました。

「ネタニヤフの起訴」(11/25)

ネタニヤフは暫定首相を続けるので、起訴されても国会によって免責される見込みです。次の選挙も同じようにハング・パーラメントになる可能性が高く、イスラエル政治の混迷は続きます。

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今週の動き
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12/15(日)
・米中の追加関税(制裁第4弾の第2陣)の発動中止
・米国のビーガン北朝鮮担当特別代表が日本と韓国を訪問(~19日)
・安倍首相の訪印中止

12/16(月)
・習近平国家主席が香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と会談(北京)
・日韓局長級政策対話(東京)

12/18(水)
・マレーシア主催のイスラム・サミット(クアラルンプール、~21日)
・日中防衛相会談(北京)

12/19(木)
・米民主党の大統領候補者の第6回テレビ討論会(ロサンゼルス)

12/20(金)
・マカオ返還20周年式典(習近平国家主席が出席)(マカオ)

(今週のどこか)
・米下院がトランプ大統領の弾劾決議案を可決
・米下院がUSMCAの修正版を可決

●民主党の大統領候補者の第6回TV討論会

今回から参加条件がさらに厳しくなり、(1)4つの世論調査で4%以上の支持(または序盤州のアイオワ、ニューハンプシャー、ネバダ、サウスカロライナでの世論調査のうち2つで6%以上の支持率)を得る、かつ(2)20万人以上(かつ20州でそれぞれ800人以上)から献金を得ることになりました。

この基準を満たしたのは以下の7人です。数字は支持率(Real Clear Politicsが算定した全米平均支持率)です。

・バイデン前副大統領 28.4%
・サンダース上院議員 18.2%
・ウォーレン上院議員 15.8%
・ブティジェッジ・サウスベンド市長 9.2%
・ヤン(実業家) 3.2%
・クロブシャー上院議員 2.6%
・ステイヤー(富豪・アクティビスト) 1.6%

なお、有力候補だったカマラ・ハリスは12月3日に撤退しています(以下の記事参照)。

「今週の動き(12/8~14)」(12/9)

ハリスは先月に選挙チームのガタガタぶりを露呈し(こちらのツイート参照)、もはや選挙活動は機能していないと言われていました。大票田のカリフォルニアに地盤がある強みを生かし、副大統領候補を狙うとみられています。

今回のポイントを解説します(※メルマガに限定)。

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あとがき
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4 comments on “今週の動き(12/15~21)
  1. 新参者 より:
    突然ビックリ!

    毎回楽しく読んでおります。
    冒頭のTwitterですが、先ほどマーケット界隈のネタでフォローしている某氏のTwitterを見ておりましたら、突然JDさんが登場してビックリしました(笑)→https://twitter.com/JDWorldBriefing/status/1206223853803864064

    これは、絵的に映えるので一例をご紹介ですが、他にも、メルマガで書かれているようなエッセンスと、JDさんの好奇心と遊び心が程よくマッチして、とても面白い投稿で引き込まれました。
    日頃メルマガで拝見している、知見の広さと深さに加え、某氏との当意即妙なやり取りも見られ、楽しいものでした。
    これからも、色々な姿を拝見できればと思います。応援しております。

  2. KB より:
    目から鱗×3

    色々と知らないことが多すぎて、驚きました。
    「ペローシの助言」「公民権法とトランプの解釈」「暫定首相の取り扱い」
    すごく重要なポイントと解説をありがとうございました。
    それにしても、JDさんのツイッターは奥が深いですね。時々理解が追い付かずに、過去記事に戻って理解を深めたりすることはありますが、エンタメ性や妄想(…?笑)もあったりで、1ツイートで5粒位美味しいので楽しんでます!

  3. china より:
    結果だけでなく、推論過程

    米中の「第1段階の合意」、第4弾第2陣・見送りの可能性のご指摘はよく覚えています。ずいぶん先の事なのに大胆な推測をなさるなと思いましたが、これも単なる当てずっぽうではなく、切り離しの経緯から見て取れる政権の思惑をきちんと読んでおられたからですよね。事実を積み上げた結果導き出された推論が、当然の結論に帰結したというところでしょうか。JDさんのメルマガではお見立てがその通りになることが多いですが、その結果だけに注目するのではなく、その推論過程をじっくり読んで学ぶことも、とても大切な事なのだなと改めて感じています。

    トランプの弾劾裁判については、リンゼー・グラムもCNNのインタビューで早急に終わらせる旨の発言をしていましたね。また同フォーラムのオープニングでは1月半ばまでに終わるであろうとの予測を示していたので、そのあたりが既定路線になっているのかなと思いました。

    トランプの反ユダヤ主義に対抗する大統領令は、狙いとロジックが噛み合っていないようですが、彼の真意はどこにあるのでしょう。すべてに効能がなくとも、どこかピンポイントで影響力を行使したい所があったのでしょうか・・。クシュナー肝いりの案件という所も気になりますし、やはりここは正統派の支持を狙ったのかしら?と思ったりしています。

    英国ボリスも総選挙で大勝しましたが、まだまだストーリーは続くようですね。一難去ってまた一難。BREXITと言えば、溜池通信(不規則発言12/15)で吉崎さんがBREXIT後の英国とアジアの接近について言及していらっしゃいました。BREXITが日本外交にもプラスになるかもしれないというお話でしたが、色んな所でこういった「余波」的な事が起こるのでしょうね。引き続き目が離せません。

    昨日の広瀬さんとのツイートは、テーマがJDさんにドンピシャでしたね。おすすめの旅先(正確には「カップルで行く海外旅行!」でしたが・笑)。フォロワー10万人の方からの引用リツーイト連発で、かなりフォロワーさんが増加したのではないでしょうか。ラパスのアシカ、可愛かったです。

  4. より:
    トランプ弾劾で騒ぐジャーナリストがなくなった

    騒ぐことで、本が売れたり、マスコミによばれたり、それが目的かと思うひと達を駆逐する効果があり、テレビ、ラジオのみの人達と日本人のあいだで考え方、行動に解離が生まれ、これが来年以降どういう影響がでて、なにがうまれるか、ウォッチしていきたいと思います。今年もJDさんありがとう。来年もよろしくお願いします。

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