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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2019/11/25 00:00  | 今週の動き |  コメント(2)

今週の動き(11/24~30)


グッチーポスト編集部から案内があったとおり、いよいよ「グッチーポストの経済ZAP!!」がスタートします。まず本日朝に第1号記事がブログに出る予定です。

メルマガは来月から発行とのことです。執筆者は、私もよく知っている人で、ぐっちーさんからも全幅の信頼を寄せられていました。私も、この人なら「経済ZAP!!」を受け継げるだろうから、ぜひ書いて欲しいと以前から思っていました。

メルマガの内容には私も関与しています(といっても「私ならこのあたりに興味がある」「このあたりを書いてもらえるとありがたい」・・というもっぱら読者目線ですが(笑))。このメルマガを通じて、今後、ぐっちーさんのスピリットや思い出を語ることもできると思います。ご関心ある方はぜひご覧ください。

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先週の動き
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11/16(土)
・中国のウイグル政策に関する内部文書をNYタイムズが報道

11/17(日)
・トランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に「すぐに行動して取引をまとめよう。近いうちに会おう!」と呼びかけるツイート
・米韓、日韓、日米韓防衛相会談(エスパー国防長官が米韓合同航空演習の延期を発表)(バンコク)
・イラン各地でインターネットの利用が大幅に制限される
・ベラルーシ議会選挙(野党勢力の議席ゼロ)

11/18(月)
・トランプ大統領とパウエルFRB議長が会談(ワシントンDC)
・米商務省が輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」に掲載されたファーウェイとその関連企業との一部取引を認める一般ライセンス(TGL)の延長期限を90日間(20年2月16日まで)延長
・ポンペオ国務長官がイスラエルが占領しているヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の設立は国際法に違反しないとの見解を表明(1978年から取ってきた米政府の立場を転換)
・米連邦最高裁がトランプ大統領に財務記録の提出を求めた召喚状の執行を一時差し止め
・香港の高等法院が覆面禁止規則は香港基本法に違反すると判断
・IAEAがイランの重水貯蔵量は核合意の上限(130トン)を上回る131.5トンに上ったとする報告書を加盟国に送付
・イランのイラクでのインテリジェンス活動に関する内部文書をNYタイムズが報道
・日米防衛相会談(バンコク)

11/19(火)
・ペンス副大統領が香港のデモに暴力が行使されれば米中通商合意は難しいとの見解を表明
・米上院が香港人権・民主主義法案を可決(香港警察に催涙ガスやゴム弾などの装備を輸出することを禁じる法案も可決)
・米下院の情報特別委員会のウクライナ疑惑に関する公聴会でペンス副大統領のウィリアムズ補佐官、NSCのビンドマン陸軍中佐、国務省のボルカー前ウクライナ担当特別代表、NSCのモリソン担当官が公開の証言
・北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長が、米韓の合同軍事演習の延期について北朝鮮が米国に求めているのは演習の完全中止であり、要求が応じられなければ交渉には応じないとする談話を朝鮮中央通信で発表

11/20(水)
・トランプ大統領がアップルのパソコン工場を訪問(オースティン)
・米商務省がファーウェイへの米国製品の輸出を限定的に認める手続きを始めたとの報道
・米下院が香港人権・民主主義法案を可決(香港警察に催涙ガスやゴム弾などの装備を輸出することを禁じる法案も可決)
・米下院の情報特別委員会のウクライナ疑惑に関する公聴会でソンドランド前駐EU大使、クーパー国防次官補代理、ハル国務次官が公開の証言
・米民主党の大統領候補者の第5回テレビ討論会(アトランタ)
・ブルームバーグと中国国際経済交流センター主催の経済フォーラム(北京、~22日)
・在香港英国総領事館に勤務していた香港人の男性が8月に中国で身柄を一時拘束された際に拷問を受けたとして英国が中国を非難
・英国の保守党・労働党党首のテレビ討論会
・NATO外相理事会(ブリュッセル)
・イスラエルの野党連合「青と白」を率いるガンツ元軍参謀総長が組閣の断念を表明
・イスラエル軍がシリアのダマスカス近郊にあるシリア軍とイラン革命防衛隊の「コッズ・フォース」の軍事拠点に大規模な空爆
・ローマ教皇がタイを訪問(~23日)

11/21(木)
・米国で12月20日までの歳出を可能にする「つなぎ予算」が成立
・米下院の情報特別委員会のウクライナ疑惑に関する公聴会でNSCのヒル上級部長、在ウクライナ米大使館のホームズ参事官が公開の証言
・米上院が日韓のGSOMIAの重要性を強調する決議を可決
・IAEA理事会(ウィーン、〜22日)
・イスラエル検察がネタニヤフ首相を収賄等の容疑で起訴
・コロンビアで政府に対する大規模な抗議ストライキ

11/22(金)
・トランプ大統領が自らの習近平国家主席への働きかけのおかげで香港のデモに対する中国の武力介入は回避されていると発言(香港人権・民主主義法案の署名については回答せず)
・米財務省がイランは反政府デモを沈静化するためインターネットへのアクセスを制限したとしてイランの情報通信技術相を経済制裁の対象に指定
・習近平国家主席がキッシンジャー元国務長官と会談(北京)
・香港の高等法院が覆面禁止規則の違憲判決の執行を7日間停止する判断
・韓国大統領府が日韓のGSOMIAの破棄通告の効力停止を日本に通告したと発表
・G20外相会議(韓国からは康京和外相が出席)(名古屋、〜23日)

11/23(土)
・パプアニューギニア東部のブーゲンビル自治州の独立の是非を問う住民投票(~12/7)
・ローマ教皇が訪日(~26日)

●香港人権・民主主義法案の可決

前回の記事で、香港人権・民主主義法案が間もなく上院で全会一致で可決される見通しであることをお伝えしていましたが、そのとおりになりました。

「香港人権・民主主義法案の上院審議」(11/18)

上記記事では、上下院それぞれが可決した法案の内容は少し異なるので、すり合わせが必要になることも述べていましたが、上院の可決後すぐに下院が可決。これによりトランプ大統領は10日以内に署名か拒否か判断を迫られることになります。

今後の展望を解説します(※メルマガに限定)。

●ウクライナ疑惑の下院公聴会

ウクライナ疑惑に関する下院公聴会が2週目に入りました。前回の記事でソンドランド駐EU大使の証言が注目されると述べましたが、ソンドランドは「『見返り(quid pro quo)』があったかと言われれば、答えはイエスだ」と断言しました。

「ウクライナ疑惑の下院公聴会」(11/19)

ソンドランドは「ワイルド・カード」と言われ、共和党・民主党いずれにおいてもどんな証言を行うか確信がもてない人物でした。それだけに彼の証言はこれまでの証言の中で最も強いインパクトがありました。ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●民主党の大統領候補者の第5回TV討論会

前回の記事でピート・ブティジェッジに注目と述べましたが、やはり最も目立っていたのはピート市長でした。コメントを述べます(※メルマガに限定)。

「民主党の大統領候補者の第5回TV討論会」(11/18)
「民主党予備選の混沌」(11/20)

●ネタニヤフの起訴

イスラエルのネタニヤフ首相がついに起訴されました。イスラエルの現職首相が起訴されるのは初めてです。

起訴されても法的には首相を辞任する必要はありません。ネタニヤフは起訴を「クーデター」と非難し、首相にとどまる姿勢を明示しています。

その前日、中道右派政党「青と白」を率いるベニー・ガンツ党首が連立協議の失敗をリブリン大統領に通告しました。今後3週間以内に過半数の議員の推薦を得る議員がいれば、大統領が2週間以内の組閣を要請することになります。しかし、その可能性はほとんどありません。そうなると3度目の選挙という前代未聞の状況に突入します。

一方、ネタニヤフ起訴はこの状況の「ゲーム・チェンジャー」になるという見方があります。ネタニヤフを支持してきたリクードや宗教政党の議員の一部が離反する可能性が出てきたからです。

ガンツは12月11日までの協議期間を活用して過半数の支持を集める考えを表明しています。これまで述べてきたように、10年にわたり君臨してきた「キング・ビビ」ことネタニヤフが退任すれば、イスラエルの政治、特にトランプ政権との関係は大きく変わる可能性があります。

「イスラエル現代史(13):右派政権・ネタニヤフの時代」(10/30)

●GSOMIAの失効回避

前回の記事で述べたとおり、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は風前の灯火とみられていましたが、失効期限の前日に韓国が破棄通告の効力停止を日本に通告。土壇場で驚きの結末を迎えました。

「GSOMIAの失効期限の到来」(11/18)

ただし韓国は、GSOMIAの破棄通告の効力停止は、いつでも終了できることを前提とするとも述べています。また、日本の輸出管理強化については、日韓の協議が続いている間はWTOへの提訴手続きを停止するとも表明しました。

今回の韓国の対応が意味するものについて、今週解説します。

●ローマ教皇の訪日

ローマ教皇フランシスコが訪日し、長崎と広島を訪問。ローマ教皇が日本を訪れるのは、1981年のヨハネ・パウロ2世以来38年ぶり。訪日前にはタイを訪問しており、ワチラロンコン国王やプラユット首相と面会しています。

14年には韓国、トルコ、15年にはスリランカとフィリピン、17年にはバングラデシュとミャンマーに訪問しています。在位中に一度もアジアを訪れなかった前教皇ベネディクト16世と比べるとアジア重視の姿勢が顕著です。

18年9月にはバチカン(ローマ教皇庁)は中国と司教任命権問題で和解。バチカンは台湾と国交を結んでいますが、中国での布教にも力を入れようとしています。今回訪問したタイにはカトリックはおろかキリスト教徒がほとんどいませんが、おそらく東南アジアの大国に足掛かりをつくるという戦略的意図があるのでしょう。

ちなみに、日本では「Pope」の呼び名として「法王」「教皇」の二つが混在していましたが、今回の訪日に先立ち、日本政府は「教皇」で統一すると発表しました。

私もこの二つはどちらにするか迷うことが多かったので、スッキリしました。一方、個人的には、「教皇」というと、子供の頃に見たアニメ『聖闘士星矢』のせいで、別の「セイント」を思い出すこともあります(不謹慎かもしれませんが・・(笑))。

ちなみに『聖闘士星矢』は90年代に中南米(特にブラジル)で爆発的にヒットし、日本のイメージを(良い意味で)大幅に変えたといわれています。私も当時メキシコなどに訪問したときテレビで何度も吹き替え版の番組を見て驚いたものです。教皇フランシスコはアルゼンチン出身なので、まったく関係はないのですが、唐突に思い出しました。

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今週の動き
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11/24(日)
・香港区議会選挙
・ウルグアイ大統領選挙決選投票

11/25(月)
・韓国・ASEAN首脳会議(釜山、〜26日)
・日中外相会談(東京)

11/27(水)
・欧州宇宙機関(ESA)閣僚理事会(スペイン、〜28日)

11/28(木)
・サンクスギビング

11/30(土)
・ユンケル欧州委員長とトゥスク欧州理事会議長の任期満了
・日印外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(デリー)

●香港区議会選挙

香港区議会選挙は地方議会選挙ですが、自由な投票が認められる直接選挙であることから、香港市民にとっては民意を示す絶好の機会になります。

特に今回は、デモが激化する中で民主派と親中派が対立を深め、デモ参加者も出馬を申請していることから(ただし「雨傘運動」を率いた黄之鋒(ジョシュア・ウォン)の立候補は認められなかった)、かつてなく注目を集めています。

先週、デモ隊が香港理工大学に立てこもり、警察との激しい衝突が起こりましたが、警察の包囲によりデモ隊のほとんどは退去し、沈静化に向かった模様。

とりあえず選挙は予定どおり行われたようですが、選挙の結果、民主派が票を伸ばせば、抗議活動は再び勢いを得るでしょう。「先週の動き」で述べたとおり、米国の香港人権・民主主義法案が成立すれば、さらに激しさを増すことが予想されます。

●サンクスギビング

サンクスギビング(感謝祭)は米国社会では重要な行事で、学生もビジネスマンもみな家族でお祝いをします。映画やドラマを見ると、いかにこのときに七面鳥やポテト、パンプキンパイなどに工夫を凝らすかが描かれます。私も、米国に住んでいた頃は、友人やその家族と一緒に料理しました。

サンクスギビングの翌日は、「ブラック・フライデー」と言われ、セールが実施されます。年末商戦の先駆けになります。最近は日本でも定着してきたようですね。

ちなみに、サンクスギビングは米国とカナダだけの行事です。北米大陸に移住したプロテスタントが始めたと言われています。欧州やロシアでは、祝日になっていないことはもちろん、お祝いをする習慣もありません。意外と知られていないと思うのでお伝えしておきます。

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あとがき
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動画:割れないはずじゃ…?! テスラ、新EVトラック強度実演でガラス損傷(11月22日付AFP)

イーロン・マスク「突き抜けなかったね。それはプラス面だ」・・「もう1回やる?」「ほんと?」「お、突き抜けないね!」・・さすがテスラ、イーロン・マスクも石を投げる人もハートがすごいですね。石を2回投げたのは、挽回できると思ったのでしょうか・・。

そして、トランプ陣営(Trump War Roomのツイッター)が早速ネタにしていました。こちらもさすが仕事が早い。恐るべし現代の情報戦・・。

これでテスラの株価は7%近くも落ちたそうですが、一方、マスクのツイッターによれば、EVトラックは宣伝もないのに注文が殺到しているとのこと。Trump War Roomがインフルエンサーの役割を果たしたのでしょうか。恐るべし現代のSNSの世界・・。

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2 comments on “今週の動き(11/24~30)
  1. より
    事実はあとからついてくる!

    今回も、米中通商合意、ウクライナゲートいずれも、JDさんの見通しは当初から全くブレず、事実が後からついてくるようにすら見えます(笑)
    「恐るべしSNSの世界」とあとがきで仰っているように、様々な情報やデータが錯そうする中、こうして道しるべが示されるような場所があるのはとても貴重。困ったらここに立ち返って、態勢を立て直す、そしてまた考える、こんなサイクルが生まれるJDさんのメルマガは本当に貴重です。
    グッチーポストも活気が出てきましたね。新コーナーでは、JDさんとのやり取りもあったりなかったり・・・?JDさんの別の一面も含め、いろいろ期待しています(笑)
    そして、遅ればせながらJDさんのTwitterもフォローしました(遅)。この機に「経済ZAP!!」さんもフォローさせていただきます!応援しています。

  2. china より
    今週も盛りだくさん

    香港人権法案からの米中通商協議、トランプの行動は確かに読みづらい感じがしますね。合意が成立しなければ関税を更に高くする・・なんてことにも口にしていましたし。とりあえずは12月15日がどうなるか、と法案成立を受けての香港の動き、に注目ですね。

    ウクライナ疑惑は次から次に色んな情報が出てくるので、ニュースを見ているといつも何が何やら分からなくなってくるのですが、メルマガの解説を読むと頭をスッキリ整理することができます。「立証」よりも「インパクト」。この視点を忘れずに、今後も事の推移を見ていこうと思います。

    TV討論会は確かに盛り上がりには欠けましたが、安定のブティジェッジ、でしたね。本当にこの人だけは安心して見ていられます。司会者に少し意地悪な質問をされたり、終盤はクロブシャーやガバードに攻撃されましたが、見事な切り返しだったと思います。特に、クロブシャーの「経験値」に関する攻撃のかわし方は上手いなあと思いました。
    個人的にはハリスがガバードに対し「FOXニュースでオバマ政権をフルタイムで批判していた」「選挙に出てきてまた民主党を批判している」と嫌味を言ったくだりは爽快でした。
    バイデンは今回も見ていてハラハラさせられました。唯一笑ったのは北朝鮮の狂犬ネタを自ら繰り出してきた場面です。その後フレーズを忘れ少し詰まっている時に、隣のサンダースが助け舟を出したシーンは微笑ましかったです。この二人は本当に仲が良いのだなと思いました。

    ネタニヤフ首相の起訴はその可能性を以前からJDさんが指摘されていましたが、ガンツが組閣を断念した翌日に発表があったので、なんてすごいタイミングと思いました。偶然・・でしょうか。?

    テスラの宣伝無し・・はどうなのでしょうね。ある意味発表会での投石シーンが一番の宣伝になったような気がします。あんな面白シーンをうっかりクリエイトしてしまったら、そりゃあSNSで即・全世界に配信されますよね。株価下落は予想外だったでしょうが、宣伝効果抜群でイーロン・マスクも大喜びだったのではないでしょうか。

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