ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/08/19 00:00  | 今週の動き |  コメント(3)

今週の動き(8/18~24)

お盆が過ぎ、早くも夏の終わりが近づいてきたような感じがしますね。私は出張や論文の準備があって忙しく、なかなか休みをとることができません。秋頃、南国に行って、夏らしい気分を味わいたい・・という方向に傾いています(苦笑)。

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先週の動き
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8/10(土)
・トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長から手紙を受け取り、短距離ミサイルの試射について謝罪され、米韓合同軍事演習が終わり次第、非核化に向けた協議を再開したいと伝えられたとツイート
・イエメンの分離独立勢力である「南部暫定評議会」(STC)がハディ暫定政権の拠点であるアデンの大統領宮殿を制圧

8/11(日)
・香港で政府に対する抗議デモ
・アルゼンチン大統領選挙の予備選挙(1位フェルナンデス元首相、2位マクリ大統領)
・グアテマラ大統領選挙の決選投票(野党バモス(右派)のアレハンドロ・ジャマテイが勝利)

8/12(月)
・トランプ政権が一定の経済的条件を満たさない移民にはグリーンカードやビザを発行しない新たな規則を発表(10月15日から実施)
・ボルトン大統領補佐官が英国のジョンソン首相と会談(ロンドン)
・香港国際空港で政府に対する抗議デモ(~13日)
・中国の国務院香港マカオ事務弁公室が香港の抗議デモについて「テロの兆候がある」と表明
・韓国が安全保障上の輸出管理の優遇対象国から9月中に日本を除外すると発表

8/13(火)
・USTRが対中追加関税第4弾の対象品目のうちスマートフォン、ノートパソコン、ゲーム機、玩具等については9月1日ではなく12月15日に発動を延期すると発表(直前に米中閣僚が電話協議)
・米商務省が中国国営の原子力企業「中国広核集団」を輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」に加えると発表
・19年会計年度の国防授権法(NDAA)に基づく暫定規則(ファーウェイ、ZTE、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、海能達通信(ハイテラ)の5社の製品による政府調達の禁止)が施行
・ニューヨーク、カリフォルニアを含む22州と7都市が、環境保護局(EPA)によって制定された「アフォーダブル・クリーン・エナジー(ACE)」規則(オバマ前政権が策定した「クリーン・パワー・プラン(CPP)」に代わる発電所のCO2排出削減に向けた規制)の撤廃を求めてトランプ政権を提訴
・イランのハメネイ最高指導者がイエメンの反体制武装組織「フーシ派」のムハンマド・アブドル・サラム広報と会談(テヘラン)
・イタリアの上院が「同盟」提出の内閣不信任案の採決を見送り
・太平洋諸島フォーラム(PIF)(ツバル、~16日)

8/14(水)
・トランプ大統領が香港の抗議デモに関し「まず中国を香港問題に人道的に対処させよう!」「習首席ならできる」「個人的会談?」とツイート
・米国債市場で12年ぶりに長短金利が逆転(トランプ大統領が長短金利の逆転は「ばかげている」としてFRBのパウエル議長を批判するツイート)
・北戴河会議が終了(推測)
・韓国の慰安婦記念日

8/15(木)
・トランプ大統領が香港の抗議デモに関し「懸念している」「習主席がデモの指導者と面会すれば問題は15分で解決できるだろう」と述べ、電話会談の可能性を示唆
・トランプ大統領がデンマーク領グリーンランドの購入に関心を示し、側近に相談したとの報道
・米民主党のヒッケンルーパー前コロラド州知事が20年大統領選挙から撤退
・イスラエルが米民主党のイルハン・オマルとラシーダ・トリーブ両下院議員の入国拒否を決定
・英領ジブラルタルの自治政府が7月に拿捕したイランの石油タンカーを解放したと発表(米国務省はタンカーはシリアに石油を運ぶことでイランの革命防衛隊を支援していたと非難)
・韓国の光復節(文在寅大統領が演説)
・北朝鮮の解放記念日
・終戦記念日
・インドの独立記念日

8/16(金)
・米国務省が台湾にF16戦闘機を売却する方針を固め、議会に非公式に通告したとの報道
・イスラエルが米民主党のラシーダ・トリーブ下院議員の入国許可を決定
・北朝鮮が南東部の江原道・通川から日本海に向けて2発の飛翔体を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表(金正恩朝鮮労働党委員長が「新兵器」の試射を視察したと北朝鮮国営の朝鮮中央通信が報道)
・北朝鮮の祖国平和統一委員会が8月15日に対話を呼びかけた韓国の文在寅大統領を批判する報道官談話を発表
・国連安保理がカシミール地方の情勢を話し合う緊急会合(NY)

8/17(土)
・オレゴン州ポートランドで極右と極左の集団がデモ
・香港で政府に対する抗議デモ
・イエメンの反体制武装組織「フーシ派」がサウジの油田施設をドローンで攻撃したと発表

●対中追加関税第4弾発動の一部延期

トランプ大統領が9月1日から発動すると宣言していた対中追加関税第4弾ですが、USTRがスマートフォン、ノートパソコン、ゲーム機、玩具等については、発動を12月15日に延期すると発表しました。また、一部品目については健康、安全、国家安全保障を理由に課税対象から削除しました。

「米国の対中追加関税第4弾の発動宣言」(8/6)

発動が延期された555品目は、輸入全体に占める中国のシェアが75%以上の品目です。18年時点で1560億ドル相当額に上り、対中輸入総額(5400億ドル)の約3割、追加関税第4弾の総額(2700億ドル)の約6割にあたります。

USTRは、6月に行われたパブリックコメントと公聴会の結果を踏まえ、今回の決定に至ったと発表しています。一方、トランプ大統領は、クリスマス商戦を避けることが目的だったと表明しました。また、USTRの発表の直前に、米中閣僚の電話会議が8月1日の追加関税第4弾の発表以来初めて実施されています。

今回の発動延期の背景と今後の展望について解説します(※メルマガに限定)。

●香港の抗議デモの激化と米中の対応

香港の抗議デモと警官隊との衝突が続いています。先週は、デモ参加者は香港国際空港を占拠し、中国か香港の私服警官と疑われる人物や中国メディア(環球時報)の記者に暴行を加えるという事態が発生しました。

デモが「過激化」する中で、中国の国務院香港マカオ事務弁公室はデモ参加者が犯罪に及んだ場合には厳しく処罰すると警告し、「テロの兆候がある」との見方を表明。そして深センには数千人規模の人民武装警察部隊(武警)が集結を始めました。

状況が緊迫する中で、トランプ大統領が突然にツイートを連発するようになりました。「まず中国を香港問題に人道的に対処させよう!」「習首席ならできる」「個人的会談(をしようか)?」などと述べ、また記者団に対しても、「習主席がデモの指導者と面会すれば問題は15分で解決できるだろう」と述べました。

以下の記事で述べたとおり、トランプの本件に対する関心は薄く、「香港と中国はこの問題を解決できる」という曖昧なメッセージしか出していなかったのですが、急速にスタンスを変えてきたようです。

「香港の『反送中』デモと逃亡犯条例改正の延期」(6/17)

今後の展望については、いまだ不透明な部分が多いですが、今週、現時点での見通しを述べます。

●イスラエルの「スクワッド」議員の入国拒否

イスラエルが米民主党のイルハン・オマルラシーダ・トリーブ両下院議員の入国拒否を決定。その直後、方針を変更して、トリーブだけには入国を認める決定を行ったことが大きな話題になりました。

オマルとトリーブは、以下の記事などで紹介しているとおり、トランプが「破綻した国からやってきたマイノリティの過激な社会主義者」と批判する「スクワッド」議員です。トランプは、両議員は「反ユダヤ主義者」だから、イスラエルは入国を拒否すべきだと主張し、そのトランプの希望に応える形で、ネタニヤフ首相は今回の決定に踏み切りました。

「トランプ対『スクワッド』」(7/22)

トリーブ(パレスチナ系)については、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に暮らす親族訪問が目的だったので、イスラエルは人道上の理由から入国拒否を撤回したのですが、結局トリーブは抗議の意味を込めて、イスラエル訪問を取りやめました。

トランプの意図が民主党議員の狙い撃ちにあることは明らかです。そのような党派的な意図をもって、米国の大統領が公然と外国政府に圧力をかけ、自国議員の入国禁止を実現させるのは、極めて異常な事態です。当然ながら国内では厳しく批判され、共和党でもマルコ・ルビオ上院議員ら一部の議員が反対を表明しています。

トランプとイスラエルの思惑について解説します。あわせて、在米ユダヤ人(イスラエル・ロビー)の動向とイスラエルの政局についてもコメントします(※メルマガに限定)。

●文在寅大統領の「光復節」演説(対日輸出管理の強化)

日本の対韓輸出管理強化に対抗し、韓国も対日輸出管理を強化する方針を発表。一方、文在寅大統領は、8月15日の光復節での演説で、日本の輸出管理強化を批判しながらも、それ以上に厳しい発言をすることはなく、日本が対話と協力を望むのであれば、喜んで手を結ぶ、と述べました。

文在寅政権の日本に対する姿勢について解説します(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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8/18(日)
・香港で政府に対する抗議デモ

8/19(月)
・米国のファーウェイへの輸出禁止の猶予が終了
・米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が日韓を訪問(~22日)
・仏ロ首脳会談(ブレガンソン要塞)

8/21(水)
・日米閣僚級通商協議(ワシントンDC、~22日)
・日中韓外相会談(北京)

8/22(木)
・ジャクソンホール会議(ワイオミング州ジャクソンホール、~24日)
・中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会(北京、~26日)

8/24(土)
・G7サミット(フランス・ビアリッツ、~26日)
・日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄の通告期限(通告がなければ自動更新)

●G7ビアリッツ・サミット

技術(デジタル課税、リブラ)、貿易(米中)、香港といったアジェンダが取り上げられるとみられます。前回同様、トランプ大統領対その他という場面が多く見られそうです(コンテ首相だけは親トランプですが、政局の混乱でサミットどころではなさそうです)。

「G7シャルルボア・サミット」(18/6/11)

また、トランプは英国のボリス・ジョンソン首相との初会談を熱望しています。BREXIT実現に向けて、大いに発破をかけるつもりなのでしょう。

●GSOMIAの更新

上記「先週の動き」の「文在寅大統領の『光復節』演説」で述べたとおりです。

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あとがき
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インド「Tシリーズ」、初の登録者1億人ユーチューブチャンネルに(5月30日付Sputnik)

知られざる(?)Youtubeの世界。「2大ユーチューブ王」こと「Tシリーズ」と「ピューディパイ(PewDiePie)」は、ともにチャンネル登録数が1億とのこと。

私はユーチューバーのことをよく知らないのですが、日本でトップクラスの人気を誇る「ヒカキン」の登録数が1.6万のようです。4ケタ違いますね。まあ、日本語ではどうしても視聴者数が限られるのでしょうが。ちなみに「ピコ太郎」は57万のようでした。

さて、Tシリーズは、インドのエンタメ情報を伝えるサイトです。

いったん見始めると、止まらなくなるような魔力(笑)があります。最近、公開され、話題を呼んでいるモディ首相の自伝映画『PM Narendra Modi』も紹介されていました。

PM Narendra Modi | Official Trailer(3月20日付Tシリーズ)

あからさまなプロパガンダ作品で、当初は総選挙の第1回投票日での公開が予定されたのですが、さすがにまずいだろうということで、選挙管理委員会は認めず、投開票日の翌日である5月24日公開になったという経緯があります。今でも物議を醸しており、厳しい批評も散見します。

主演のヴィヴェーク・オベロイは、背が高くてハンサム過ぎるだろうという意見もあれば、現実のモディ首相の演出力はヴィヴェークの演技力を超えている・・という批評もあるようです。まあ、裏を返せば、モディの「劇場政治」を揶揄しているわけですね。

しかし、以下の記事で紹介した映画『Uri』と同様、普通にエンタメとして面白そうですね。まあ、そう思った時点でモディのマジックにはまっているのでしょう(笑)。

「インドとパキスタンの空爆と戦闘」(3/4)

ピューディパイは、29歳のスウェーデン人。「30歳以上の人の大半が知らない、世界でもっとも有名な人物」とのこと。当然、私も知りませんでした(笑)。年収14億円だそうです。

書評が得意で、三島由紀夫の作品をよく取り上げるそうです。試しに『春の雪(Spring Snow)』の解説を聞いてみましたが、普通に楽しめました。外国人の興味をかき立てるであろう視点を中心に説明している印象です。ただ、『豊饒の海』4部作全体のテーマまで理解していたのかは分かりませんでした。

それにしても、書評などで14億稼げるとはうらやましい。私も、「世界情勢ブリーフィング」をYoutubeでやりますかね(笑)。

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3 comments on “今週の動き(8/18~24)
  1. KB より:
    トランプの体力ゲージ

    トランプ無双で、これまでゲージは常に満タン、技も決めまくっている印象でしたが、最近必殺技もイマイチ・・・。トランプ派ではないですが、やや心配です。
    それに、トランプべったりのネタニヤフがここまで孤立化しているというのも、メディアを通してはあまり感じられないものだったので、個人的には衝撃的でした。
    グリーンランドの歴史は様々あるようですが、お時間あるときに、この地の解説もお願いします!
    ただ、本日のメルマガの一番の収穫は、韓国の話題の最終フレーズ。ビジネスにもすべてにも通じる言葉、しっかりと頭に刻んでおきます!

  2. china より:
    そつのない仕事

    第4弾延期のアナウンスはきちんとUSTRから出てきましたね。同日に本人のツイッターで中国の農産物購入について思わせぶりなツイートがありましたが、どう読んでもトランプの願望の域を出ない内容だったので、USTRの発表も中国と何かしらのディールがあったものではなく、米国側の事情によるものなのだろうなと思っていました。
    それにしても自国の事情で行った変更なのに、思わせぶりなツイートであわよくば相手国を巻き込んでしまおう(相手国も同意している)的な言動をするあたりは、そつがないというか、ほんと諦めない人だなと思いました。
    米国農家が困っている根本的な原因は、TPPから外れて価格競争力を失ってしまった事だと思うので、真剣に農業界のことを考えるなら腰を据えて根本原因の解決をしなければいけないのでは?と思うのですが、2020しか眼中にないトランプ政権にその気はないのでしょうか。それとも日米の貿易交渉がまとまれば、農業界を絡めた政策はまた違った展開を見せますでしょうか。

    イスラエルの入国拒否に関しては、スクワッドは民主党の顔になった!的な事をツイッターで再三言及していたので、スクワッド攻撃を通して民主党分断を煽りたいという、かねてよりの解説を思い出しておりました。イスラエル・ロビーの実態も興味深いです。シリーズの続きをお待ちしております。

    文在寅は本当に驚くほどトーンを変えてきましたよね。やっと一国の大統領であることを思い出したのでしょうか。でも局地戦との読み、確かにそんな気もします。本当の意味で彼が納得の上で軌道修正をしてきたとは思い難く、とりあえず今の所はご解説頂いたような形になってきていますが、輸出規制措置のほとぼりが冷めたら、またどこかで己の信念を貫くために国益を無視して暴走しそうな気もします。

    モディ首相の映画、確かに俳優さん格好いいですね。でもこれくらいの誤差は許容範囲な気がしますし、映画だから良いような気もしますが・・。
    映画と言えば、先日『ワイルド・スピード』のスピンオフ作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を鑑賞したのですが、なんと劇中にGOTが出てきました(!)。しかも序盤とラストで2度のご登場です。
    ラストではGOTの最終回の内容に触れているのですが・・実はこの映画、クランクアップしたのは今年の2月。そして、GOTの最終回は2019年5月19日。おそらく、撮影が終了していたにも関わらず、わざわざ追加でラストシーンを撮影したのではないかと思われます。もーみんなどれだけGOT好きなの、と映画館で笑ってしまいましたが、それくらい影響力の大きな作品だったということでしょう。
    それにしても、翻訳家さんもどう日本語字幕に訳すべきか、これは悩んだだろうなあ・・などと考えると本当に笑えます。

  3. 那須の山奥の兄ちゃん より:
    グリーンランド

    いつもお世話になります

    またトランプが訳のわからないことを言いだし始めました

    察するに
    デンマークはドイツ経済に依存をしているので
    ドイツ叩きを始めたのかなぁ
    とぼんやり考えています

    そこにポンペオの醜聞

    なんだか
    トランプが方針を変えたような気がします

    なんだか
    具体性のない話ですいませんが
    トランプが従前の方針を覆したような
    事実はありますでしょうか?

    ともかくトランプの方針は一貫していると
    感じます
    しかし、このデンマークで潮目が変わったような
    気がするのですが気のせいでしょうか?

    気のせいとはっきり言っていただいても
    結構です(笑)

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