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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/10/10 06:51  | 米国 |  コメント(8)

NAFTA改定・新協定「USMCA」と米国の対中政策

米国とカナダ、新たな貿易協定で合意(10月1日付BBC)
USMCA、中国と加・メキシコのFTA困難にする条項盛る(10月2日付ロイター)
United States-Mexico-Canada Agreement Text(9月30日付USTR)
米副大統領「中国は内政干渉」と非難、南シナ海の海洋進出もけん制(10月5日付ロイター)
米議会、海外開発事業への融資関連法案可決 中国念頭に新機関(10月3日付ロイター)

米国とカナダがNAFTA改定に合意。11月中に協定に署名するために米国は9月中に協定のテキストを発表する必要がありましたが、ギリギリのタイミングで何とか間に合いました。

「NAFTA再交渉における米・メキシコの暫定大筋合意」(9/3)

新協定の名前は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」・・「自由貿易」が消えましたね(笑)。

内容を見ると、自動車規制の強化(域内調達率を62.5%から75%に引き上げ、自動車の価値の40%は時給16米ドル以上の労働者により生産、通商拡大法232条に基づく追加関税を発動する場合、輸入車は年間260万台まで、自動車部品はカナダからは年間324億ドルまで、メキシコからは年間1080億ドルまで対象外)、サンセット条項(6年ごとに見直して16年間延長可能)、為替条項が入り、カナダは乳製品で譲歩するなど、米国の主張の多くが通っているように見えます。一方、カナダが主張していた紛争処理制度の条項は残りました。

日本のメディアの報道を見ると、トランプ政権は高関税を使って脅しをかけ、その主張を丸呑みさせた、輸入規制や為替条項などとんでもない、これからの日本との交渉も危ぶまれる・・といった論調が多いようです。

また、これから必要になる発効手続きについても、米国では中間選挙、カナダでは来年選挙があり、発効も危うい・・という論調も目立ちます。

しかし、こういった見方はウソではありませんが、私にはやや一面的に感じられます。新協定の内容の詳細と広い視点からの交渉経過を見れば、そこまで単純に言い切れるものではないことが分かるでしょう。

さらに、加盟国が非市場経済国である第三国とFTAを締結する場合には他の加盟国はその内容を確認し、当該FTAが発効した場合には離脱できるという規定も盛り込まれました。中国を念頭に置いた条項とみられています。

その中国との関係では、先週、南シナ海で中国軍の駆逐艦が米軍の駆逐艦に異常接近した事実が明らかになり、さらにペンス副大統領もトランプ大統領と足並みをそろえるかのように経済、軍事、選挙介入と包括的な批判を行いました。また、途上国でのインフラ投融資を強化する法案(BUILD法)が成立しましたが、これは中国の「一帯一路」に対抗する取組みといわれています。

ということで、今回の合意をどうみるかについて、トランプ政権の通商政策と対中政策の展望もあわせ、解説します。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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NAFTA改定・新協定「USMCA」と米国の対中政策
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●新協定の内容
●トランプ政権の交渉手法への対処
●協定発効の見通し
●中国への圧力

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あとがき
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T・スウィフトが民主党支持を明言 トランプ氏「25%くらい好きじゃなくなった」(10月9日付AFP)

テイラー・スウィフトは、日本では若い女性に人気があるポップ・シンガーの一人と見られていると思いますが、その音楽ジャンルはカントリー・ミュージックです。テネシー州のナッシュビルに転居したのもカントリー歌手として修業するためだったそうです。

カントリーはもともと南部白人のフォークソングですから、保守派・共和党と強い親和性があります。カントリー歌手の中には共和党支持を公言する人が少なくありません。この意味でも、今回のテイラーの発言にはインパクトがありました。

もっとも、シャナイア・トゥエイン、ディクシー・チックス、リアン・ライムスらを見ても分かるとおり、今の若い女性歌手のカントリーはポップソングに近く、保守的な文化性はあまり感じられません。同じようなことはクリスチャン・ロックにも感じますが、脱線するのでこれはまた別の機会に。

特にこの件で面白いのは、テネシーの上院議員選が大接戦になっていることです。共和党のボブ・コーカーが引退し、その空席を共和党のマーシャ・ブラックバーンと民主党のフィル・ブレデセンが争いますが、ブレデセンは極めて強力な候補で、民主党が議席を奪う可能性は大いにあります。

このように重要な選挙区なので、中間選挙の展望を解説する際にあらためて取り上げますが、接戦だけに、テイラーの発言も意外と軽視できないかもしれません・・ファンを公言するトランプも、軽口を叩きながら動揺しているのかも・・(笑)。

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8 comments on “NAFTA改定・新協定「USMCA」と米国の対中政策
  1. KB より:
    インテリジェンス・・・

    足元の状況の整理や、正しく現状を見ることもさることながら、「自由貿易体制をどう維持するか」とか「日本としてどういう動きをするか」とか、根本的な部分の落としこみ、根源的な理解を深める、というか、こういうところって大事なんだなと改めて思います。

    なぜ、日本が、(あるいは他国が)その枠組みの中に入るのか?入っているのか?どういう利害があって、何を目指しているのか・・・?みたいな部分が落とし込めてくると、ますます状況が理解でき、面白くなってくるのかな、と思っていますし、そう言うことに今さらながら気づいた(気づかされた)だけでもよかったな・・・と。自分に甘く・・落とし込んでいます(苦笑)

    テイラー・スウィフトのインスタを見ながら、こんな話をさらっとできるなんて、、、羨望のまなざし・・・(笑)
    これで有権者登録も増えたみたいですが、同じことを日本で例えば安室さんがやったら・・・

  2. 下北のねこ より:
    カントリー・ミュージック

    本当に最近の音楽についていけてません(´;ω;`)。
    テイラー・スウィフト、イマイチ合わないし、シャナイア・トゥエイン、ディクシー・チックス知らねー、初めて聞く名前です。(聞いてみようっと、ジャンルがそうなら期待はできそう。確率半々かな。)

    リアン・ライムスは大好きです。この人のYou light up My life.は絶品ですね。アメージング・グレースもこの人で知りました。UpされたばかりのIt’s Christmas Eveも正統派のバラードでとても素敵です。
    https://www.youtube.com/watch?v=tN4h_MpslMU 
    そう言えば、デビー・ブーンもカントリーでしたね。あたしは、シェリル・クロウとか、そこら辺で時代が止まってますが、カントリーの女性の有名な歌い手さんは、その時代なりに現代風に変化していってるのが面白いです。
    ジャニス・ジョプリンなんか、ジャンルはロックでも、彼女のスタイルでMe and Bobby McGeeを見事に歌いこなし、それがスタンダードになったし、その辺がトラディショナルスタイルにこだわっている日本の演歌とか民謡の人たちと違いますね。(否定するわけではないです。コマ劇場の北島三郎のコンサートなどは日本のコンサートの完成形というか凄いと思ってます。)

    Me and Boggy McGee(Sheryl Crow & Kris Kristofferson)
    https://www.youtube.com/watch?v=UKJ-49RbIjA

  3. 下北のねこ より:
    女の敵は・・・・・

    そう言えば、共和党のマーシャ・ブラックバーンさん、女性なのに投票行動が確かに女性から見たら酷すぎます。テイラー・スウィフトさんが支持しないのはあまりにも当然です。保守的男性社会でおもねってるのか、洗脳されたのか、アメリカの原理原則なのか知らないけど、同じ州の女性なら、投票行動見たら失望するのは極めて当然だと思います。
    民主党のフィル・ブレデソンさん、JDさんが極めて強力と評するところに興味が出ます、オバマジャンプみたいな現象もう一回見てみたいな。そこまでの候補だったら嬉しいな。

    関係ないけど、安室奈美恵ちゃんも、表に出さなくても、沖縄に住所あったとしたら、沖縄人としてデニーさんに投票したんだろうなあとふっと思いました。
    支持政党を明らかにして応援できるアメリカって、やっぱり、いまの民主主義の本家だなあって、思います。

  4. ペルドン より:
    下北のねこさん

    こんな曲を流し・・
    米国の政治談話を交わす店なんて・・
    どんな店なんだ・?!
    少なくとも屋台じゃなさそうだな・・・

    下北は下北沢じゃないのか・?
    けれどさ・・・
    ( ^ω^)

  5. 下北のねこ より:
    屋台も大好きです。

    帰りに屋台の焼き鳥屋さんがやっていれば、立ち寄ります。
    そこのおじちゃんとの世間話は生き甲斐の一つです。

    関係ないけど、ディクシー・チックス思い出した!
    曲ではなく、イラク戦争批判やって、袋叩きにあったグループですよね。
    うまく思い出せないのですが、叩かれ方が異様だったので話題になっていた記憶があります。
    自分の考えでの政治的発言をできる人って、立派だし、それを認める社会であってほしいものです。

    日本でも消費税10%に上がるけど、それについてはぐっちーさんとかみんないろいろ発言するんだろうけど、誰かガソリン税について批判する人出てきてくれないかな。きついレベルだと思うんだけど、それでも車たくさん走り回ってるってことは、苦しいと思うのは私がビンボーなだけなのかなあ?

  6. ペルドン より:
    下北のねこさん

    自動車に関しては・・
    ガソリン税を含め・・取り過ぎだと・
    トヨタの豊田さんが大声をあげている。

    原油は張り付いたままだけど・・ガソリンは何故か高値で動かない。
    抵抗として・・ハイオク仕様をレギュラーに変えたら・・点検の時・コンピューターに記録され・・エンジンが微振動を記録していますと注意された。
    今は三虫の一つが・・自動車に組み込まれているとは知らなかった。仕方ないから・・ハイオクとレギュラーを同量入れている。

    せめてもの抵抗。高値に成ったら・・備蓄の石油を放出して・ユーザーの懐を慰める「こころづかい」は・関白殿には無いらしい・・・( ^ω^)

  7. JD より:
    下北のねこさん

    そうです。ディクシー・チックスがそれだけ叩かれたのは、テキサス出身のカントリー・ミュージックのバンドだったからです。
    興味深いご指摘なので、メルマガで取り上げたいと思います。ありがとうございます。

  8. 下北のねこ より:
    女性は強い!

    発言したボーカルの方、女性なんですね。本音を抑えること我慢できないとこは確かにあります。連邦議会で唯一人反対票を投じた議員も女性でした。
    いくら、ブッシュの本場(?)ブッシュワールドテキサス出身でも、言ったときはそんなの気にならなかったんでしょうね。

    間違いは間違い、嫌なものは絶対イヤ。面従腹背は男の世界!(だけど、文科省の前川元事務次官さん、あの方はかなり女性的な性格だと思う。いいたいこと絶対我慢できない人なんだろうなあ、きっと。)

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