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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/10/21 00:00  | 今週の動き |  コメント(2)

今週の動き(10/20~26)

ラグビーW杯の日本-南ア戦は熱戦でした。日本は惜しくも敗れましたが、強かったですね。

南アのスプリングボクスといえば、以下の記事で紹介した映画『インビクタス』ですね。

「映画『インビクタス』」(15/10/1)

この記事を書いたのは前回15年のイングランド大会のときでした。今この記事を読んでも、時代がさらに変わっていることを実感します。

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先週の動き
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10/13(日)
・トランプ大統領がトルコとクルド人はお互いに戦わせれば良いとツイート
・トランプ大統領がシリア北部から米軍を全面撤収させるよう国防総省に指示したとエスパー国防長官が発表
・シリア北部のクルド人民兵部隊「YPG」を中心とする「シリア民主軍(SDF)」がトルコ軍に対抗するためアサド政権軍と協力することで合意したと発表
・バイデン前副大統領の息子ハンター・バイデンが中国の投資会社の幹部職を10月31日までに退任すると表明(ウクライナや中国でのビジネスに関するトランプ大統領の批判には反論)
・香港で政府に対する抗議デモ
・独仏首脳会談(パリ)
・ポーランド議会選挙(与党「法と正義」が圧勝)
・チュニジア大統領選決選投票(憲法学者のカイス・サイードが勝利)
・エクアドルのモレノ大統領が燃料費補助金の廃止の中止を決定し、反対勢力とデモ終結で合意したと発表

10/14(月)
・トランプ大統領がトルコによるシリア侵攻で深刻な人道的危機が起きているとしてトルコに制裁(エネルギー・天然資源省と国防省の2省と国防相、エネルギー天然資源相、内相の3閣僚の制裁対象指定、鉄鋼への追加関税の引き上げ(25→50%)、通商交渉の中止)を科すと表明
・米・トルコ首脳電話会談
・シリアのアサド政権軍がシリア北部に侵攻
・米下院の情報・外交・監視の3委員会でヒル元NSC欧州・ロシア担当上級部長がウクライナ疑惑に関する非公開の証言(ボルトン前大統領補佐官がウクライナ疑惑について警鐘を鳴らしていたと証言したとの報道)
・コロンブス・デー(米市場一部休場)
・ロシアのプーチン大統領がサウジを訪問
・イランのロウハニ大統領が、サウジ沖の紅海でのイランの石油タンカーの爆発はロケット弾で攻撃を受けたものであり、国家組織が実行したものとの見方を表明
・EU外相理事会(ルクセンブルク)
・韓国の曹国(チョ・グク)法相が辞任
・IMF・世銀年次総会(ワシントンDC、~20日)
・ノーベル経済学賞発表

10/15(火)
・米下院が香港人権・民主主義法案を含む香港デモ参加者を支持する4つの法案を可決
・米下院の情報・外交・監視の3委員会でケント国務次官補代理がウクライナ疑惑に関する非公開の証言(トランプ大統領の顧問弁護士ジュリアーニが国務省とホワイトハウスにウクライナのショーキン元検事総長へのビザ発給を要請したと証言したとの報道)
・ハンター・バイデンがウクライナのガス会社で取締役会メンバーを務めたことに問題はないが今思えばまずい判断だったとABCインタビューで発言
・米民主党の大統領候補者の第4回テレビ討論会(オハイオ州ウェスタービル)
・ロシア・トルコ首脳電話会談
・ロシアのプーチン大統領がUAEを訪問
・EU総務理事会(ルクセンブルク)
・モザンビーク大統領選挙

10/16(水)
・トランプ大統領が10月9日にトルコのエルドアン大統領に送った書簡をホワイトハウスが公表
・トランプ大統領がイタリアのマッタレッラ大統領と会談(トルコのインジルリク空軍基地に米国の核兵器が配備されていることを示唆)
・ペンス副大統領、ポンペオ国務長官、オブライエン大統領補佐官がトルコを訪問
・米下院がシリア北部からの米軍撤退に反対する決議案を可決
・独仏首脳会談(トゥールーズ)
・英国とEUがBREXITの条件の修正で合意
・スペインのバルセロナで最高裁がカタルーニャ自治州の独立を問う住民投票に関わった政治家ら9人に長期禁固刑を言い渡したことに対する抗議デモ
・香港立法会が再開(林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の施政方針演説は抗議により中止、録画で代用)

10/17(木)
・ペンス副大統領がトルコのエルドアン大統領と会談(シリア北部でのトルコ軍の作戦を120時間停止することで合意)(アンカラ)
・トランプ大統領が20年のG7サミットの開催地をマイアミのゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」に決定したとホワイトハウスが発表
・トランプ大統領がペリー・エネルギー長官の辞任を発表
・マルバニー大統領首席補佐官代行がトランプ大統領はウクライナに対し軍事支援の見返りとして16年大統領選挙の際にハッキングされた民主党全国委員会(DNC)のサーバーに関する調査を求めたと発言(直後に撤回する声明を発出)
・米下院の情報・外交・監視の3委員会でソンドランド駐EU大使がウクライナ疑惑に関する非公開の証言(トランプ大統領の顧問弁護士ジュリアーニがウクライナにハンター・バイデンとDNCのサーバーに関する調査を求めたと証言したとの報道)
・米民主党のイライジャ・カミングス下院議員(下院監視・政府改革委員長)が死去
・EU首脳会議(BREXIT協定案を承認)(ブリュッセル、~18日)
・G20財務相・中銀総裁会議(ワシントンDC、~18日)
・ジブラルタル総選挙

10/18(金)
・トランプ大統領が年内に退任するペリー・エネルギー長官の後任にブルイエット副長官を指名
・米国がWTOの判断に基づきエアバスへの補助金を理由とするEUへの報復関税を発動
・ポンペオ国務長官がイスラエルのネタニヤフ首相と会談(エルサレム)
・米共和党のマコーネル上院院内総務がシリア北部からの米軍撤退を非難する論説をワシントン・ポストに寄稿
・アフガンのナンガルハル州のモスクで爆発
・IMF・世銀年次総会本会議(ワシントンDC)
・中国当局が9月上旬頃に北京で北海道大学の教授を務める40代の日本人男性を拘束していたことが判明
・安倍首相がNSCの4大臣会合で中東地域を航行する船舶の安全確保のため自衛隊派遣の検討を指示(菅官房長官はオマーン湾、アラビア海北部の公海、バベルマンデブ海峡の東側の公海を中心に検討すると説明しホルムズ海峡には言及せず)

10/19(土)
・英下院がBREXIT協定案の採決を見送り(BREXITの延期申請をジョンソン政権に義務付ける修正案が可決)
・トゥスク欧州理事会議長が英国のジョンソン首相からBREXITの延期申請を受け取ったと公表
・トランプ大統領が20年のG7サミットのマイアミのゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」での開催をとりやめるとツイート
・米共和党のケーシック前オハイオ州知事がトランプ大統領は弾劾されるべきと発言
・米民主党のオカシオ・コルテス下院議員が20年大統領選挙の同党候補者指名を争うサンダース上院議員への支持を表明
・国際通貨金融委員会(IMFC)(ワシントンDC)
・アフガニスタン大統領選挙の暫定結果の発表が延期

●BREXIT合意、採決見送り、延期申請

以下の記事で述べたとおり、先週はEU首脳会議、BREXIT協定案の議会承認の期限の到来があり、BREXIT交渉は大きな山場を迎えました。わずか1週間で情勢は激しく動きました。

「BREXIT延期申請の期限」(10/14)

まずEU首脳会議の直前という土壇場で英国とEUがBREXIT協定案で合意しました。その内容は、北アイルランドのみ単一市場に残す(それにより英国全体が単一市場・関税同盟に残るというバックストップは回避する)という上記記事の時点で述べたポイントに加え、関税手続き上の境界線は英領北アイルランドとアイルランドではなく英国本土と北アイルランドの海上に引く(アイルランドでは厳格な国境管理を設けず英政府が港湾や空港で税関検査を行う)というものです。

また、北アイルランドへのEU規制適用については、北アイルランド議会が4年毎に判断(単純過半数の議決で決定)することにしています。DUPは単独過半数を確保していないため、当初の英国案で定められていたDUPの「拒否権」は消失しました。

では英議会での採決(meaningful vote)はどうか・・となったところで、今度は土壇場で、保守党を離脱したオリヴァー・レトウィン議員の提案により、協定案の採決を先送りする修正案が322対306で可決されました。

BREXIT協定案の採決は棚上げされたものの、ボリス・ジョンソン首相は従来の立場を変えず「離脱延期は望まない」と明言。しかし、レトウィン修正には従わざるを得ず、離脱延期申請の書簡をトゥスク欧州理事会議長に送りました。ところが、その書簡にはボリスの署名がありませんでした。また、「離脱延期は望まない」と書いた書簡もトゥスクに送られました。

以上のこれまでの動きのポイントについて解説します(※メルマガに限定)。

●米国とトルコのシリアでの軍事作戦停止合意

以下の記事でポイントを解説しましたが、その後、ペンス副大統領がトルコを訪問しエルドアン大統領と会談。米国とトルコはシリア北部でのトルコ軍の作戦を120時間停止することで合意しました。

「米軍のシリアからの撤退とトルコのクルド攻撃」(10/17)

合意の内容は、YPGは停戦の間にトルコが設定した「安全地帯」から撤退し、安全地帯はトルコが管理して、北部の要衝マンビジュに展開したアサド政権軍やロシア軍の扱いはロシアと協議する、トルコが合意を履行すれば米国は経済制裁を解除するというものです。ペンスは、米国が求めた「停戦(ceasefire)」が実現したとして、成果を強調しました。

今回の合意のポイントと今後の展望を解説します(※メルマガに限定)。

●民主党の大統領候補者の第4回TV討論会

おおむね以下の記事で述べた展開になりました。コメントを述べます(※メルマガに限定)。

「民主党の大統領候補者の第4回TV討論会」(10/14)

●米下院の香港人権・民主主義法案の可決

米下院が香港人権・民主主義法案を含む香港デモ参加者を支持する4つの法案を全会一致で可決しました。今後の展望を解説します(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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10/20(日)
・香港で政府に対する抗議デモ
・北京香山フォーラム(~22日)
・インドネシアのジョコ大統領の就任式(2期目)
・スイス総選挙

10/21(月)
・カナダ総選挙

10/22(火)
・即位礼正殿の儀(東京)
・トルコのエルドアン大統領がロシアを訪問

10/23(水)
・香港立法会が「逃亡犯条例」改正案を正式撤回

10/24(木)
・ペンス副大統領がウィルソン・センターで中国政策について演説(ワシントンDC)
・NATO国防相理事会(ブリュッセル、〜25日)
・ECB定例理事会(ルクセンブルク)
・韓国の独島の日

●即位の礼

天皇陛下が即位を宣言される「即位礼正殿の儀」に174か国、国連、EU、パレスチナの首脳ら約400人の外国要人が参列します。

主だったところでは、米国のチャオ運輸長官(当初はペンス副大統領が検討されていた)、中国の王岐山国家副主席、韓国の李洛淵首相、英国のチャールズ皇太子、フランスのサルコジ元大統領、パレスチナ自治政府のアッバス議長、ブラジルのボルソナロ大統領、タイのプラユット首相、フィリピンのドゥテルテ大統領、ミャンマーのアウンサン・スーチー国家顧問・・です。

安倍首相は約50か国の要人と会談するとのこと。これだけの巨大イベントとなるとロジはただごとではなく、外務省は各国の在外公館から応援要員を集めています。私の同期、先輩、後輩も沢山帰国しています。

なお、エルドアン大統領は急遽ロシアに訪問することになりキャンセル。シリア情勢を考えれば当然のことですが、今回の訪日の機会には講演が予定されていて、私も出席する予定だったので、残念でした。

●カナダ総選挙

ジャスティン・トルドー首相が率いる与党・自由党が苦戦しています。経済の停滞に加え、司法介入疑惑や人種差別と受け止められる過去の言動といったトルドー自身のスキャンダルが響いています。オバマ前大統領がエールを送ったことも話題になりました。

ライバルの保守党党首のアンドリュー・シアーは17年に38歳の若さで党首に就任した人物。与野党の支持率は拮抗しており、いずれの政党も過半数を獲れず、連立交渉が始まるという見方が有力です。そうなると、中道左派の新民主党が存在感を増しますが、この政党の党首ジャグミート・シンはやはり17年に38年の若さで党首に就任していますが、シーク教徒で初の非白人党首、フレンドリーな人柄で注目されています。

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あとがき
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Mattis laughs off Trump criticism: ‘I guess I’m the Meryl Streep of generals’(10月18日付CNN)

ツイッターにもだいぶ慣れてきました。読者の方や、おそらくそうでないと思われる方からも、色々なコメントをいただいており、私にも大いに刺激になっています。

さて、ツイッター上でも話題になっていましたが、トランプ大統領から「過大評価された将軍」と言われたマティス前国防長官がアル・スミス夕食会で痛烈な皮肉を披露しました。かつてトランプはメリル・ストリープを「過大評価された女優」と呼んだが、そうすると自分(マティス)はメリル・ストリープの将軍版ですね、と述べたのです。

マティスが将来牙をむく可能性については以下の記事で書いたとおりですが、このジョークが口火といえるのかもしれません(笑)。

「マティス前国防長官の回顧録」(9/9)

ちなみにアル・スミス夕食会は、毎年開かれる名物のチャリティー行事で、参加者が自虐的なジョークを披露することが恒例となっています。私も2回取り上げていました。

「ライアンのトランプ批判」(17/10/23)
「米国大統領選:第3回テレビ討論会」(16/10/25)

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2 comments on “今週の動き(10/20~26)
  1. KB より:
    日本対南ア

    迫力の試合でした。しかし、私のような100%にわかファンの強い味方は、TwitterのJDさんのつぶやきでして。(ちなみに、Twitterはフォローだけ(見るだけ)しかできていないのですが、とても重宝しています!)
    南ア国歌の話とか、ブログを再読して、改めて国歌斉唱を拝聴して、気持ちを入れて観戦できました。
    それにしても、米イラン。ここまで米国が維持してきたラインをエルドアンがぐいぐい超えてくる感じがします。そうはさせまいと共和党が踏ん張っている様子を興味深く読みましたが、ここにマティス将軍の話も加わると、トランプもそんなに楽な立場じゃないのかもな、と思ったり・・・制裁の行方も気になります。
    民主党の討論会の話もそうですが、こうして丁寧にチェックし続けていただくと、少しずつの変化でも移り変わりが分かり、興味深いですね。いつもありがとうございます。

  2. china より:
    トルコ・香港・討論会

    トルコのBBCリークの意図は面白いですね。本当にどこかコントじみたリーク記事だなと思っていました。今回の停戦合意、実質的にトルコが勝っていると思いますが、はたから見ると米国の功績のように見えますものね。それを上塗りできるくらいインパクトのある新しい情報が必要だったということでしょうか。こういうことを(どんな内容の記事をリークしたらベストか、とか)政権内で真剣に議論している場面を想像するとちょっと面白いです。

    香港と言えば、以前あとがきでご紹介頂いたチャンネル登録数1憶を誇る人気ユーチューバー「ピューディパイ(PewDiePie)」が、香港を紹介するビデオを投稿した後、中国においてコンテンツへのアクセスを禁止された模様。今に始まった話ではありませんが、香港問題に対してはシビアになっている様子が伺えます。
    https://twitter.com/DailyCaller/status/1185948818874884100
    ※あとがき 2019/8/19
    https://guccipost.co.jp/blog/jd/?p=7830

    今回の討論会、私的ベストプレーヤーは文句なしにブティジェッジですね。冒頭からラストまで強かったという印象です。序盤ではウォーレンのメディケアに対する計画性のなさを突き、かつ自身のメディケアビジョンを明確に提示、ガンコントロールではベト・オルークを「勇気について教えてもらう必要はない」と一刀両断、海外派兵問題ではガバードに若干しつこく質問を重ねられた場面でも上手く切り返すことが出来ていました。
    これまでの討論会と比べて今回のブティジェッジはややオフェンシブに感じたので、バイデンが失速してくる可能性を視野に入れて、仮にそうなった場合の中道派の受け皿となるべく徐々にギアを上げ始めたのかな・・?と思ったりしています。
    立候補時に彼がどれだけ本気でノミネートを狙っていたのか分かりませんが、いったん始まるとお金も人も大々的に動くわけですから、たとえわずかでもそこに勝機を見出したのであれば、その気運を全力で掴みに行くのは候補者として当然ですよね。数字的にはまだ弱いですし道のりは長いですが、トップ3以外の誰か・・を考えた際、現時点で駆け上がってくる可能性が一番高いのは彼のように感じます。

    50か国の会談は凄いですね。関係者は目が回る程忙しいのではないでしょうか。わーい、お休みだ、なんて浮かれていて申し訳ない気持ちになります。こういう国の中枢にいる方々がしっかりと取り組んで下さっているから、私達は日々、平和で安全に暮らせているのですね。ありがたいことです。

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