2019/08/05 00:00 | 今週の動き | コメント(5)
今週の動き(8/4~10)
17年8月にメルマガを始めて2年が経ちました。早いものですね。
読者の皆様に支えられてここまで続けることができました。コメントやお便りはもちろん、購読者数が伸び続けていることも、大変励みになっています。今後ともよろしくお願いいたします。
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先週の動き
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7/28(日)
・トランプ大統領がコーツ国家情報長官の8月15日付の退任とジョン・ラトクリフ下院議員の後任指名をツイート
・カリフォルニア州ギルロイのイベント会場で銃乱射事件
・イランの核合意当事国の次官級会合(イラン出席)(ウィーン)
・北朝鮮の対南宣伝サイト「わが民族同士」が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を韓国に要求する論評を掲載
・香港で「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求めるデモ
・台湾の国民党の党大会(次期総統選の候補に韓国瑜・高雄市長を指名)
・ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイが急性アレルギー反応で病院に緊急搬送(29日に退院し再収監)
7/29(月)
・トランプ大統領が黒人運動の指導者アル・シャープトンは「詐欺師」「白人と警官が嫌い」とツイート
・米財務省が国連安保理の制裁決議に違反して北朝鮮のミサイル開発に関与したとしてベトナムに拠点を置く貿易会社の幹部(北朝鮮国籍)を制裁対象に追加
・ASEAN関連外相会議(バンコク、~8/3)
7/30(火)
・米中閣僚級通商協議(上海、~31日)
・ポンペオ国務長官がタイ、豪州、ミクロネシアを訪問(~8/6)
・カリフォルニア州で大統領選の予備選の立候補者に税務申告書の開示を義務付ける法律が成立
・民主党の大統領候補者の第2回テレビ討論会(デトロイト、~31日)
・FOMC(〜31日)
7/31(水)
・米・モンゴル首脳会談(ワシントンDC)
・米財務省がイランのザリーフ外相への経済制裁を発表
・米国がホルムズ海峡周辺を航行する船舶の安全確保に向けた有志連合構想について関係各国に説明(バーレーン)
・米上院がケリー・クラフト駐カナダ大使の国連大使就任を承認
・FOMC最終日(10年半ぶりの利下げ、FF金利の誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げ(2~2.25%))
・オサマ・ビン・ラディンの息子ハムザ・ビン・ラディン(イスラム過激派の指導者とみられ米国が情報提供に100万ドルの懸賞金)が死亡したとの報道
・北朝鮮が東部の元山付近から2発の短距離弾道ミサイルを発射
・ASEAN外相会議、中・ASEAN外相会議(バンコク)
8/1(木)
・トランプ大統領が対中追加関税第4弾(3000億ドル相当額の中国製品に10%の追加関税)を9月1日に発動するとツイート
・日米閣僚級通商協議(ワシントンDC、~2日)
・米上院が連邦政府の歳出上限と債務上限の引き上げを定めた法案を可決
・米中外相会談、米・ASEAN外相会議(バンコク)
・日中外相会談、日韓外相会談、日米豪閣僚級戦略対話、日・ASEAN外相会議(同)
・英下院の補欠選挙(自由民主党が勝利)
・シリアのアサド政権が反体制派の最後の拠点であるイドリブ県周辺地域の停戦に条件付きで同意したとシリア国営メディアが報道
8/2(金)
・トランプ大統領がEUへの米国産牛肉の輸入拡大についてEUと合意したと発表(合意書に署名)
・トランプ大統領が北朝鮮の短距離ミサイル発射について「国連決議違反かもしれないが金正恩は私を失望させたいとは思っていない」とツイート
・トランプ大統領がジョン・ラトクリフ下院議員の次期国家情報長官指名を撤回するとツイート
・米ロの中距離核戦力廃棄条約(INF条約)が失効
・米国務省がロシアは化学兵器の使用停止を確約していないとして追加の経済制裁を科すと発表
・エスパー国防長官が日本、韓国、豪州、NZ、モンゴルを訪問
・米連邦政府の歳出上限と債務上限の引き上げを定めた法律が成立(20・21会計年度の「裁量的経費」を計3200億ドル積み増し、債務上限を21年7月まで凍結)
・北朝鮮が東部の咸鏡南道から2発の飛翔体を発射
・ASEAN+3外相会議(バンコク)
・東アジアサミット(EAS)参加国外相会議(同)
・ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合(同)
・中・カナダ外相会談(同)
・日米韓外相会合(同)
・日本が韓国を「ホワイト国」から除外する政令改正を閣議決定(8月28日から政令施行)
・RCEP閣僚会合(北京、~8/3)
・EUがIMF次期専務理事候補をクリスタリーナ・ゲオルギエバ世銀CEO(ブルガリア出身)とすることで合意
・ロシアのメドベージェフ首相が択捉島を訪問
8/3(土)
・テキサス州エルパソのショッピングモールで銃乱射事件
・北戴河会議(推測、~8月中旬)
・香港で「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求めるデモ
・ロシアのモスクワで9月のモスクワ市議選への独立系候補の出馬が認められなかったことに抗議するデモ(800人が拘束)
●トランプの対中追加関税第4弾の発動宣言
トランプ大統領が突然に対中追加関税第4弾を9月1日に発動するとツイート。3000億ドル相当額の中国製品に10%の追加関税をかけるというもので、5月にUSTRが発表した品目が対象になると予想されます。これによってほぼすべての中国製品に追加関税が課されることになります。
・「米国の対中追加関税第4弾と中国の関税引き上げ」(5/20)
トランプはツイッターで、中国は、農産品の輸入拡大と米国でのフェンタニル(オピオイドの一種)の販売停止を約束したのに、履行していないと不満を述べています。6月の首脳会談で約束したことを中国は守っていないという、従来の主張を繰り返したものです。
・「米中首脳会談」(7/3)
トランプのツイートは米中閣僚級通商協議の直後のタイミングでした。突然の発表に驚きはありましたが、大筋の展開は上記記事で述べた見通しに沿ったものでした。トランプの思惑と今後の展望について、今週解説します。
●米国とフランスのデジタル課税をめぐる争い
フランスが導入に踏み切ったデジタル課税に対して、トランプ大統領が厳しい批判を浴びせています。先月、「マクロン大統領の愚かな行いには大規模な報復措置をとる」「私はいつもフランスのワインより米国のワインの方が良いと言ってきたんだ!」とツイートしました。
・「今週の動き(7/28~8/3)」(7/29)
酒を飲まないのになんで・・とツッコミたくなりますが(笑)、これにはワケがあります。この点を含めてコメントします(※メルマガに限定)。
●トランプのアフリカ系議員攻撃
トランプ大統領は、非白人の女性議員「スクワッド」への攻撃に続いて、今度は著名なアフリカ系下院議員のイライジャ・カミングス、さらに米国を代表するアフリカ系公民権活動家であるアル・シャープトンを激しく非難。マイノリティに対する差別的発言はさらに激しさを増しています。
・「トランプ対『スクワッド』」(7/22)
トランプの挑発的な言動の背後にはどのような思惑があるのか。解説します(※メルマガに限定)。
●民主党の大統領候補者の第2回TV討論会
民主党がミシガン州デトロイトで第2回大統領候補討論会を開催しました。出席者と見どころは前回の記事で述べました。
・「民主党の大統領候補者の第2回TV討論会」(7/29)
第1回に続いて(以下の記事参照)、今回も大変見ごたえがありました。今週、解説します。
・「民主党の大統領候補者の第1回TV討論会」(7/5)
●日本の対韓輸出管理の強化と日米韓外相会合
日本が韓国を「ホワイト国」から除外する政令改正を閣議決定。政令改正は8月28日から施行されます。なお、「ホワイト国」の名称は「グループA」に変更され、「非ホワイト国」は「グループB~D」の3つのカテゴリーに改称されることになりました。
バンコクでのASEAN関連外相会議の機会に日韓外相会談と日米韓外相会合が開催されましたが、日本の決定に影響が及ぶことはありませんでした。この展開とポイントは以下の記事で述べたとおりです。
・「日本の韓国に対する輸出規制」(7/10)
・「日本の韓国に対する輸出規制(補足)」(7/15)
韓国の康京和外相は、ポンペオ国務長官は米国も関与する、日本の決定に対して「重大な懸念」をもっていると発言したと述べていますが、河野外相はポンペオはそうした発言はしていない、とはっきり否定しています(外務省HPの記者会見参照)。
週明けに国務省の記者会見があれば、このニュアンスの違いについて質問が出るでしょうが、オルタガス報道官は立ち入った答えを避けるでしょう。元徴用工問題含め、米国が日韓の二国間問題に真剣に関与するとは考えにくいことは、以下の記事で述べたとおりです。
・「韓国の元徴用工問題に関する仲裁委員会の設置への回答拒否」(7/22)
もちろん、韓国の輸出管理の不十分さについては、北朝鮮やイランをめぐる安全保障の問題として、米国も見過ごせない問題になります。また軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄は、米国にとっても他人事ではないので、韓国に自制を促すことは確実です(GSOMIAを破棄する場合の通告期限は8月24日)。
文在寅政権の支持率は8か月ぶりに50%台に回復しています。日本の決定に対して強硬姿勢を打ち出すことで政治的には利益を得ている格好です。このまま方針が変わることはないでしょう(ただGSOMIAの破棄はさすがに難しいと思います)。予想されたことですが、それでも経済界や次世代には反発も高まっているという見方もあります。長期的な視点で見る他ありません。
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今週の動き
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8/4(日)
・米豪外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(シドニー)
・オハイオ州デイトンで銃撃事件
・イランの革命防衛隊の艦船がペルシャ湾岸を航行中の外国タンカーを「石油の密輸をしていた」疑いで拿捕したとイラン国営メディアが報道
8/5(月)
・米韓合同軍事演習(~20日)
・香港で「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求めるゼネスト
8/6(火)
・台北の柯文哲市長が創設した新政党「台湾民衆党」の結党大会
・ペルー主催のベネズエラ情勢に関する国際会議(リマ)
8/10(土)
・ロシアのモスクワで9月のモスクワ市議選への独立系候補の出馬が認められなかったことに抗議するデモ
●夏休み
日本はお盆がありますが、欧米も夏休みモードに入り、政治もビジネスもペースが落ちます。私も、この時期に出張しても、先方が夏休みで不在ということが多いので、なるべく時期をずらすようにしています。
トランプ大統領も、昨年と同様、8月8日から18日まで「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ」があるニュージャージー州ベッドミンスターで過ごす予定のようです(同時期に同地域に航空規制が適用されたことから推測)。
まあ、しかしトランプは、「自分はいつも仕事をしている」「休暇もワーキング・バケーション」と称しています。「オバマ大統領は長い夏休みをとっていたが、自分は休暇などとらない!」と宣言していた手前もあるのでしょう。したがってツイッターも、減ることはあってもなくなることはなく、残念ながら、我々もワーキング・バケーションに付き合わざるを得ないようです(笑)。
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あとがき
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■ ケヴィン・スペイシーさんに対する起訴取り下げ、強制わいせつ事件(7月18日付AFP)
これは・・!!朗報でしょうか。ぜひ『ハウス・オブ・カード』の真の最終シーズンを作って欲しいものです。
まあ、『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終シーズン作り直しと同様、絶対にない話でしょうが・・(苦笑)。
海外ドラマは、『ダウントンアビー』を見終わった後、『シリコンバレー』を見ています。面白いです。ただすぐに見終わってしまいそうなので(現在シーズン6が制作中とのこと)、何かお勧めがあれば教えて下さい。
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5 comments on “今週の動き(8/4~10)”
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「アメリカのワインの方がいいんだぞ!」デジタル課税の腹いせで言っているのかと思いきや、ミスターセールスマン、ビジネスマン魂恐るべしですね。ただ、ワイナリーを持っていても、バージニアの勝敗は、別問題ということですね。Twitterでみると素敵なワイナリーですが、そこら中に、「TRUMP」とか「T」が散りばめられていて、さながら大統領選の応援グッツのようです(苦笑)
そのトランプの強烈な攻撃。燃料投下になるのか、自分に火の粉が降りかかるのか・・・。民主党陣営の出方によっても変わりそうで、討論会の解説、楽しみです。
メルマガ丸2年、おめでとうございます!こちらもJDさんの毎回面白くダイナミックな解説に誘われ、あっという間の2年でした。世界情勢から文化芸術、エンタメ、スポーツと自在に広がるJDさんの視野の広さに、全く飽きずに自然体で読み続けてこられました。これからもよろしくお願いします!
ご指摘のトランプのツイッター4連投ですが、わざわざ中国まで代表者が出向いたのに何の進展もなくて相当腹立たしかったのかな?と思っていました。だけどその4連投の中で追加関税の脅しをかけながらも、最後は「両国の輝かしい未来のために積極的な対話を続けましょう」的な締めになっているんですよね。本当は怒り心頭だけれども今後の事を考えると怒りっぱなしも良くないか・・、的な打算が働いて4投目だけえらい前向きな内容になったのかな、などと色々考えるととても面白いです。『冷静と情熱のあいだ』ではないですが、「怒りと打算の狭間」でトランプも揺れ動いたのでしょうか。
TV討論会も面白かったですね。JDさんが仰っていたハリスの検事時代についても、ガバードが見事にカウンターパンチを入れていて興味深かったです。もう一つ見ていて面白かったのは、ブッカーとバイデンの「criminal justice plan」での掛け合いです。特にバイデンが「未来の大統領はここにいる」と言いながらブッカーの腕を掴んだシーン。おお、これが伝家の宝刀、バイデンのボディータッチか、と思いながら、ブッカーもまんざらでもない表情で楽しそうだなと思いました。
世間は夏休みモードですね。心なしか街に人が少ないような気がします。空が突き抜けるように青くて蝉の声も聞こえてきて、夏好きとしては素敵な季節がやってきたなと心が躍ります。
メルマガ2周年おめでとうございます。
思い返せば2年前、米国の2大政党の名前も知らないくらい無知だった私が、JDさんのメルマガを恐る恐る読み始め、今では世界情勢を楽しめるようになったことに加え、自分なりの考えを持つことが出来るようになりました。
以前もお話ししましたが個人的には、情報を得るだけにとどまらず、思考力を鍛えるツールとしてこのメルマガを活用することに相当程度の有益性を見出しております。一人でも多くの読者の方にこのメルマガ・ブログの魅力が伝わることを期待します。
3年目も更なる飛躍を遂げられますよう、心よりお祈り申し上げます。
『イミテーション・ゲーム』では、多大なる投資額をかけ、かつ命をかけて設定した「アルゴリズム」と称される(AI先駆けと表記されていらっしゃいましたが)ものが、『シリコンバレー』では、ファイイルサイズ圧縮のアルゴリズムとして利用されていました(ネタバレ、すみません)。
時代の変遷を感じます。自身の軸を以て世の中を読み解くアルゴとしても、JDさんがお書きになられる本メルマガは、必読ですね。
>KBさん、chinaさん
2年間(メルマガ開始前のブログも含めればもっと長いですね)お付き合い下さり、誠にありがとうございます。
いつもコメントに励まされております。
chinaさんは謙遜されているのでしょうが、おっしゃるとおり知見が磨かれたとすれば、驚愕すべきことですね。磨かれ過ぎて、今回のコメントのように、私が書こうとしたことを先に書かれてしまうこともあり、心配になります(笑)。
これからもよろしくお願いします。
>non-geek ITさん
ありがとうございます。
たしかに、何の因果か、アルゴリズムを通じて、イミテーション・ゲームからシリコンバレーまでつながりましたね。鮮やかなご指摘でした。文体も、何か私の言い回しをうまく使って下さっているような趣もあって、うれしかったです。
必読とおっしゃっていただいて、光栄です。またご意見お聞かせ下さい。