2018/01/08 00:00 | 今週の動き | コメント(5)
今週の動き(1/8~14)
本日は成人の日で休日ですね。でもメルマガの配信とHPの更新は続けます(笑)。
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先週の動き
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1/1(月)
・金正恩が「新年の辞」を発表
・イラン各地で反政府デモ(昨年12/28から継続)
・トランプ大統領がツイッターでパキスタンを批判
1/2(火)
・トランプ大統領がツイッターでパレスチナを批判
1/3(水)
・イラン革命防衛隊のジャハリ司令官が反政府デモの終結を宣言
・マイケル・ウォルフ『炎と怒り』(1月5日発売)でバノン氏がドナルド・トランプ・ジュニア氏のロシア人弁護士との面会を「反逆」と呼んだのを受け、トランプ大統領がバノン氏を批判
・マナフォート元選対本部長がモラー特別検察官とローゼンスタイン司法副長官を権限逸脱などでワシントンの連邦地裁に提訴
・米議会が再開
・韓国と北朝鮮の南北直通回線が再開
1/4(木)
・トランプ大統領と文在寅大統領が電話会談し平昌五輪開催中に米韓合同軍事演習を実施しないことで合意
・米国がタリバンへの対策が不十分としてパキスタンへの軍事支援を停止
・米国が弾道ミサイル開発への関与を理由にイランの5団体を制裁対象に指定
1/5(金)
・韓国が南北高位級会談を1月9日に板門店で行うと発表
・中国が北朝鮮への原油輸出の制限を発表
1/6(土)
・トランプ大統領が金正恩との直接対話の可能性に言及
●イランの反政府デモ
沈静化に向かっているようですが、大きなインパクトを与える事件です。今週、詳しく解説します。
●トランプとバノンの決裂
1月9日に発売される予定だった(その後前倒しされ1月5日に発売された)トランプ政権の暴露本『炎と怒り』でスティーブ・バノンがドナルド・トランプ・ジュニアを批判したことを受け、トランプがバノンを猛烈に批判。「バノンは自分と自分の職務とはまったく関係がない」「彼は解任されたとき正気を失った」という声明を発表。
翌4日、バノンはブライトバート・ラジオでトランプとの団結を強調。しかしトランプは「彼は昨日は態度を変えていたが、分からない」「彼とは話さない」と述べ、もはや両者の決裂は避けられない状況にみえます。
この事件をどう読み解くかは、状況がいまだ流動的なこともあり難しいですが、現時点でいえることを今週解説します。
●北朝鮮
南北対話の進展と米韓合同軍事演習の中断決定がありました。
これを米国は北朝鮮に対する圧力の効果の表れと評価しています。それもあるでしょうが、おそらく北朝鮮は、核・ミサイルの開発を国内向けに十分アピールできたとみて、対話を政策のオプションに加えてきたのでしょう。
ここで韓国が北朝鮮に都合の良いかたちで取り込まれると過去の過ちを繰り返すことになります。このことは以下の記事をはじめ何度も論じてきました。
・「トランプ政権の北朝鮮外交」(17/8/15)
米国はそのことをよく分かっているので、圧力外交を緩める気配はありません。トランプは直接対話の可能性に言及しましたが、前出記事で述べた、恫喝と交渉を柱とするトランプ流交渉術に基づくものでしょう。
中国も、引き続き北朝鮮への圧力を高めています。その意味で、これまでの分析から大きく変わるところはありません。
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今週の動き
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1/8(月)
・金正恩の誕生日
1/9(火)
・韓国と北朝鮮の南北高位級会談
1/12(金)
・チェコ大統領選(~13日)
・安倍首相がバルト3国・東欧3か国を訪問(~17日)
(週内)
・トランプ大統領がイランの核合意の履行状況を議会に報告、イラン制裁のウェイバー更新を判断
●イラン核合意
昨年の記事で述べたとおり、イラン核合意について、米国政府は一定期間ごとにイランの合意の履行状況を議会に報告し、大統領は制裁を「一時停止」する大統領令(ウェイバー)を更新するか判断する必要があります。
・「今週の動き(12/18~24)」(17/12/18)
その期限は1月15日。したがって、今週中にトランプがその判断をすることになります。
これまでウェイバーは更新しながら、前回(昨年10月)の議会報告では合意の履行を「認めない」という方針をとりました。その意味は以下の記事で述べたとおりです。
・「トランプ政権の新イラン戦略」(17/10/17)
トランプ政権は「国家安全保障戦略」でイランへの強硬姿勢を示し、イランでの反政府デモでもイラン政府を刺激する発言をしています。
・「今週の動き(12/25~31)」(17/12/25)
こうした状況でどのような判断を下すのか。おそらく前回と同様、ウェイバーを更新し、議会報告では合意の履行を「認めない」というのでは・・と思いますが、ここは慎重なウォッチが必要です。
●チェコ大統領選
ミロシュ・ゼマン大統領の再選が予想されます。
チェコといえば、昨年10月の下院選で「チェコのトランプ」といわれるアンドレイ・バビシュ率いる新興政党が勝利し、バビシュは12月に首相に就任しました。
・「今週の動き(10/23~29)」(17/10/23)
ゼマンは今回の大統領選を有利に進めることも念頭にバビシュと協力関係を結んでいます。もともとゼマンは親ロシア、反移民の傾向が強く、EUに懐疑的で反移民のバビシュとは政策的な親和性もあります。
なお、ゼマンは強力なトランプ支持者であり、その反移民、テロ対策、親イスラエル政策を評価しています。エルサレム首都認定にも支持を表明し、EUのトランプ批判を非難しました。
トランプが大統領選で勝利した直後には、トランプの元妻でチェコ出身のイヴァナが米国の駐チェコ大使にふさわしいという迷言(?)を残しています。
もっとも、ゼマンに限らず、チェコを含む東欧諸国は、西欧と比べるとトランプに対するネガティブな感情が少ない傾向にあります。
昨年7月、トランプはポーランドを訪問しましたが、このときも、その前の西欧各国への訪問と比べるとそれなりに歓迎されています。
・「今週の動き(7/10~16)」(17/7/10)
かつてブッシュ政権がイラク戦争をめぐり西欧諸国と対立したとき、ドナルド・ラムズフェルド国防長官は西欧を「古い欧州」、中東欧を「新しい欧州」と呼んで、軍事協力を中東欧にシフトしました。
トランプ政権でも同じような風景が見えています。米欧関係の新たな構造を示すものといえるでしょう。
ちょうど今週、安倍首相が東欧(ブルガリア、ルーマニア、セルビア)を訪問しますが、こういう観点から東欧の政治を見ることも重要です。
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あとがき
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星野仙一氏が死去。まだ70歳・・若かったですね。
中日、阪神、楽天と3球団の監督としてすべて優勝というのは偉業ですね。昭和後期のプロ野球に思い入れが深い私には、中日監督時代が最も強い印象があります。落合と牛島らとのトレードは、当時あり得なかったスケールで、度肝を抜かれました。
阪神のときは米国にいたのであまり見てないのですが、楽天の日本シリーズはすごかったですね。ご冥福をお祈りします。
プロ野球といえば、日経新聞「私の履歴書」の江夏豊。以下の記事で取り上げましたが、昨年末に連載が終了しましたね。
・「2017年の回顧」(17/12/18)
非常に読み応えありました。江夏というと、後年の過ちもあり、実力はあるが無頼・・というイメージが強かったですが、今回の連載を読んで、人間性の深さが伝わりました。
印象深かったのは、阪神の2年目、25勝と401奪三振(今なお歴代最高記録)をとったときが最盛期だった、その後は故障との戦いで満足いく投球はできなかった・・というくだり。それで広島と日ハム時代にMVPをとるのだから、最盛期はどれだけ凄かったのだろうと。
私の父親は、ただの一野球ファン(福井出身の阪神ファン)に過ぎませんが、「自分が見た中で最高の投手は江夏」と言い切っていました。今回の連載を読んで亡くなった父との思い出がよみがえりました。
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5 comments on “今週の動き(1/8~14)”
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組織を掌握するための決断力や実行する意志の力が凄い方なのに、人情に厚いところが魅力だと思いました。
特に不要になった選手やコーチを放出する力は抜けたところがあります。
どっかのジャパンダ監督にその力があれば・・・・。
だけど、最後まで見捨てない人情味、面倒見の良さがあるのだと思います。
想像ですが、星野さんの楽天での最後の仕事は、去年の末に、監督就任時に放出した中心選手の渡辺直人選手を戻したことじゃないかと思ってます。
最後まで、気にかけていたのかもしれませんね。
ホワイトハウスと・・
大統領府との声明・・
微妙に違い・・
本心では・・トランプ・・蝋燭大統領を疑い深く・・値踏みしている雰囲気。
誰が観ても・・
蝋燭殿は北の影の大統領・・
近く行われる両国会談も・・
韓・・北のベテランシンパ出席・・両国の狙いが明らかになる・・
習皇帝・・三月までは・・我慢の子で待つか・・
米民主党サンダース・・大統領候補者として・・断トツ・・トップ支持率・・
トランプとバノン・・古狸と古キツネ・・化かすのが巧い・・
( ^ω^)・・・(笑
北朝鮮と核合意、気になりますね。
今週だけでも、不確定要素が山ほどあるのに、マーケットの賑やかなこと。
不謹慎な表現ですが、よくわからないからこそ、面白い、とも言えますが、やはり不気味ですね…
トランプさん、直接交渉に本当に揺るぎない自信持ってるんでしょうね。
金正恩さんも、アメリカとの直接交渉をずっと待ち続けて来た方だからどうなるか、ちょっと楽しみ。早く現実化してほしいです。
関係ないけど、今日ニュースで見たスイス留学時代の金正恩さん、TV版の特命係長・只野仁に出てくる野村課長にそっくりでちょっと笑えました。
3球団を優勝させたのは、三原・西本・星野だけらしい。星野は男の中の男といわれているが、厳しいがやさしい母ちゃんにしか見えない。島岡監督もそのタイプでは。男と言うのは広岡監督のような事を言うのでは。三菱重工の中間管理職だった父は生まれる前に亡くなり、母は重工の寮母などで生活をしのいでいたらしい。プロ入団しなければ重工野球部だったろう。そのプロも巨人が星野・田淵の二股かけたあげく無名選手を指名。以後巨人憎しで二人は戦った。星野は田淵の様には才能に恵まれていなかったが、あのハエのとまるような遅い球で巨人のV9時代に146勝もしたのは驚きだ。
ただ星野はONと死闘したがその向こうにいる川上監督を見て、自分の父にしたのではないだろうか。弟子入りした時、お前ONがいたからV9できたと思っているだろう、と川上に図星を言われた、というのには笑えた。父を得られなかったら名監督にはなれなかっただろう。
しかし私はそれより山本浩に驚いた。中距離打者から才能だけで打っている田淵をしのぐホームラン打者になったあの技術に憧れた。王貞治の変身と同じくらいの技術革新と瞬間の仕留め方だった。広島にも黄金時代があったわけだ。