2017/12/11 00:00 | 今週の動き | コメント(2)
今週の動き(12/11~17)
寒い日々が続きますが、週末は好天に恵まれましたね。
あとわずかでクリスマス、年末・・最近は本当に時間の流れが速いと感じます。
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先週の動き
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12/4(月)
・米韓合同軍事演習(~8日、韓国)
・ティラーソン国務長官がブリュッセル、ウィーン、パリ訪問(~8日)
・トランプ大統領と共和党全国委員会がアラバマ州上院補選候補のロイ・ムーアを支持
・英国のメイ首相とEUのユンケル委員長が会談
12/5(火)
・フェルトマン国連事務次長が訪朝(~8日)
・米上院がキルステン・ニールセン大統領次席補佐官の国土安全保障長官就任を承認
・民主党のジョン・コンヤーズ下院議員がセクハラ疑惑で辞任
・レバノンのハリーリ首相が辞任を撤回
・GCC首脳会議(クウェート)
・NATO外相理事会(ブリュッセル、〜6日)
・国際オリンピック委員会がロシアの組織的なドーピングを認定し、18年の平昌五輪からの排除を決定
12/6(水)
・トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定
・ドナルド・トランプ・ジュニア氏がロシア疑惑に関し下院情報特別委員会の非公開会合で証言
・プーチン大統領が18年3月の次期大統領選に出馬を表明
12/7(木)
・米上下両院がつなぎ予算案を可決
・民主党のアル・フランケン上院議員がセクハラ疑惑で辞任
・ポーランドのシドゥウォ首相が辞任
・ネパール下院選第2回投票
12/8(金)
・日欧EPAの交渉が妥結
12/9(土)
・イラクのアバディ首相が「イスラム国」に対する勝利を宣言
12/10(日)
・WTO閣僚会合(ブエノスアイレス、~13日)
先週は米国のニュース尽くしでした。
●米国のエルサレム首都認定
世界を揺るがした衝撃的な宣言でした。
その宣言の背景、意味、影響について、今週詳しく解説します。
どの報道や分析よりも緻密、正確、かつ大胆(笑)という自信がありますので、ご期待ください。
●政府閉鎖の回避
9月に「ペローシ・シューマー・トランプ合意」により成立したつなぎ予算は12月8日に失効するところでしたが、その前日に何とか新たなつなぎ予算が成立しました。
しかし、この2回目のつなぎ予算も22日に失効するので、それまでには新たな措置を講じる必要があります。後述する税制改革法案の調整もあり、予断を許さない状況が続きます。
一つの見通しは、22日の前に3回目のつなぎ予算を成立させ、来年からの新会期に問題を先送りにするというものです。これが最も有力な見方と思われます。
●米政界のセクハラ問題
毎週お伝えしているセクハラ問題。
・「今週の動き(12/4~10)」
・「今週の動き(11/27~12/3)」
・「今週の動き(11/20~26)」
まず、共和党で批判を浴びているのがロイ・ムーア上院議員候補。
共和党はムーアをアラバマ州上院補選候補とするかどうかで大揺れになっていましたが、補選を目前に控え(後述の「今週の動き」参照)、ついに先週、トランプ大統領と共和党全国委員会がムーア支持を決定しました。
一方、民主党で批判を浴びているのがジョン・コンヤーズ下院議員とアル・フランケン上院議員。
この2人は、民主党内からも激しい批判を受け、ついに先週、議員辞任を発表しました。
コンヤーズは88歳、1965年から下院議員を務めている重鎮で、公民権運動、ブラック・コーカスの創設など多大な功績を残しました。フランケンは人気コメディアン出身で弁舌が冴え、リベラルな活動に熱心で、未来の大統領候補ともいわれました。民主党の功労者と次代のホープが残念なかたちでキャリアを終えることになりました。
実際のところ、ムーアと比べると、この2人が犯した(といわれる)過ちはずっと軽いものです。しかし、結果として、ムーアは残り、コンヤーズとフランケンは去ることになりました。
共和党と民主党、それぞれ対照的な結果になったわけです。
そして、ムーアは、次に述べるとおり、いよいよアラバマ州上院補選に臨むことになります。
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今週の動き
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12/11(月)
・EU外相理事会(ブリュッセル)
12/12(火)
・アラバマ州上院選補選
・FOMC(~13日)
・韓国の文在寅大統領が訪中
・イスラム協力機構(OIC)臨時首脳会議(米国のエルサレム首都認定問題を議論)(イスタンブール)
12/14(木)
・EU首脳会議(ブリュッセル、~15日)
12/15(金)
・ユーロ首脳会議(ブリュッセル)
12/17(日)
・チリ大統領選決選投票
●アラバマ州上院補選
アラバマ州は典型的な南部州で、白人保守層が多く、順当に行けばムーアの勝利は間違いなかったところです。ところがムーアの性的スキャンダルが問題になってから支持率は急落。
直近の世論調査では民主党候補のダグ・ジョーンズとの差はわずか。大接戦になっています。
共和党にしてみれば、牙城であるアラバマを落とすことになると大打撃です。特にムーアを推したトランプにも火の粉が及ぶでしょう。
今回の一連のセクハラ問題の中では、トランプも以下の記事で述べた大統領選中のビデオテープでの発言があらためて問題視されていました。
・「今週の動き(10/10~16)」
・「米国大統領選:第2回テレビ討論会」
共和党議員にしてみれば、トランプには共和党のモラルを汚されまくっているという気持ちでいっぱいです。この上さらにモラルの問題があるムーアを推され、フラストレーションを高めているはずです。そしてここでまさかの敗北となればトランプには大きな逆風が吹きます。
たとえ勝ったとしても、信仰心の厚いアラバマ州の白人保守層にとって、14歳の少女と性的関係をもったといわれるムーアを受け入れることは苦渋の選択肢です。
いずれの結果になっても共和党には深い傷が残るでしょう。
●税制改革
込み入った話は省略して結論だけ述べると、先週可決した上院の案は土壇場で下院の案に寄せた修正をしており、両院の相違点のうち重大なものの多くは解消されています。
このため、年内での法案成立の機運が急速に高まっています。議会の正式な会期日程は今週いっぱいですが、前述のとおり、政府閉鎖を解決するためのつなぎ予算の審議も必要になるので、延期されることは確実です。
それでも、以前の記事で述べたとおり、DACAへの対応をめぐる共和党と民主党の対立もあり、年始にずれ込む可能性は十分にあります。
また、以下の記事で述べましたが、この法案は国民の間では極めて不人気であり、直近の世論調査では支持率がわずか29%。
このため、上院で再議決する際、ボブ・コーカーのみならずスーザン・コリンズ、ジェフ・フレークなどさらなる造反者が出てくる可能性は否定できません。
さらに、アラバマ州上院補選でムーアが敗北し、民主党のジョーンズが勝つことになれば、ますます状況は不透明になります。
共和党は何としてもこの法案を成立させるつもりで、強行突破をはかっており、最終的に成立する可能性は非常に高いです。それでもなお以上の不安定要因があり、確実とはいいきれません。
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あとがき
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■ 「ハウス・オブ・カード」最終章、来年制作を再開 ケビン・スペイシー抜き(12月5日付CNN)
ケビン・スペイシー降板は残念ですが、まずは朗報ですね。
それにしてもあの主人公を演じることができるのは誰なのか・・。
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2 comments on “今週の動き(12/11~17)”
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奥方以外居ないのでは・?
( ^ω^)・・・(笑
ケビン・スペイシー抜きとは、ワサビ抜きのお寿司みたいな・・・?
でも、早く観たいですね。
アラバマ州選挙は、どっちに転んでも・・という感じですが。
結果が楽しみですけれど、共和党にとっては勝っても負けてもいばらの道ですかね。
「米国のエルサレム首都認定」本編の解禁が楽しみです。