2016/10/13 01:05 | 米国 | コメント(4)
米国大統領選:第2回テレビ討論会
●第2回討論会
「第1回テレビ討論会」と比べると、さらに面白くない討論会でしたね。
ただ、「第1回テレビ討論会のポイント」で述べたとおり、テレビ討論のポイントは、失点を防ぐことと相手の弱さを強調することです。
ヒラリーとしては、トランプのレベルに合わせて討論しなくてはならないので、致し方なかったというところでしょう。
●トランプの性的発言テープ
討論会そのものよりも大きなインパクトを与えたのは、テレビ討論会の直前の10月7日に報道されたトランプの性的発言を録音したテープです。
トランプにとって何よりも厳しいのは、共和党から協力を得られなくなる可能性があることです。
ポール・ライアン下院議長とは決定的に決裂。ジョン・マケイン上院議員ら有力者に加え、身内であるはずのマイク・ペンス副大統領候補、数少ないトランプの女性サポーターだったケリー・アヨッテ上院議員らがことごとくトランプの発言を非難しました。
トランプの性的発言を取り上げた上で、「これが米国の子どもにとってロールモデルになりますか?」と聞かれて、イエスと答えられる政治家はいないでしょう。
しかも、共和党の強力な支持基盤である宗教右派(evangelicals)は、特にビル・クリントンの時代から、「人格」を大統領の資質として重視してきました。今回の発言を受けてトランプを支持することは自己矛盾を抱えることになります。
こうなると、「トランプの自滅が続く」で述べた共和党が選挙資金を大統領選ではなく議会選に投入するという可能性も現実味を帯びてきます。
●副大統領候補討論会
一応、副大統領候補討論会についても述べると、これは「第1回テレビ討論会②」で述べたとおり、大統領選にほとんど影響を与えません。
ただ特筆すべきは、トランプを弁護するという無理なポジションにおかれたペンスの健闘です。落ち着いた振る舞いで大いに株を上げました。
とはいえ、トランプの行動を弁護するというよりは、自分としてはこう思う・・・だからトランプ陣営を信頼して欲しい、というこじつけに近い論法。これはこれで仕方ないし、次期大統領選をにらむペンスとしては最も合理的な行動ですが、ペンスの健闘がトランプの支持を上げることにはつながりません。
一方で、ペンスと同様、次期大統領選を狙うティム・ケインは、やや落ち着きのない言動に見えました。どちらかといえば株を下げたように思います。
もっとも、ティム・ケインは非常に尊敬されている政治家で、安定感は抜群、それゆえに期待が高すぎたという面があります。今回のパフォーマンスでケインの評判が落ちることにはならないでしょう。
●ウィキリークスとロシアのハッキング
「第1回テレビ討論会②」で述べたとおり、ウィキリークスとロシアのハッキングは、今後の大統領選を大きく揺るがす可能性がある重要ファクターです。
今回も、テレビ討論会の直前というタイミングで出てきました。トランプのテープと比べれば大きな影響を及ぼす内容ではありませんが、今後も予想を超える暴露が出てくる可能性は否定できないでしょう。
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4 comments on “米国大統領選:第2回テレビ討論会”
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だそうですね。 お名前を漢字にすると
”不倫”さんは笑えます 笑えますが、主張された
日米関係のリフレッシュはヒラリーが大統領になっても
起きる事でしょうね。
中国パンダ党の一員のヒラリーより、トランプの方が
主張が明確なので、日本外交はやりやすいでしょう
基本はお金ですみそうだし
ベルドンさんは絶倫時代の若き日の思い出を
ブログに執筆中ですが、男クリントンや
トランプを含め世界の話題はその方向なんですね
ただ、理由は違う。さすがこのテープ私が聞いてもショック。正直もうきも過ぎる。なんでいろいろいじめられてはきたものの普通の政治家であるヒラリーがこんな性犯罪者と同じ土俵に立たされるのかと正直腹が立ちましたから。とにかくトランプを見るのも聞くのもいやだったので、サイマルキャストのブログアップデートをずっと読んでました。相変わらず嘘八百を並べていたことに関してはいまさらですが、3つ際立ってひどかったことがあります。ひとつは鼻ぐずり、もうドウ聞いてもコケインをやっているのではないかと疑う人がさらに増えました。もうひとつはトランプがヒラリーの後ろに立っていまにも飛び掛りそうだったこと、これ見ていた女性はみないやがってました。でも、本当に一番怖い発言は、大統領になったら、ヒラリーを投獄すると宣言したこと。これは必要悪である民主主義のタブーで、基本政権が交代したときに、旧体制の暗い部分については追求しないと言うのが一種の不文律です。私も、トランプがどういう形で最低線をいくつも破り続けているのか、逆に勉強にしてます。ちなみに、トランプのひどさを表現した文章としては、共和党の論客のひとりで、レーガン大好きなGeorge Willの文章が私は一番印象にのこりました。George will,Banana Republic, TrumpでGoogleするとでてきます。この人の文章、共和党ですが、アメリカ人の政治論客としてはめずらしくきざなので好きです。この人の’名文’は野球についてかかれたものが有名なのだそうですが、私はスポーツに悲しいぐらい興味がないので、読んでません。ただ、ここへ来てトランプの勝ちはほぼなくなってきました。なんといっても普通の共和党タイプや、女性がさすがうんざりしてどっと流れてます。それと、アメリカの統計予測は正確なので、ここへ来て上院どころか、下院すら共和党にとって危険区域に入ってしまったので、Ryanがトランプより下院を優先するのは、当然です。私にとっては民主党がどこまで下院に食い込むかがみものです。ただ、トランプがとにかくやたら扇動しているので、選挙当日が少し心配ですが。
こういうタイミングでちゃんと出てくるんですね。先日の録音と同じく大金が・・。だがトランプにはビル・クリントンという強い味方がいるし(笑)、彼女は私の好みではないと、ピエロの本領を示し、留飲を下げた。今までと同じく支持率はさほど下がらない。共和党内でも避難されるほど、支持者は決意を固める。トランプ人気の張本人・オバマが下品だと非難するほど、トランプは力を得る。二人は反対色のピエロなのだ。
そろそろヒラリーのスキャンダルが出てくるのを待って、一発逆転狙っているのだろうが、私もJDさんと同じく、トランプが本気で大統領やる気があるとはどうしても思えないのですよ(笑)。間違って当選した場合、カタルシス用で使い捨てのトランプの使い道のシナリオもちゃんとあるんですかね。そろそろそちらの解説も準備しておいてください(笑)。
それにしてもぺルドンさんはデジャヴでこんな皇帝が出てくる状況に慣れているんでしょうかね(笑)。
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
hertopos さんのコメントの中にあったGeoge will,Banana Republic,Trumpでググったら、このタイトルが出てきました。
私の数少ないカラオケレパートリー曲です。この曲とDusty Springfield “I Only Want To Be With You”、あとBuffy Sainte-marie の“The Circle Game”は空で歌えるくらいです。
正直、トランプさん、もう勝ち目ないレベルに来ているのではないでしょうか。アメリカの女性はトランプさんにもう生理的嫌悪感すら感じているでしょうし、共和党政治家のみなさんは賤ヶ岳の戦いの柴田軍の如く、どんどん裏から崩れています。やっぱり私が応援すると一気に負けに傾くのかなあ。( ´艸`)
“Freedom’s just another word for nothin’ left to lose.”
ただトランプさん、やりたい放題やってきたけど、失うものが、あまりにも大きくなりすぎないことを祈ります。やっぱ大統領選挙出たことはそれなりに偉いですよ。
ビル・クリントンさんも相当信用に影響出るだろうなあ。同情しないけど。
だけど、まだ諦めちゃいけませんぜ。トランプさん。
討論会はもう捨てて、テレビコマーシャルや街頭で、本当の支持者に訴えかけるべきです。
トランプさんの本当の支持者、それはすなわち「負け組」だと思います。
いわゆる「社会的弱者」ではないです。エスニックマイノリティや医療保険をきちんと受けられない人、きちんとした政策ケアを必要な人はクリントンさんに入れるべきです。
そういう人のための政治活動を信念を持って一貫してやってきてます。
トランプさんを応援してきたのは、競争に負けて没落してきた人たち、格差社会の歪で社会の本流からはじき出されかかっている、もしくは社会の低層に押し込められてる人たちです。
なんだかんだ言っても、圧倒的な成功を収めてた「勝ち組」よりは「負け組」のほうが多いのですからきちんと訴えれば勝負にはなるはずです。
得意ワザの二枚舌だろうが三枚舌だろうが、その人達が満足する夢のある政策を考え、一生懸命全国コマーシャルで煽るのです。
どうにでもなーれの人たちが食いついてくれると思いますよ。
トランプさん、少なくとも不満のはけ口にはなったんじゃないかな。
話は変わりますがボブ・ディラン、ノーベル平和賞じゃなく文学賞獲ったのはちょっと驚きました。\(゜□゜)/
確かに、曲は大したことないもんね。もし、生まれたのが半世紀遅かったらラッパーになってたのかな。(*゜▽゜ノノ゛☆
なんか、各大陸の順番待ちなんて事情もあるそうですが、今年はユーロヴィジョンソングコンテストでの、プロテスト・ソングの復権が大きい影響を与えたのかなあって、個人的には思います。
ちょうど開催地がストックホルムで、優勝曲がウクライナ代表でクリミア出身のジャマラさんが歌う「1944」というプロテスト・ソングでした。
ノーベル文学賞審査委員の人たち、プロテスト・ソングの祖であるボブ・ディランを思い出したんじゃないかなあ。世代的にも。