2017/10/26 05:00 | 米国 | コメント(3)
バノン主義とトランプ政権・共和党(1)
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中国共産党大会の速報
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新常務委員は、習近平、李克強、栗戦書、汪洋、王滬寧、趙楽際、韓正でした。
先週の記事で述べたとおり、私の予想は、習近平、李克強、栗戦書、汪洋、韓正、胡春華、陳敏爾(+ダークホース:趙楽際、王滬寧)でした。
ダークホースまで含めれば予想の範囲内なので、まあ80点くらいでしょうか。ちなみに趙楽際については、昨年の記事ですでに候補者の一人として挙げていました。
これをどう読むかですが、来週解説します。
さて、本題です。
■ Steve Bannon’s target list(10月11日付CNN)
日本では報道が見当たらないので、英語のソースを引用しますが、先週お伝えしたように、米国では、共和党議員の現職(テッド・クルーズを除く)をすべて落選させるというスティーブ・バノンの「宣戦布告」が話題になりました。
バノンの宣戦布告に先立ち、これを裏付けるように、9月26日に行われたアラバマ州上院補選の予備選では、バノンが支持するロイ・ムーアがトランプと共和党が支持するルーサー・ストレンジを破るという驚くべき結果になりました。
・「今週の動き(10/2~8)」
・「アラバマ州上院補選(補足)」
さらに、今週に入ると、ジェフ・フレーク上院議員が次期中間選挙への不出馬を発表。
■ G.O.P. Senator Jeff Flake, a Trump Critic, Won’t Run for Re-election(10月24日付New York Times)
フレークは、本メルマガでお伝えしてきたように、トランプ批判の急先鋒といえる共和党議員です。彼はトランプからの激しい攻撃もあり、次期中間選挙では再選が危ぶまれていました。
なお、トランプを最も激しく攻撃するもう一人の共和党議員がボブ・コーカーです。これについては先週の記事で解説しました。
今週に入っても、トランプとコーカーの舌戦は続き、トランプはツイッターの5連投(①/②/③/④/⑤)でコーカーを「無能」で「ちび」と罵っています。
このコーカーはすでに次期選挙への不出馬を表明しています。つまりコーカーとフレークというアンチ・トランプの代表格がともに姿を消すことになります。トランプにとって喜ばしいことはもちろん、前述のバノンのもくろみどおりに物事が進んでいるともいえます。
政権を離れた後も米国政治に大きな影響力をふるうバノン。その狙いは何なのか。
もともとトランプはバノンの解任を望んでおらず、バノンが去るときも彼を擁護する発言をしていました。
これをもって、バノンと彼が支配する極右メディア・ブライトバート・ニュースは、トランプと連携し、トランプを支援する別動隊のような動きをする・・という見方が数多くみられました。
しかし、ことはそう単純ではありません。バノンは、「トランプのサポーター」という枠組みでとらえられる人物ではなく、もっと別のものを見ています。
彼のビジョンがどのようなものかは、これまた日本ではまったく取り上げられませんが、米国ではベストセラーになっている以下の書籍で知ることができます。
■ Joshua Green “Devil’s Bargain: Steve Bannon, Donald Trump, and the Storming of the Presidency”(7月18日発行)
また、最近、バノンは各所でジャーナリストと対談しており、かなり率直に自らの哲学を語っています。
前置きが長くなりましたが、本日は、バノンの哲学思想と政治的志向、それがトランプ政権と共和党に何をもたらすかについて解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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バノン主義とトランプ政権・共和党(1)
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●バノン主義
●テッド・クルーズ
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あとがき
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広島は残念でしたね。これがCSの醍醐味でしょうか。ぐっちーさん、お疲れさまでした。
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3 comments on “バノン主義とトランプ政権・共和党(1)”
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産経がメンツにかけ・・
昨日の朝刊で・・図星・・中国の御寵愛を受けた。
しかし・・
王滬寧・・軍師が面に出て来るとは意外な喜びだった。セブンスターの知的水準が飛躍した。三国志の登場人物を髣髴させられる。彼の分析頼みたい。
微笑ましい読み間違いはあるにしても・・習近平の知的能力を侮れない。
習王朝だな・・いずれ党主席の玉座に座られる。実に手強い相手になるな。
孟建柱・・地位が動かなかったか・・教えて欲しい。
バノン・・タイミングが良い分析が始まった・・面白い軍師だな・・
ダークマネーは一読した・・米国の懐の深さを教えてくれる必読の書・・・
( ^ω^)・・・(笑
トランプの発言を、バノンの壮大な主義・思想と重ねてみると、ますますアメリカの政治が興味深いものに見えてきます。
今日も共和党内からトランプに対する不満噴出、というニュースを目にしましたが、こちらの記事のおかげで、今までとは違うものが見えてくるようで、役に立ちました。
後編も楽しみにしています!
本論とは少しずれてしまうかもしれませんが。
フレークの演説は、きれいごとを言って負け戦を避けている、ようにも聞こえますが、一方、古き良きアメリカを引き合いに、子や孫に説明のつく仕事をしたい、という至極、人間・政治家としてまっとうな発言に、個人的に心が動きました。
アラバマ州でトランプ主義が盛り上がっている、と以前ご指摘されていたように、今回のこのフレークの演説はアラバマ州でも”響いて”いないものなのでしょうか?
そして、響いていないということであれば、それは現時点では、トランプ主義がうまく浸透していて、中間選挙を含めた今後の運営上にもトランプに追い風、ということなのでしょうか?
バノン主義より、余程フレークの演説のほうが心地よいのは、気のせいでしょうか・・・。